「放射能汚染時代を生き抜くために チェルノブイリから福島へ」とする講演会へ行った。
河田昌東チェルノブイリ救援・中部理事と木村真三獨協医科大学順教授(放射線衛生学)の両氏の講演だった。木村氏が講演するのは初めてだし、異例のことだという。「汚染地域の人たちが生き抜くための支援をするのが自分の仕事」として、広く世間に実態を知らしめるようなジャーナリスティックな立場とは一線を引いている。深刻な話のなかにもユーモアもあった。
両氏ともにチェルノブイリ事故の後、ウクライナで救援活動を行っている。河田氏は放射能を吸着する能力の高い植物をつきとめ、菜種(菜の花)を植えることで土壌の放射能の低減するプロジェクトを行っている。
木村氏は医師の立場で汚染地域の放射線量を計測し、核種・線量と健康状態の関連や土壌・作物の汚染状況などを調べどこまでが許せる範囲内かなどを検討して対策を提案している。両氏とも汚染状況や汚染地域での生き方を直視されておられることから、非常に説得力のある話が聞けた。現場を知るものが一番強い。
徹底的に計測し、科学者の目で緻密に分析し、適切な対策を見つけ、人間の感情にも触れる対処をしていく。木村氏が同感し、自らもいい続けているという「チェルノブイリの人質たち基金」のキリチャンスキー氏の談話が紹介された。「被害者意識を捨て、国や行政をあてにせず自分たちで問題を切り開くための努力をする必要がある」というもの。
確かに国の対策は遅々として進まないし、実行されない有効な提案もあるのではないかと思える。専門家ではない人でも、科学者の目を持ち、少なくとも正しい事実を把握しなければならない。
「市民科学者」という言葉があった。今日の講演のキーワードの一つだと思えた。

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