東京新聞の4月26日付朝刊11面に「奈良女児殺害の公判から(上)」という記事が掲載されました。
(記事全文)
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20050426/ftu_____kur_____000.shtml
記事には
「小林被告が
女児に興味を抱き始めたのは高校二年の時。先輩から見せてもらった
アダルトアニメのビデオがきっかけだったという。」とあり、小林被告の最初の犯行については、
「
“初めての犯行”は高校三年の時。小学三年ぐらいの女児二人に、下半身を触るなどのわいせつ行為をした。」
と記載されています。
この記事を読んで不審に思われた方は、少なくともこの記事を書いたプロの記者よりも、この痛ましい事件についてきちんとした情報収集と研究をされていることになります。
なぜなら、
小林被告が初めて女児を襲い、摘発されたのはアダルトアニメを見る以前、中学時代の14歳のときなのですから。
「
中学時代、大阪府内で六歳の女児にいたずらしたとして摘発された後に小林容疑者と対面した保護司の女性(85)は「
当初から更生できないと思ったんです」と語る。三十年近くの間に二百人の犯罪者を引き受けた女性の直感だった。保護観察中に課された接見に来ない。約束違反は日常茶飯事。しかり飛ばしても、にやにやしながら受け答えするばかりだった。(中略) 中学時代の担任教諭は「かかわった教師として、屈折した性格をつかみきれなかったのが悔しい」と話した。」
(産経新聞2005年1月3日付)
「
幼い女の子に対するいたずらが初めて見つかったのは十四歳。観察を担当した保護司(85)は、「はいはい」と適当な返事をしながら反省する気配のない小林容疑者を見て「
更生しきれないだろう」と感じた。直感通り、その後十数年間で十回以上の事件を引き起こす。」
(共同通信社
http://news.kyodo.co.jp/kyodonews/2004/nara/news/0103-126.html)
こうような事実関係を東京新聞の記者は知らなかったのでしょうか?それも複数のマスコミで報道されている事実について。
上記の記事の通り、小林被告は
アダルトアニメを見る以前の中学時代に女児に対するわいせつ行為をはたらき、摘発されており、この事実は先の「小林被告が
女児に興味を抱き始めたのは高校二年の時。先輩から見せてもらった
アダルトアニメのビデオがきっかけ」という記事の内容と
明らかに矛盾します。
共同通信社の記事にもあるとおり、小林被告が凶行に至る原因を考える場合には、母親の死や学校でのいじめの体験、父親との不仲等、
考慮しなければならない点は一つではないはずです。
それにもかかわらず、この記者は「
コミックにはまる小児性愛者は多い」(
その根拠となる客観的データは一切書かれていません。)という一人のジャーナリストと共に「都内の専門書店」まで出かけ、「狭い店内では
数え切れないほどのロリコンもののコミックや雑誌、DVDが売られ、
幅広い年代の男性でにぎわう。」などと、あたかもこれらロリコンもののメディアが巷に溢れ、それらを愛好する小児性愛者が増加しているかのような印象を与える記述をし、(これらのコミックやアニメの中にはいわゆる「姉もの」や「熟女もの」といった他のアダルトコンテンツ同様、年上系のものもあることなど、この記者は調べすらしていないようです。)さらには「被告の小児性愛的傾向は高校生時代に発生し、それを触発したものはポルノアニメである」と先に指摘した
被告の犯罪履歴と矛盾する弁護人の意見を全く無批判に掲載しています。
最後の方でようやく「同じものを見ても多くの人は犯罪などしない。そうした人と、小林被告を隔てたものは何か。背景の多角的な解明が大事。」という精神科医の指摘を載せていますが、この記事の意図しているところは、事実と矛盾する記事内容、コミックとアニメの問題ばかりに割かれた文面から考えても、読者に奈良女児殺害事件の原因はアダルトコミックやアニメにあるという印象を植え付けることにあるとしか思えません。
サイト上の記事では載っていませんが、新聞の紙面には「
“ロリコンもの”犯行を触発?」や「
小林被告「高2で見たビデオきっかけ」」といった見出しが大きく印刷され、さらにいくつかの美少女コミックの単行本と雑誌の写真まで載っていました。(これらのコミックの作者の了承をきちんと得ているのでしょうか?)これらの掲載方法も印象操作のためとしか思えません。
子供に対する凶悪犯罪の元凶がコミックやアニメにあるという誤った印象を大衆に植え付けるために、
犯罪の原因究明のための重要な事実の一つをなかったことにしようとするマスコミの世論捏造のための印象報道には、強い憤りを覚えます。
参考サイト
(反オタク国会議員リスト雑記帳)
http://d.hatena.ne.jp/axgx/20050421#p1
(奈良女児誘拐殺人事件における、マスコミのオタクバッシングまとめサイト)
http://www.geocities.jp/houdou_higai/

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