3度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。しのぎ稼業から足を洗い社会復帰を果たすには元手が要る、そのためには−早い話が誘拐、身代金しかない。雑居房で知り合った秋葉正義、三宅平太を仲間に、準備万端調えて現地入り。片や標的に定められた柳川家の当主、お供を連れて持ち山を歩く。・・・時は満ちて、絶好の誘拐日和到来。3人組と柳川としの熱い日々が始まる。(裏表紙から)
第32回日本推理作家協会賞受賞作であるとともに、文春の20世紀のベストミステリー第1位に選ばれ、映画化もされた作品。
この本は、
四季さんが「オールタイムベストな本」と紹介されていたことから興味を持ち、
もろりんさんの「みんなのコメント集」のコーナーで
源助さんが「スケールの大きいユーモアたっぷりの大傑作」とコメントされてるのを見て読むことにしました。
この作品の1番の魅力は、82歳の老人、柳川とし子刀自のカリスマ的な魅力にあります。やさしく上品で知的な面と、老人とは思えない行動力と胆力を併せ持つ彼女のおかげで、作品自体が生き生きとテンポ良く進んでいきます。
関西を舞台にしてあることから、登場人物もほとんどが関西弁なので、かなりコミカルに仕上がっています。どこか軽い漫画チックな雰囲気がするんですが、その内容は緻密にして大胆、ドキドキワクワク出来る本格的な仕上がりとなっています。
楽しいゲームのような展開から、終焉の絶妙な茶目っ気まで、これぞ娯楽大作といったところでしょうか。
難を言えば、作品が古く、あとがきにもあるように、著者が亡くなっていることから修正もないままの状態なので、現在使われていない言い回しや単語などが使われていて、読みにくい場面があったことです。
とはいえ、この作品が傑作であることには変わりなく、これからも多くの人に読まれていくでしょう。

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