2016/10/10

拍手メッセージ、ありがとうございます!  

↓の進藤ヒカル誕生祭の投稿作品に対して、メッセージをありがとうございます。とても嬉しいです。
お返事を畳みますので、宜しくお願いしますv

ヒカルの誕生日からもう三週間ほど・・・早い;
主催様や参加者様への感謝と、そして皆様をお祝い出来る幸せを噛み締めて(^^)
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2016/9/24

ヒカルお誕生日おめでとう〜  

お祭り会場、もしくはサイトブログからお越しの皆様、今年もご一緒にヒカルの30歳の誕生日をお祝い出来て嬉しいです。ありがとうございますv

投稿作品は↓の記事にあります。お祭り会場へのリンクも。
今日はうちんとこの定番、乾杯グラスの写真をアップ〜(^^)実際は今年の春ごろに撮った写真ですが(笑)

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サイトブログへは、こちらから。http://orange.ap.teacup.com/applet/yukarin/archive?ap_protect=pe3rtjlds3e
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2016/9/20

ヒカル、おめでとう!  

ヒカル、お誕生日おめでとう!


いよいよ30歳になるのかな?
アキラと切磋琢磨して、それぞれタイトルホルダーになっているでしょうね。

そして今年も「進藤ヒカル誕生祭12」の開催、誠におめでとうございます!&ありがとうございます!
お祭り会場へは↓のアドレスからどうぞ(またバナーが貼れなくてすみません;)

http://takumi.o.oo7.jp/ring/hikarufesta.html

投稿作品は、ひとつ前の記事にあります。
参考にさせてもらった・・・というか、萌えエネルギーをもらったのは写真の雑誌です。
管理人は今、2.5次元舞台にドハマリしておりまして、押しの役者さんが載ってるとフラフラとこのような本を手にするようになりました(笑)
この雑誌は一冊丸々、全員浴衣というものです。・・・ということで、一体何を参考にさせてもらったかバレバレですが、↓のハピバ小説も読んでいただけたら嬉しいです。

今年もこのように、皆様と一緒にヒカルの誕生日を祝えることに心からの感謝を。

※ちょっとお友達から指摘を受けたので追記※
このおはなしのヒカアキは30歳ではありません。時間軸が違います。
「花守の庭にて」というオフ本にもまとめた、ヒカルとアキラが塔矢家の庭を愛でているシリーズの二人で、この時はまだ20歳前後かな。初々しい二人です。
説明不足で申し訳ありません!





画像はちょっと下げます(笑)





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2016/9/20

進藤ヒカル誕生祭12・投稿作品  

   『贈り物』





その日、進藤ヒカルは両腕いっぱいのススキを抱えて我が家へやって来た。

「どうしたんだ、それ・・・」
「花屋の前を通りかかったら売っててさ。そういや、お前んちの庭には何でもあるけど、これだけは見たことなかったなって」
「確かにうちにはないが・・・」
「邪魔だった?」
「いや、とんでもない!有難いよ、花は飾ってみたけどススキはなかったから。それがあると、断然お月見気分が盛り上がるな」
「じゃあ、何でそんなに驚いてんのよ?」
「だって君なら団子の方を買ってくるかと」

正直に答えたら、進藤はニヤッと笑って背中のリュックを軽く揺さぶってみせた。

「あ、それもある。そっちもぬかりはねーよ」
「あはは・・・そうか、それは良かった!さっそくススキを飾らせてもらうよ、それから食事にしよう」
「やっり〜」

ヒョコヒョコと、嬉しそうに体を揺らしながら彼が上がって来る―――いつものように縁側から。
すっかりここが進藤の出入り口になってしまったなあ・・・と、苦笑を禁じ得ないが、それを諌めるつもりも僕にはない。
むしろ、我が家の庭を背景に現われる彼の姿が、僕の中に温かい何かを運んでくれる。・・・いっぱいに、満たしてくれる。
だから今ではもう、僕にとってこの庭と進藤ヒカルは切っても切り離せない、大切なひと繋がりになっていた。





「あー、食った食った!美味かったー、満腹ー」

食べ終わると、進藤は丁寧に手を合わせた。

「それは良かった」
「・・・で?」
「でって・・・・・・・・・は?」
「なんかお前、今日は最初っからソワソワしてるっぽいから」

言いたいことでもあるのかって思ってさ、と。彼の大きな目でじっ・・・と見詰められた。

(なんだ・・・やっぱりバレてた)

図星をさされ、思わず目が泳いでしまった。

「だーって、お前が皿を割りそうになったのなんか見たことねーもん。それも二回も」
「そうか」
「ソースくれって言ったのに、醤油出して来たし」
「あれは悪かった」
「テンの尻尾まで踏みそうになってた。あれからテン、どっか行って戻って来ねーし」
「テンも何か察したのかもしれないな・・・」
「じゃあ、その何かを教えてよ」

塔矢・・・と、進藤が距離を近付けて来る。そうだ、別に緊張するほどのことでもないのだから、さっさと言ってしまおう。そうしよう。

「進藤」
「ん」
「その・・・ちょっと早いんだけど、二十日は仕事で会えないし、早い方がいいかと思って・・・いや、実際は季節外れだってわかってるんだ、だから来年でも良いかと思ったんだが・・・」
「がーっ!おい、塔矢!お前、どうしちゃったの!歯切れがわりーぞ!」

進藤が呆れたように、額に手を置いたまま天を仰いだ。

「・・・ああ、でもわかった。わかっちゃった。お前が・・・塔矢アキラがそんなにモダモダするのは、碁のこっちゃねーな。碁に関することなら、お前はもっとスパッ!と切り出してる」
「凄いな、君は・・・どうしてわかるんだ、そんなことまで」
「あのなー、一体何年の付き合いになると思ってんのー?」

今度は肩をポン・・・と叩かれた。それは彼の優しさを伝え、僕を安心させてくれる。
その優しさに勇気を得て、漸く切り出した。

「今度の二十日は君の誕生日だろう」
「うん」
「それで・・・君の誕生日に贈りたいものがあるんだ」
「へ?」
「こっちへ来てくれ」

進藤を促して、隣の座敷へと向かう。
彼が中に入ると、僕はさっさとふすまを閉めた。灯りをつける。

「あ?これ・・・」

明るくなった部屋の真ん中で進藤が見ているものは、衣紋掛けにかかった浴衣だった。
青い色の地に、もっと濃い藍色でトンボの柄が描かれた浴衣だ。

「浴衣・・・浴衣だよな?」
「うん、君に着てもらえないかと思って」
「俺!?俺が着るの!?」
「ちょっと早いが・・・誕生日、おめでとう」
「それってさ、俺の誕生日プレゼントにお前がこの浴衣を選んでくれて、そんで着てみないかって・・・そゆこと?それも今、着ていいんだな?」

黙って頷いた。口を開けば、照れ隠しで逆にエラそうにしてしまいそうだから。

―――だから慣れないことはするもんじゃない。
今まで、一緒に食事したり打ったりすることはあっても、ものを贈ったことはなかった。
今年に限ってこんなことをしたくなったのも―――それも全て―――

「俺がお前の浴衣姿を見たいって言ったの、覚えてたんだ」

進藤の視線が、浴衣から僕へと移って来た。

「ってことはー」

そこで彼はにっこりと、さも嬉しそうに顔を崩した。

「俺の分だけじゃなくって、お前も自分の浴衣を用意してるんだよな?」




進藤は自分では着付けが出来ないと言うから、僕がしてあげる羽目になった。そこまでは想定内だったが、自分で着るのと人に着せてあげるのとでは、まるで勝手が違う。
しかも相手は進藤だ。余計な雑念を入れまい、手早くやってしまおう・・・と。
焦れば焦るほど、彼の肌から立ち昇るほのかな汗の匂いや体温を、どうしたって感じてしまう。
その生々しさは、僕の予想を超えていた。
―――つまり、意識している相手というものは、自分を掻き乱す厄介な存在でもあるということだ。

「俺、マネキンみたいー。何もしなくていいの、楽チンだなー」

能天気な声に、ムッとする。

(君が何もしない分、僕が大変な目に遭ってるということがわからないのか、この男は!)

着付けが終わる頃には、自分の額にうっすらと汗が浮かんでいるのを感じた。

「ふう・・・これでいい、と。帯もきつくはないな?」
「うん!着心地もサイコーッ!案外、動きやすいし。トンボの柄ってあるんだな〜、自由に飛んでるみて〜」
「色やデザイン次第では、ちっとも子どもっぽくないだろう?」
「うん!めちゃくちゃ気に入った!トンボ、好き!」

物珍しそうに袖を振ってみたり、足を上げてみたりしている様子は、まるで小さな子どもだ。
苦労して着せ付けた甲斐があったと、僕も素直に嬉しかった。

「さてと。じゃあ、僕も着替えるから」
「うん、いいぜ」
「いいぜって・・・見られていると落ち着かない」
「手伝おうか?男同士じゃん」

―――わざとだ。これは、わざとだ。僕が困ると思って、わざと言っているのだ。

「断る。先に縁側に行って碁盤の用意をしてくれ。あと、飲みたいなら酒も」
「あれ?飲みながら打ってもいいの?」
「誕生日のお祝いついでだ、今日は特別に許す」
「やったぜ、ひゅ〜♪大体お前は緒方先生と違って、酒に関してはカタイんだよなぁ・・・」
「その緒方さんを見てるから、そうなるんだろうが」
「そっか?」

浴衣の裾を気にしながら、進藤が座敷を出てゆく。
食い下がられなくて、僕はホッとしていた。どうしても着替えを手伝うなんて粘られたら、気まずくなるばかりだ。
進藤を追い払うことに成功した僕は、急いで着替え始めた。





縁側に行くと、進藤が腰掛けて庭の方へと足を投げ出し、早速月見酒を楽しんでいるところだった。
その横には、さっき花瓶ごと運んでくれたススキが微かに揺れている。

「ススキは神様の憑代だそうだ。昔から、魔を払うと言われているとか」

背後から声を掛けると、進藤は弾かれたように振り向いた。

「より、し・・・へ?よくわかんないけど、魔とか何とかってことは、ススキはイイもんだってこと?」
「まあ、そういうことだな。悪いものを遠ざけてくれる。他にも収穫したものを月に見せるように飾ることで、来年もまた豊作になるようにとお願いしたんだろう」
「詳しいの、草花だけじゃねーんだな。さすが塔矢、物知りー」

嬉しそうに言いながら、進藤が横に座れと指を動かした。素直に従う。
自然に会話が流れていったから、まさかその次に何が起きるかなんて、想像もしていなかった。

「っ!」

僕の髪の毛に、進藤がその指で触れたのだ。

「お前の浴衣は白いんだな。白い浴衣に黒髪っていいな。スゲー似合ってる・・・」

指先だけを使い、髪の先をそっと揺らして弄ぶ。彼の方を見るといけない気がして、僕は頑なに前を向いていた。
それを何某かの了解と受け取ったのかもしれない。進藤はもっと予想外のことをした。
今度は、僕の手を握ったのだ。
反射的にその手を引っ込めようとしたが―――強い力で阻まれた。

「ありがとな、浴衣」
「うん・・・気に入ってくれたのなら良かった」

どうしていいかわからない。お礼を伝えたいだけでこうしているのなら、無理に解くのも大人げない。動かない・・・というよりも、僕は完全にパニックで固まっていた。

「俺に選んでくれた浴衣もだけど、お前だよ」
「えっ・・・」
「お前の浴衣姿、すっげーーー見たかったの。どっちかっつーと、そっちの方が自分の浴衣よりもサプライズだった・・・なんか、嬉し・・・」

止せ。雰囲気出すのは止めろ。そんな風に、僕に対して「お前は特別」的な思わせぶりな態度は止めてくれ。
そうでないと・・・僕は・・・・・・・・・

「塔矢」
「っ!?」
「あのさ・・・俺・・・」

握られた手に、力がこもった。何かが始まる。スイッチが入ろうとしている。
その予感が、最高潮まで達した瞬間―――

「そうだ!浴衣だけじゃないんだった!」
「っ、あ、ああ〜?」

僕はいきなり立ち上がった。
こんな空気には耐えられないと、先に限界に達したのは僕の方だったのだ。
いつもはいい具合に僕らの間を取り持ってくれる黒猫のテンも、今夜はどこかに行ってしまって戻らないのも痛かった。
不自然なのは十分わかっていたが、僕は一旦、座敷へと向かった。それから進藤の為に用意していた下駄を手にして、戻って来た。

「これで外を歩いても大丈夫だ。浴衣にスニーカーという訳にもいかないだろう」
「おおっ、サンキュー!・・・てーことは、お出かけも付き合ってくれるんだな?」
「いや、それは・・・もう秋だし、そんな機会は・・・」

(それじゃ、まるで僕が浴衣を贈ったのは、これで一緒に出掛けようと誘いたくてそうしたみたいじゃないか・・・あああああ・・・)

「いいじゃん、別に。秋祭りのあるとこ、探してみようぜ。まだ9月じゃんか」
「うん・・・」

進藤は、これもまた物珍しそうに下駄を履くと、そのまま縁側から庭先へと出た。
カラカラと音を立てて歩くのが、心から楽しそうだ。僕も、みるみるうちに気持ちが晴れる。さっきまでのパニック状態も、嘘のように解けた。
・・・今なら、きっと。肝心なことが言える。

「進藤。本当はこれだけじゃない・・・実は、仕上げがある」
「え?ナニ?」
「浴衣と言えば、最後にこれを・・・」

僕も縁側から庭へと降り、それから腰に差していた扇子をおもむろに取り出した。

「これを腰に差せば、完璧だ」
「ああ、そっか・・・」
「だがこの扇子は僕のもので、君には用意していない」
「・・・」
「君には大事な扇子があるようだから、それを差したいかもしれないと思ったから。・・・もちろん、扇子を持ち歩くかどうかは、自由だ。浴衣を着る時の決まりごとかどうか、僕も詳しくはない。大事な扇子なら持ち歩かない方が安全だ」
「うん、ありがとな」

僕は自分の扇子を腰に戻した。それからまた、月を見上げる。進藤の横で。

「いい月だな」
「うん・・・綺麗だ。それしか言えねーけど」
「十分だよ。だってこうして同じものを、同じ場所で、並んで見てるんだから―――」
「ん・・・」

また。まただ。空気が変わろうとする時、人はちゃんとそれがわかるんだな。わかるように、作られているんだな。
もう、迷わない。さっきは不意打ちだったけれど、今度は・・・今度、こそは・・・・・・・・・

「ひゃっ!」
「え、なに?」

進藤がすっとうきょうな声をあげたので、僕もビクッとなる。見ると、テンが彼の後ろにいた。
そして。テンは、口に何かを咥えていた。

「これ・・・」
「まさか、君の?」
「ちょっと待って。俺、対局以外では持ち歩かねーから、今日も入れてない筈・・・」
「そうなのか?でも、確かにこれは君の・・・」

進藤本人が今日は持って来ていないと思っていたその扇子が、今、紛れもなく僕たちの目の前にあった。
進藤はゆっくりと手を差し出し、テンからそれを受け取った。途端に、その場に興味を失くしたかのか、テンはどこかへいなくなってしまった。
あっという間の出来事だった。

「アイツ・・・いい仕事しやがる」
「驚いたな」
「まあ、いいや。どうだって」

進藤の言わんとするところが、僕にもわかる気がした。
その扇子が進藤のリュックに入っていたのが、たまたまだろうが、或いは見えない力が働いたからだろうが、そんなことはどうだっていい。
その扇子が「今、ここにあること」―――それだけが、大事なことなのだから。

「あー、でもこのススキでテンと遊んでやろうと思ったのに、行っちゃった・・・これ、ねこじゃらしみたいじゃん?テンのヤツ、喜ばねーかなぁ・・・」

残念そうに言いながら、進藤がその扇子を腰に差した。

「どう?こんな感じでオッケー?」

尋ねられて、僕は襟と帯を辺りを整えてあげようと彼に近付いた。照れはもうなかった。ただ、自然にそうしていた。
それから僕はもう一度、半歩下がってから、彼をじっくりと眺めた。

「ああ、男前だ。満月も見ているだろう」
「満月・・・」

進藤が空を見上げた。僕もそれに倣う。
月は、波紋のように広がる光の環をまとって、柔らかく輝いていた。そしてその光が庭を明るく照らし、同時に影も生み出していた。

「うん・・・そうだな。多分、いや、絶対に俺が見て欲しいと思う時はさ、ちゃんと見てくれている・・・それが対局であっても、こんな風にお前と大事なことをしてる時でも・・・」

そして再び、彼が僕へと一歩、距離を縮めて来た。
今度こそ・・・ああ、本当に今度こそ、僕らは互いに手を伸ばし合った。その先に起きる全てのことを受け入れ、ともに手を取り合って進むために。
初めての抱擁の時、二人とも浴衣姿だったことを懐かしく思い出す日も―――いつかきっと来るだろう。

進藤ヒカルの誕生日には少しだけ早い、十五夜の晩のことだった。





(了)
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2015/12/21

ありがとうございます!  

アキラのお誕生日から一週間。お祭り会場にも新しい作品が増え、嬉しい限りです。
拙作も読んで下さり、ありがとうございます。↓に(続きを読む)拍手メッセージのお返事を置いておりますので、クリックしてどうぞ〜
・・・いや、ちゃんと書いておかないと、最近では「拍手メッセージ」とか「ブログ」とか「BBS」とか、そういうものに触れる機会も少なくなっていると思われるので^^;

投稿した拙作は二つ前の記事にあります。
お祭り会場へは↓からお戻りください。



拙サイトのブログへはこちらからどうぞ。今はここしか稼働していません^^;
http://orange.ap.teacup.com/applet/yukarin/archive?ap_protect=pe3rtjlds3e



そして最後に、当サイト恒例の乾杯グラス写真を(笑)
ブログには一度載せたものですが、お誕生日部屋にも。アキラさん、おめでとう♪
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2015/12/14

おめでとう!  

アキラさん、お誕生日おめでとうございます!
29歳になり、トップ棋士としても一人の男性としても、充実期に入る頃かと思います。
いつまでもいつまでも、お幸せにv大好きですv

そして今年もお誕生祭開催、おめでとうございます。
主催様のおかげで、こうして皆さんと一緒にお祝い出来ることを深く感謝いたします。ありがとうございます(^^)

拙作はひとつ前の記事↓にありますので、他愛のない話ですが(ヒカアキ前提)楽しんでいただけたら嬉しいです。
ご訪問、ありがとうございました。






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2015/12/14

もうひとつの・・・  

「塔矢アキラ誕生祭14」の参加作品です。









『もうひとつの・・・』



29歳の誕生日の前日、アキラは仕事でヒカルと一緒だった。それも、大規模な子ども囲碁教室の東京大会だ。
最近では対局が忙しく、この手の仕事はめっきり減っているが、それでも人気棋士の二人にはどうしても断れないご指名の場合がある。
本来、二人とも指導するのは嫌いじゃない。子ども相手なら尚更だ。
しかも、今日はこの仕事が終わったら二人でヒカルの部屋へ行き、そのまま翌日のアキラの誕生日まで過ごすことになっている。
幸せな夜が約束されているのだから、指導にも一層熱が入るというものだ。

「塔矢、お疲れ〜」
「君こそお疲れ様。盛況だったな」

実際二人は心地良い疲れを感じながら、帰途についた。最寄駅からの道すがら、他愛のない会話を楽しむ。
街路樹はすっかり葉を落とし、寒々としている。その立ち枯れた木立の合間から、白い月が見え隠れしていた。
アキラとヒカルは枯葉を踏みしめながら、一歩一歩、二人だけの時間へと近づいてゆく・・・

「誕生日って言えばさ、先週、女流の高橋さんが誕生日だったんだって。『でも私は20歳から逆に一歳ずつ若返るのぉ〜』なんて言うから『だったら高橋さんは今15歳のぴちぴちなんだ〜』とか和谷も弄るもんだから可笑しくて・・・」
「はぁ・・・逆行か、女性はよくそういうことを言うみたいだね」

高橋さんとはヒカルが先週、仕事で一緒になった女流棋士だ。
可愛らしい容姿と舌っ足らずの喋り方が人気だが、実はもう25歳だったのかとアキラはとっさに計算する。

「特にあの人は可愛い系だから、年とりたくねーのかもな。そういう気持ちは男の俺にはあんまわかんねー。・・・だけど」
「ん?」
「それを聞いて、俺とお前も20歳から逆行したら今、29歳だから・・・11歳になるのかーって思った」
「11歳ね・・・」

言いながら、アキラはそんな年齢に戻りたいとは思わない、改めて女性の考えることは謎だと結論付ける。

「11歳っつーったら、さっきの囲碁教室でもそのくらいの子がたくさんいたよな」

ヒカルの言葉にアキラも頷くが、実際はもっと小さい低学年くらいの子どもの方が圧倒的に多い。

「ああ、そうだ!君に似た感じの子もいたよ。髪にメッシュが入ってた」
「マジ?碁は?」
「う〜ん・・・髪型以上に型破り、だったかな?」
「はははははっ・・・そっかー」

ひとしきり笑った後で、ヒカルは急に予想外のことを尋ねて来た。

「さっきみたいな囲碁教室見てるとさ、和谷や伊角さんは懐かしいとか言うんだ、自分も通って来た道だったって。・・・なあ、お前も懐かしいって思うことある?」

アキラは少しだけ考えてから、正直に答える。

「特に懐かしい・・・という光景でもないかな」
「そうだろ?お前もああいう場に来たことはあるだろうけど、基本は家で先生や門下の人と打ってた筈だ。そして俺も・・・まあ、ああいうところは数えるくらいしか経験ないかなって。何年も教室に通ったり、大会に出たりを繰り返してた子ども時代って訳じゃなかった」
「そうかもしれない」
「でもさ、大半の子はこういう道を通ってる。それが普通だ。・・・だからお前と俺は、実は特殊だったんだろう。・・・うん、スゲー特殊。今ならわかる、そのことが」
「・・・」

プロになっておよそ15年。子ども時代のことは、既に遠い思い出になりつつある。
アキラにとって、プロになる直前のヒカルとの出会いは以外には、懐かしむような特別な出来事など、特になかったとも言える。

「なあ・・・俺らが出会ったのもその頃じゃん?」

ヒカルが自分と似たようなことを考えていたのかと、アキラはハッとなった。

「んー、そうだっけ・・・」

だが、それは言わない。むしろ関心がなさそうなポーズをとる。
心を見透かされた訳ではないだろうが、妙に同調していたことを悟られるのも悔しい。
変なところで負けず嫌いが顔を出す。例え、いくつになっても。恋人同士になっても。

「なに?俺らの出会いって、お前的にはそういう渋〜い反応するとこ?」
「渋いって何だ?・・・そうだな、君との出会いは忘れられない」
「はははっ・・・まあな。それは俺も認めるぜー」

ヒカルがアキラの背中を軽く叩く。それを潮に、二人とも黙り込んだ。
それぞれの胸の中に去来するものを、ひとつひとつ、丁寧に見詰め直すような―――穏やかな時間が流れてゆく・・・・・

先に口を開いたのは、アキラだった。

「誕生日は人間として・・・生物として、この世に生まれた日―――」
「ん?」
「そしてもし、人生の方向性を決定付けるような日を第二の誕生日とするなら、きっと11歳の僕が君に出会ったあの日がそうだろう」
「塔矢・・・」
「生まれた日もめでたいし、祝われるべき日だが・・・それと同じくらい、僕にとっては第二の誕生日も大切かもしれないよ?」

アキラは出来るだけサラッと、軽く、口にした。まるで世間話の一つのように、だ。

「ひーっ!照れるじゃんかー、塔矢先生はやっぱ頭いいから口も上手いねー。っしゃ!今夜の誕プレ奮発するかー」

ヒカルもまた同じように、重たい受け止め方はしていないというポーズをとってくれる。それが嬉しいし、有り難くもある。
それでもアキラは、ほんの少しだけ胸の奥にチクリ・・・と刺すような痛みを覚えた。

(君にとっては、僕との出会いよりも先に、もっと大きな出会いがあったのかもしれないな―――)

口にはしない。触れる気はない。
ただ、自分は「そのこと」をわかってさえいればいいのだと、アキラは信じている。
そうやってもう何年も何年も、進藤ヒカルという謎多き経歴の棋士の隣にいた。

「プレゼントは何だ?何をくれる?」

人気のない通りだと言っても、誰が見ているかわからない。
それなのにアキラはヒカルの肩に頭を預け、甘えたような仕草をしてみせた。
ヒカルはよっぽど驚いたのだろう、ビクッと体を揺らして立ち止まった。

「塔矢センセ、大胆!・・・どうしたんだよ、さっきから・・・あ、これはおねだりかな?だったら俺も、今夜は大いに期待に応えるから覚悟しとけよ?腰、立たなくても知らねーからっ!」

アキラは笑って相手にしない。
ヒカルはよくこういう言葉でアキラを煽ろうとするが、興奮するというよりも、最近では「可愛い」と思うことの方が多い。
そして出来ることなら、いつまでもアキラに対して挑発的なことを言う、可愛いヒカルでいて欲しいと願わずにはいられない。

「じゃあせいぜい祝ってもらおうかな?・・・君の体で」
「へ?」
「まず最初は、この指で―――」

僕を最高に悦ばせてくれ、と。
アキラはそっとヒカルの右手の指に、自分の指を絡める。トロリ・・・と、甘い声に、官能的な仕草。
ヒカルの身も心も一気に緊張したのが伝わって、アキラも興奮を覚えた。

「でも、触るのは僕の肌じゃない・・・もっと冷たくて、固いもの・・・」
「っ、あ・・・ああ、ああっ・・・そうね、そゆことね!はいはい・・・っははは・・・」

クソ―!もう何年付き合ってるんだ、お前のこんなイタズラにすぐ引っ掛かっりそうになる自分にムカつくー!・・・と騒ぐヒカル。
自分の言動に一喜一憂するそんなヒカルを、ああ、やっぱり愛しい・・・と、アキラも心から思う。

(君と出会えなかった自分なんて、今更想像も出来ない)

その想いを手から手へと伝えようとするかのごとく、アキラはヒカルの手を強く握る。
ヒカルもまた、同じくらいの力で握り返してくれる。
どちらも、出会った頃からは想像も出来ないくらい、大きくてしっかりした、「大人の男の手」になった。

枯葉が渦を巻いてカサカサと立てる音に紛れて、アキラが囁く―――早く二人だけになりたい、と。
誕生日の14日まで、あと数時間だ。





― 了 ―
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2015/12/13

塔矢アキラ誕生祭  

塔矢アキラ誕生祭からお越し下さった皆様、ありがとうございます。
小説のアップまで、もう少しお待ち下さい。

ひと言だけ、先に。

アキラ、お誕生日おめでとう!
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2015/10/31

ありがとうございました♪  

そろそろヒカルのお誕生祭も終幕・・・
今年も皆さんとお祝い出来たこと、奇跡のように嬉しく思っています。
↓の拙作に対していただきましたメッセのお返事は、畳ませていただきました。ありがとうございますv
サイトのブログの方にも短いネタをアップしたりしていますので、良かったら遊びに来て下さいませ〜、以下から飛べます。

http://orange.ap.teacup.com/applet/yukarin/archive?ap_protect=pe3rtjlds3e

ヒカル、29歳おめでとう。また、来年もお祝い出来ますように。
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2015/9/29

しつこく何度も・・・おめでとう!!w  

お誕生日会場からいらした方、ようこそ〜
投稿作品は二つ前の記事↓にあります。会場への帰り道もやっぱり一つ前の記事↓に。お手数掛けます。
そしてサイトの方にはすぐ↓のリンクから行けますが、そちらにも短いハピバネタをアプしていますので、良かったら。

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一週間以上経ったので、うちんとこのお約束(笑)乾杯グラスを。

クリックすると元のサイズで表示します

前夜からベッドで仲良くしていたヒカルとアキラの二人は、ゆっくり起き出して(諸事情によりv)近くのホテルで昼下がりのブランチ。
シャンパンで乾杯♪
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