2008/11/27

時間旅行  文化・芸術

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こんにちは、ユリです。
シュトラスブールに続いて、またこの3人で旅に出かけました。さて一体ここはどこでしょう?!ヒントは一緒に写っているメガネ&蝶ネクタイのおじ様。

正解は…、ポワシーにあるル・コルビュジエ建築のサヴォア邸でしたー!

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あれは何年前でしょう。今回と同様、麻理ちゃんと私の大学時代の同期で今はパリで働くユキちゃんと3人で、これまた同じくル・コルビュジエ建築のロンシャン教会を訪ねたのは。
ロンシャン教会日記

あの時の興奮と感動は今でも忘れられません。そこで今回、思い立ったら吉日とばかりに、寒風吹きすさぶ霜月も最終週にポワシーへと行って参りました。パリから高速地下鉄RERで30分くらいだったかなぁ。記憶が曖昧。あっという間に到着です(笑)。いい加減。
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駅から歩くこと15分強。
小高い丘をずっと上るような感じでようやく入口に辿り着きました!
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喜び勇む麻理ちゃん。

建物が目に移った瞬間、ロンシャン教会の時と同じような感激を味わいました。というのは、ル・コルビュジエの建築物はいつも自然の中にそっと置かれている、自然の邪魔にならず、むしろ一体化して溶け合っているという感覚の建物だからです。
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また3人でぼーっと眺めてしまいました。天候が変わってきていることにも気づかずに、ただひたすら見惚れていました。 

小雨も降ってきたことだし中に入ってみることに。
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この建物はサヴォアさん家族の邸宅です。ですからル・コルビュジエ新建築5原則を用いながらも、人の住む家としての驚くべき機能性も備えています。ちなみに5原則とは1.ピロティ(建物を支える柱)、2.屋上庭園、3.自由な設計、4.自由なファザード、5.横長の連続窓だそうです。完璧に実践された家でした。

麻理ちゃんがなにやら見つけたようです。記帳にサインしようというのです。
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まりちゃんの一筆書きサインが光っています。

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こちらはハマムのような浴室です。手前にある曲線は休憩用の長椅子です。これはル・コルビュジエの傑作デザインでもあり、リヴィングにも皮張りのものがあります。

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後ろの学生たちは私のことをデッサンしています。究極の曲線をみせる長椅子に横たわる、ルネッサンス美人的体格な私。曲線と曲線のコラボレーション!アングルのような素晴らしい作品が出来上がることでしょう。

さてさて、続いて噂のリヴィングです。連続窓は時期によって違う顔を見せる自然をまるで絵画のように並ばせ、正面には屋上庭園が臨めます。この空間の中で長椅子に座ってみると時間を忘れることができそうです。穏やかな気持ちになれること請け合いです。

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サヴォア邸に来る道すがら、ちょうど今ポンピドゥーで開催しているエキスポジションの話をしていました。ロン・アラードというエルサレム出身のデザイナーの斬新な展示会です。椅子という日常に必要不可欠なオブジェがアートとしてとても面白い位置を確立しています。先日そのエキスポジションに出かけましたが、混んでいて断念したところだったのです。そんな話をしていたものだから、ル・コルビュジエの椅子には必要以上に興奮する3人。

しかしこの長椅子、フランス人の学生がずっと座り、コートや荷物を置きながら庭園をデッサンするのに使用していました。私たちは他の部屋や別の階を見に行っては、まだかまだかとリヴィングに戻り、彼女が場所を移すのを待ちました。最終的には彼女の近くで長い間、そうね、それは相当長い間、次に使わせてもらおうとブランコの順番取りをする子供のように待ち続けました。学芸員のお姉さんも、このサヴォア邸のメインオブジェを愛でるのではなく、ただ単に椅子として使用し独占している様子に眉をひそめていました。それでも鈍感なのか、意図在ってかは謎ですが一向にどかない様子。

ついに麻理ちゃんが痺れを切らせて一言。
『私たちにも座らせて!』
学芸員のお姉さんはよくぞ言ってくれた!とばかりに、長椅子を中央まで移動させ、きれいに整え、そして笑顔で私たちに受け渡して下さいました。
喜ぶ私たち。
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勝利の椅子でにこやかな麻理ちゃん。

最後にミュージアムショップでサヴォア邸のミニチュア創作セットを購入し、後ろ髪を引かれながら外に出ました。
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外から中をのぞくと、さっきサインした私たちのページがそこにありました。

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私たちの軌跡がこのノートに残るのでしょう。常に過去になっていくね、とユキちゃんが言いました。記帳しながら笑いあう3人の姿が見えるようでした。


最後に同い年トリオで記念撮影。
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いつまでもその圧倒的なフォルムを飽きずに眺めるのでした。
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2008/11/23

ディジョン日記 其の二 〜お宅訪問〜  文化・芸術

こんばんは、ユリです。

というわけで、コンサートを終えた私たちは、私たちの師匠であるピアニストのロール・リヴィエール先生のおうちに泊めていただくことになりました。先生のおうちはディジョンの幸せを呼ぶ梟で有名なカテドラルのすぐ傍にありました。

おうちの中に入るとびっくり。何にかって、ガラーンとした程広くて和洋折衷な感じに(コレ、褒めてます!)。
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実は先生、杖道(ジョウドウ)と言って長い棒、すなわち杖を使った武道で2段の腕前をもつ御方でもあるのです。ですからこのような武士道溢れる内装になっているのでしょうね。長灯篭や月と雲を思わせるような照明、そしてあらゆるところに散りばめられている日本本気グッズ(可愛らしい和柄グッズではなく、織田信長や戦国時代の人形と説明だったり、宮本武蔵的な人物が云ったのであろう言葉を書いた小さな掛け軸だったり、これまたさぞかし名のある人の造ったような焼き物であったり…。)が部屋を飾ります。

それでもここはブルゴーニュ地方の大都市ディジョンに16世紀からあるおうち。私には物珍しい暖炉がありました。

ディジョン名物のクレーム・ド・カシスをアリゴテ(白ワイン)で割ったキールを飲みながら良い気分になった私は、家庭にある昔ながらの暖炉が使われているところを見たことがないので、先生にお願いして火をつけてもらうことにしました。

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薪と新聞紙をうまく配置し火をつける先生。

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燃えてきましたー!

…するとどうでしょう。もくもくと灰色の煙が溢れてくるではありませんか!
あたふたする私をよそに、先生も奏恵さんも、先生のお弟子さんであるピアニストのまさみさんも平気なご様子。
『え、これ、だめですよね?!私たち大丈夫ですか?!』とつい口走る私に皆さんはこう答えます。
『これが暖炉、これが火ってものよ。』
『エーーーッ!』(ウソでしょーと心で叫ぶ私。)

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もう部屋は煙で真っ白。一寸先は闇ならぬ煙。もはやこの部屋に誰がいたのか認識できないほど。私たちったら美味しい燻製にでもなりそうな位。

さすがに先生も火の調子をみてくれました。
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先生爆笑です。本当はおかしいなーと思ってるんじゃないの(笑)?!
私も先生に指導されるがままにお手伝いして、空気を送ります。
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そしてその後すこーし窓を開けたことにより、部屋に空気の流れができ、うまく火が燃え煙は上方へと流れたのでありました。

一件落着。
もう少しで低姿勢を保ちながら濡れタオルと共に避難するところでした。

さて、ディナーです。先生が鳥を焼いて下さいました。
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添え物のにんにくが超美味。

続いてこの辺りの地方でよく食されるというカンコイヨットというチーズです。
お隣のジュラ地方のワインで作っているそうです。

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このチーズは熱し、トロトロになったところをパンにつけて食べるそうな。チーズフォンデュのようです。味も香りも一癖あってすっごく美味しかった!大変気に入りました。寒い地方なのでこのような暖かいチーズの食べ方をするようです。食でも言葉でも、文化というのはそこの気候風土によって発展していくのですね。

デザートにはチョコレートケーキ。濃厚で美味。
結構大きなサイズでしたが4人で完食。
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コンサートのためにディジョンに行ったのに、こんなに美味しいお料理をふるまって下さり、地方文化まで教えて頂き、ついには泊まる部屋をまるで純日本旅館のように仕立てて下さった、リヴィエール先生には本当に感謝です。翌朝も私より早く起き、朝食を作ってくださいました。まるでドラ息子。

翌日、しっかりボジョレを購入。
その辺では手に入らない本当に美味しい逸品だそうです。
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ふふふ、この味の違い、私に分かるかなー?!わっかんねーだろーなー。

ボジョレ大会は今夜我が家で開かれます。


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2008/11/22

ディジョン日記 其の一 〜ユリのおふらんす文学プロムナード〜  文化・芸術

こんにちは、ユリです。
先日、ディジョンへコンサートのために行ってまいりました。
時は11月20日。そう、ボジョレヌーヴォー解禁の日です!
とは言っても、お酒は見かけ倒しの私ですが…。

コンサートは、ピアニストの遠藤奏恵さんとのデュオで、ラヴェルの『博物誌』全曲を歌わせて頂きました。本当に面白く興味深い曲で、毎度の合わせでも新しい発見に溢れ、本番中も1曲終わるごとに時間芸術を惜しむ気持ちでいっぱいでした。

特に4曲目の“かわせみ”という曲においては、ルナールの散文に感動します。打ち震えるような体験でありながら、逆にわざわざ語ることでもないかもしれない事象、それでもやっぱり自分に起こった心の衝撃というものをここまで繊細に捉えたルナール、それを十分すぎるほどに雄弁に、それでいてこんなにシンプルに音楽をつけたラヴェル。もうエライ(泣)!自然と人工(芸術)と人間の心の機微を具現化したこの曲の存在に対し、この2人の偉大な芸術家に泣いてお礼を言っても足りません。ありがとう、ジュール&モーリス(号泣)。

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今日はこのルナールとラヴェルの傑作『博物誌』から第4曲“かわせみ”をご紹介致します。ちなみにこちらがかわせみさん。
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Le Martin-Pêcheur かわせみ (拙訳)

今夜は魚が釣れなかった。
でも私は驚くべき感動を持ち帰った。

私がぴんと張った釣り竿を持っていると
かわせみがやって来て、その竿にとまった。

こんなに眩い鳥は他にいない。
それはまるで長い茎の先に咲いた大きな青い花のようだった。
釣り竿はその重みでしなっていた。

もはや私は息ができなかった。
かわせみに自分の竿を一本の木と捉えられたのが誇らしくて。

私は確信する。かわせみが飛び立ったのは怖さからではない。
枝から枝へと飛び移った、ただそれだけのことなのだ、と。

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2008/11/5

コンサート♪  コンサート&オペラ

11月3日の斉藤千穂さんのソプラノリサイタルvol.1が無事に終了いたしました。

この日のコンサートは、ギターによる伴奏がとても興味深いものだったと思います。
また、三留丈樹さん作曲の「ギターのための叙情的練習曲」が、垂石雅俊さんと共に2本のギターで披露されましたが、体に心地よく刻まれるリズムの上に響く、甘く優しい旋律にすっかり魅了されてしまいました。
ギターって素敵!お2人の演奏をまた是非聴かせていただきたいです。

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左から
つかこうへい劇団の役者さん(コンサート案内人)
三留さん、わたし、斉藤さん、垂石さん、ステージマネージャーの岡田さん

24日(月祝)のvol.2は、ヴァイオリニストのマルグリット・フランスさんとの共演です。
どうぞお楽しみに♪


さて、この日のコンサートには、クルト・パイユ日記でもお馴染みのたっちゃんこと
御村卓司さんも駆けつけてくれました!
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たっちゃん出演パリのコンサート→昔の日記


この夏に帰国した御村くんのリサイタルが、来年1月に開催されます!

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2009年1月18日(日)19時開演
ティアラこうとう
 小ホール 

〜プログラム〜
ショーソン:Andante et Allegro
ドビュッシー:Premiere Rhapsodie
コミヴェス:Flammes
シューベルト:岩上の羊飼い(※)
バーンスタイン:Sonata
ブラームス:Sonata op.120-1

※ゲストソプラノ 田中麻理
    
ピアノは、私が担当させていただくことになりました。
これだけのプログラムをたっちゃんと演奏させていただくのは初めて。
とっても楽しみです!!麻理さんも一緒だし、心強い!!
あ・・・さらわなきゃ。

全席自由2,000円 高校生以下1,500円

チケットお問い合わせは 
ミュージック・アレーズ 080-5697-8463 / clarinette71@gmail.com

またはcourtepaille2004@aol.com へもどうぞ!


麻衣子でした。
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2008/11/2

現代音楽と詩のコンサート  コンサート&オペラ

こんにちは、ユリです。連続登場。

先日、現代音楽と詩の朗読のコンサートに出演いたしました。
なかなか気合いの入ったコンサートだったようで、お客様は着飾ったご婦人たちで満員という珍しいコンサートでした(笑)。

ベルギー人のオスカー・マンデルさんという詩人の詩(フランス語)に、フランス人とオランダ人の2人の作曲家が曲をつけ、それを詩人みずから朗読し、私たちがその曲を演奏するというコンサートでした。彼の詩は寓話が多いため、それらのプログラムと共にラヴェルの『博物誌』もハイライトで演奏しました。ジュール・ルナールの散文を朗読して下さるのは女優のキャトリーヌ・ルジョさん。

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左から、作曲家のジョン・セルネさん、詩人のオスカー、女優のキャトリーヌ、作曲家のイヴ・リナルディさん、ピアニストの遠藤奏恵さん、ユリ。

現代曲というのはいつも本当に難しいものですが、今回はさほど大変ではありませんでした。それでも相当の時間を費やしましたが…。
クルト・パイユでもおなじみの朗読と歌のコンサートですが、やはりフランスではフランス語で詩を読む、そしてフランス語で歌うというシステム。
それじゃ、私が間違えちゃうのが分かっちゃうじゃなーい!ははは。
でも間違えません、勝つまでは。

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朗読中〜。

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今回ピアノを弾いて下さったのは、夏からずっとお世話になっている遠藤奏恵さん。お忙しい中今回も引き受けて下さり大変助かりました。ラヴェルは特に最初の合わせの段階から息が合い、本番でもあんなことやらこんなことやらが出来て本当に楽しい時間を過ごしました。ココッ!という場面が来ると、録音をしてくれている麻理ちゃんが2列目で爆笑する姿が幾度となく見受けられました。つられてこちらまで笑わないように麻理ちゃんを出来るだけ視界に入れないよう心掛けました。

世界初演と名打たれている彼らの新作は、同じ詩人の詩につけたとは思えないほど2人のカラーに分かれた仕上がりでした。イヴの曲は12分もある大曲です。印象としてはイヴの性格を表わす優しい映画音楽のような感じ。ジョンの曲は5つから成る連作歌曲集。歌曲のスタイルで書かれていますが、リズムに特徴のある彼自身のキャラクターが反映されたちょい悪オヤジ風の曲でした。

演奏家もたいがいその人のキャラクターが音楽に表れますが、作曲ほど強烈に個性が現れるものもないわね〜と苦笑を禁じえませんでした。
このコンサートはCDになるようです。

次回のコンサートは11月29日(土)夜19時から、18区にある La Maison Verte (ラ・メゾン・ヴェルト)という建物の中にあるホールでの宗教音楽コンサートです。出演は田中麻理、駒井ゆり子、遠藤奏恵の3名。このラ・メゾン・ヴェルトとは、パリでは珍しいプロテスタントの教会で、ボランティア活動を主に行っている団体です。彼らから依頼されたコンサートのコンセプトは、“カトリックとプロテスタントの境界を越えてみよう!”という新たな試み。私たちはそのテーマに順じて、プログラムをそれら2つの宗派の音楽を半分半分にプログラミングしました。キリスト教については深く言及致しませんが、こちらの団体は広く多くのものを受け入れる姿勢の整った組織です。私たちにも音楽をもってできることがあれば、それはきっと善き行動に繋がるであろうと期待します。

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プログラムは前半、バッハ、メンデルスゾーン、そしてアヴェ・マリアと名の付く曲を数曲、ソロ、デュオ、トリオの編成で演奏致します。後半はペルゴレージの『スターバト・マーテル』全曲です。

多くの方にいらしていただきたい、意欲的な意思を含むコンサートになりそうです。

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