大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた裕司は、弟を買い戻すために再び夜市を訪れた―。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。
第22回のたら企画「グッドバイの文学」で
ワルツさんがあげられていた本ですが、これがもうすごくよかったんです。
ホラーといってもあまり怖いお話ではありません。(怖かったら私は読めません。^^;)
「夜市」と「風の古道」という2作品が収録されていますが、どちらも日本古来の民話のような雰囲気を持ち、幻想的な描写と無駄のない文章で、日常のすぐ隣に存在する異世界を描いています。
そして、少ないボリュームながら、メリハリのある起承転結があり、内容が濃いので読み応えも十分。
着想の素晴らしさといい、人物の素朴な魅力といい、かなり楽しんで読むことができました。
不思議話の好きな母も、大絶賛しておりました。

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