僕は子供の頃から漫画家を目指した人間です。
ですから19歳からの10年間を、背景描きとしてアシスタントをしました。
まあ、この10年間の時間の中で、実は漫画が描きたいのではなくて
絵が描きたいのだ!って事に気付いて、漫画家を目指すのを止めて
イラストレーターになったんですよ……笑。
漫画って絵の問題よりも、ストーリー展開の方が重要なんですよ、実は。
絵は構図だけ間違いないように描けていれば良いんです。
絵描きの要素より、作家的な要素の方が大事って事なんです。
でもこの漫画家を目指した10年間で、先生からも先輩達からも
自分で漫画を描く際の注意事。を色々と教えてもらいました。
例えば、方向性です。登場人物が動く際の方向性。
登場人物が東京から大阪に向かうシーン!を描く場合には
右から左に、新幹線か飛行機が動いてる様に描くんです。
これは、僕らが子供の頃から見て来た“日本地図”が頭の中に
イメージとしてあるので、この“習性”というか“約束事”を利用してるんですね。
むかしのモノクロ映画等では、このあたりの“約束事”がチャンとされていて
僕らが観ても何ら疑問が無く気持ち良いのです……笑。
それが最近の若い監督さん達って、このあたり知らないみたいで
乗り物などの動く方向がバラバラの無茶苦茶なんですね。
だから僕らは、こういう“約束事”が出来ていない映画やドラマ観ると
気持ち悪いんです……モジモジして気持ち悪い……。
で、そう考えると“世界の中の日本”と考える場合
日本って極東って呼ばれてますね。
世界の右端に位置している。って世界中の人達の意識の中に刷り込まれてる訳です。
でも日本人って、“日本は世界の中心にある。”って刷り込まれてる訳です。
ですから、このあたりの感覚をチャンと計算しないと
日本以外の人達に変な感じを与えちゃうんですよ。
2次戦当時のノルマンディー上陸作戦なんかで考えると
ノルマンディー海岸があるフランスから、ドイツ軍をドンドン
母国ドイツまで追い込んで行く訳で、そうなると左から右に向かう。という風に
考えるのが普通なのです。
ですから、ビネットを作ってフィグを乗せる場合でも
連合国軍は右向きにフィグを置いたものを、メインと考え
ドイツ軍は左向きにフィグを向かせると、世界中の誰もが落ち着いた方向性を
自然と感じるんですね。
まあ、こういうのが、作品(フィグでも絵でも映画でも)を作る上での
“お約束”なんです。
こう言う事を知っているのと知らないのとでは、作品の持つ(持たせる)意味合いが
違って来ると思うんですよ。
自由であるべき作品活動ですが、人って全てが自由!ってなると
逆に立ち位置が難しくなると思うんですよ。
ですからこう言った物を作る上での“約束事”や“構図”“構成”の存在を知って
それを守りつつ、自由を満喫したら良いな。と思う訳です。

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