『ショムニ2』の初回の数字が
思いがけずよかったものだから
自ずと期待値があがってしまった『斎藤さん』ですが
開始前の再放送が仇になったのか
今の気分と合わなかったのか
凡庸なスタートを切ってしまいました。
とはいえ、前作は
日テレ水曜22時の伝統に習って
口コミで尻上がりで評価をあげていった
作品だったの、みんな忘れてない?
しかも、今回は『斎藤さん』の解釈が
全く別物。
というか、実は今回の方が原作に近い。
(オリジナルストーリーなのに)
前作は極端な道徳ターミネーターみたいな
デフォルメされたキャラだったのに対して
今回はあくまでも生身の人間。
子供が小学生になったということもあって
突っ走るだけじゃむつかしいのか
ある意味『斎藤さん』も成長してる。
ただ、
『斎藤さん』がリアルにおりてきたのに
周りの登場人物がデフォルメされてしまっているから
どうもかみあわない。
もしかすると、この状況こそが
リアルなのかもしれないけれども
(当たり前のことを当たり前にしようとすることが
周囲との和を乱すと言うまさかの状況)
ドラマの構造として複雑すぎる。
たぶん、みんなが観たかったのは
これじゃなかったんだろうし。
観月ありさが前回よりも
深みを持って(これが弱くなった、という
意見につながるのかも、だけど)
演じているだけにほんとうに惜しい。
もう、いっそ海外生活で
常識の違いと戦う『斎藤さん』とかにしちゃったほうが
デフォルメできたのにね。
子供が大きくなって
ただ、正しいだけじゃ
『斎藤さん』だって子供は守れないし。
その上、この5年のあいだ
数年前までは厳しく言われていた
敬語や丁寧語が
「言葉も時代によって変わる」と甘受されたように
社会の常識もあいまいになってしまった。
それぞれがそれぞれの立場に
気を配る様になった今
犯罪以外に社会悪と言うものが
明確でなくなってしまったんだろうなあ。
だからこそ、の『斎藤さん』だったんだろうけど
創り手がその配慮をしている以上
僕たちが「またやればいいのに」と
思ってた『斎藤さん』は観られないんだろう。
観月ありさがほんとうに上手く演じてるだけに
もどかしい。
せっかく土曜21時に枠をうつしたんだから
もっと振り切っていいのに。
『ご縁ハンター』でもそうだったけど
勢いとか雰囲気だけじゃない
背景が見える芝居をするいい女優さんに
なったね。観月ありさ。

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