池袋のバッティングセンターにいくとバットの握りを逆にもった外人が110Kmの速球に挑戦していた。
西口では、コードもろくにおさえられない外人が一人で路上ライブをしていた。
ドトールでは、隣の席で冴えない編集者と漫画家が「このキャラは決めキャラではないでしょ」などと言いながら打合せをしていた。
土曜日というせいもあるだろうが、何かワサワサと落ち着かない状況の中で井筒監督の「パッチギ」を観た。
正直、最初は映画に集中できなかったのだが、話が進むうちにどんどん惹きこまれて、最後は涙がこぼれんばかりに感動した。
劇場に足を運んだ日本映画でこんなに感動したのはたぶん北野武のキッズ・リターン以来かな。
細かいことを言い出せばキリがない。
観終わった後、飲み屋で散々しゃべってので今はテンションが落ち着いているが、大きく言えば感動の大きな原因となったのは井筒監督の映画に対する姿勢だと思う。
映画というのは笑いあり涙あり、でも劇場を出て行く時にはスカッと帰ってほしいんだよ、という井筒監督のシンプルな思い。
映画としてみせるところは見せるし、ちゃんとひくところはひく。
映画作家ではなく映画監督なところに、すごくプロフェッショナルをすごく感じた。
ギターを叩き割って鴨川に放り投げるシーンなんかはお約束といえばそうなんだが、とてもグッときた。
不良がバスを倒すシーンや妊婦が破水寸前のバスの横で車がケンカに乗り込むシーンなど映画的ハッタリもよく効いていた。
オダギリジョー、ケンドーコバヤシ、大友康平などキャスティングも絶妙やった。
縦(年齢)にも横(趣向)にも耐久性のある映画やと思う。
お説教臭くない。でも歴史的啓蒙の効果もあるし、ある意味では学校の教材として使われてもおかしくない振幅のある作品やと思う。
あと、西部講堂、京都タワー、叡山電鉄など京都ゆかりの場所が登場するのも関西人としてはおもしろかった。
百聞は一見にしかず。
観てない人は一度観てください。
泣けますわ。