【著:細音啓 絵:竹岡美穂 2007年7月25日初版発行】
“大丈夫。一緒にいてあげるよ”
クルーエルさんの言葉は、本当だった。一緒にいて僕を孤独から、危険なことから守ってくれた。僕はただ、与えられた優しさを受け取るだけ。
だから今、彼女が僕の助けを必要としてくれるなら。全力で応えるために、夜色の詠を詠う。不完全でも、不恰好でも、これは僕が彼女のために紡ぐ詠―。
想いを世界に反映できる召喚術・名詠式。その専修学校トレミア・アカデミーに、人を石化する灰色名詠の使い手が侵入した。目的不明のまま、自らを「名も無き敗者」と称する使い手は、校内の人々を次々と石化していく。そして、ついにクルーエルとネイトたちにも「敗者」の手が伸びるのだが―!?
大切なもののため、少年は立ち上がる。召喚ファンタジー第3弾。
クルーエルが、クルーエルがぁッ!!
相変わらずいい娘なんですが、彼女にとんでもない秘密が込められていることが判明していきます。
「
clue-l-sophie neckt」・・・。
セラフェノ音語には何かあるな、とは思っていたんですけど正直そういう読み方をしていなかったので純粋に驚きです。
とりあえず初登場の<イ短調>メンバーの豪華さ加減は圧巻。
今回はその中でサリナルヴァさんがメインで登場するわけですが、彼女とエイダのやり取りがとても良かったですね。
「
全自動暴走娘」って・・・(笑)。
そして後半戦、別の名詠生物を通じてながら、クルーエルとトカゲ(←失礼)のやり取りが少しだけだけどあったのが非常に嬉しかったです。
こういうちょっとした会話が魅力的なお話は好きなんだよなぁ・・・。
ともあれ、灰色名詠使いが本格的に仕掛けてきて、物語の盛り上がりは凄まじいです。
1巻を彷彿とさせるクルーエル、ミオ、ネイトの連携はとにかく熱い。
こういうお互いを信頼し合って強大な敵に立ち向かっていく姿こそこのシリーズの醍醐味でしょう。
特に、一番平凡な能力値のミオが良く頑張ったと思います。
脇役だとばかり思っていたのですが、ここでの勝利は彼女なしでは成り立たないので主力級認定をさせていただきましょう。
今後も彼女の頑張りに期待、ですね。
そんなこんなで評価(5段階)は相変わらずの
☆☆☆☆☆
で。
それにしてもラストもラスト、医務室でのシーンは悶えました。
この2人の関係がどうなっていくかもやはり注目です。

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