当初の予定では8月から稽古に入る筈だったが、どうやらずれ込みそうだ。このままでは台本の出来上がりが8月半ばになりそうなのだ。ううううう
原因は役者が決まらない事だ。6人のメインが実際にどういう人間(役者)であるかによって、その役者が演じる登場人物の役柄を決めるのだ。男か女か。若いか年輩か。見た目は力強いのか、貧弱なのか。或いは二枚目なのか。それに合わせて人物の設定を考えるやり方だから、役者が決まらないと台本が書けない。
例えば中村譲君は二枚目だし、今里哲ちゃんは50を過ぎたゲイだし、シャンプーハットはご存じのようだ。それらを上手く取り込んで役柄を決めるのだ。
あと二人だ。
■6月13日■
前回、この日、1組の女性漫才師とひとりの男優に出演依頼をしたと書いた。
女性漫才師とはイー☆リャン。大阪のKAプロにいた頃、縁あって彼女らのコントライブの作(共同)演出を3回ほどやらせて貰った。結構満足度の高いライブだった(と思っている)。
3年前、そのふたりが東京進出。所属はオフイス北野。あのビートたけしさんの事務所だ。
嘗てM−1の準決勝に一度だけ出場したが、それ以外はぱっとした事がなく、失礼だが全く売れてない。だからご存じの方も少ないと思う。無論、応援しているし、頑張って欲しい。
電話をしたのは、一応ボケのイーの方にだ。何故か元気の無い声だったが、「有難うございます。是非」と出演をOKしてくれた。こちらこそである。但し、彼女らはメインではない。
只、その時、相方リャンが芸人としての現在と将来に不安と疑問を持ち半ば休業状態ということを聞かされた。(※この事をここに書く事はリャンの了解を得てます)きつい事を書くようだが、売れない芸人の必然だ。解決には売れるか、辞めるしかない。それか、太平楽に何も気がつかないまま芸人を続けるかだ。いつか、運が向いて来るかもしれない。だが、リャンは気がついてしまった。考える事で何かが見つかるのなら、今は考えるのが最善なのだろう。この芝居をやる事がそんな彼女の後押しになればとは思う。
大そうに書く気はないが、動くと(芝居なぞをやると)いろんな事にぶつかる。人生動かねば面白くないという事だろう。
そんな訳で、イーに続いてリャンに電話するつもりが、少し時間を置く事になった。
実際には2週間ほど先の事となった。
そして、もうひとりの男優さんというのは、温水洋一さんだ。
彼とは6年前の『祭の極』以来のお付き合いだ。
膨大な借金で命を賭けてロシアンルーレットをやるはめになる男みたいな役はピッタリだなとは最初から思っていたのだ。それならもっと早く交渉をすれば良かったのだが、多分忙しくてダメだろう、それにギャラも高いし、などと躊躇していたのだ。
しかし稽古が殆ど東京になりそうな現状の中、事ここに至って、ダメもとで温水さんに電話したのだった。
と言っても本人にではない、彼の所属事務所の社長の柘植(順子)さんである。勿論、前の芝居の時にはお世話になった方だ。
公演日と稽古開始時期などを伝えると、やはり相当スケジュールが詰まっているようで、秋からドラマも始まり、そのスケジュールがまだ出ていなく、それ次第ではお願いしたいと言われ、「恐縮です。有難うございます」という事になった。
そして、原稿用紙100枚(前回380枚と書いたのは計算間違い!)近い、あれをメールした。
温水さんが出演してくれたらとても有難い。役者陣の幅がグンと広がり、喜劇性と共にロシアンルーレットに現実味が出て、芝居がいっそう芝居らしくなる。何とかOKを!
ところで、6年前、温水さんに僕の芝居に出て貰えるようになったのは、なんと中村譲くんの場合と同じような出会いがきっかけだったのだ。
2002年の2月7日、「ダウンタウンDX」収録後、僕は下北沢の居酒屋に向かった。その日は飲むのが目的ではなく、当時の間寛平さんのマネージャー加藤(智美)さんと「寛平さんで何か面白い事(番組)をやろう」と相談がてらの飲み会だったのだ。店に着くと、加藤さんの横に男性が二人、ひとりはCXのディレクター、そしてもうひとりが温水さんだったのだ。
その日はそこを出て更に2、3軒飲んで回った。その途中、ふと思い付いて出演を頼んでしまったのだ!
勿論、急なことで返事は貰えず。その2週間ほど後、丁度、温水さんが『竜馬が行く』という芝居で大阪に来る事が有り、今度は僕が声を掛けてお酒を飲み、更にお願いと説得、その数日後、遂にOKを貰ったのだった!
それまで一面識もない僕の申し出に、僕の力量も判らないまま了承、出演してくれた温水さんには感謝するばかりだった。お陰で、芝居は大成功。以来今日まで、何度か東京で、大阪でお酒をご一緒している関係だ。
さて今回は!
温水さんと言い中村譲君と言い、僕のやり方はどちらかと言うと、不躾で、下手をすると、業界的にはルール違反のような依頼なのかもしれない。普通は間に紹介者や、仲介者が立って事が運ぶものだ。
しかし、芸人さんとはそれなりにお付き合いや、顔見知りはあっても、役者、俳優となると、お笑い畑ばっかりの僕には知り合いが殆ど無い。はたと感じたら、勢い、飛び込み、一見のような申し出になってしまうことはお許し願いたい。いや、現実にはそんな、急で失礼で。恐いもの知らずのような申し出に了解を頂けたのだ。感謝以外に無い。
さて、その温水さんは!答えは来週だ。
この日は東京の小屋も仮押さえをした。大田区民プラザ・大ホール。
定員:508席、車椅子2席
間口:15m
高さ:6.5m
奥行:15m
立派な舞台である。
あれだけ詰まっていた東京の劇場、ホールだが、公営のもの故か11月にも、12月にも3日連続して空きがあったのだ。但し、こちらが望む金、土、日は流石に無理だが。
結果、12月22(月)、23(祝)、24(水)を押さえ・・・ようとしたが、何とその為には、そこ(区民プラザ)へ直接出向き、決められた使用料全額を納めねばだめなのだ!
ははーん、空いてるのはこの辺が原因か。(失礼)
只そう言われても、僕はその時大阪。次回東京へ行くのは1週間後。その間に他の申込者がプラザへ出向いて金を払えば一巻の終わりだ。焦り。
因みに、使用料は、
22日・全日=142,000
23日・夜間= 85,500
24日・夜間= 71,300
合計、298,800円!
だが、大田区民以外の者が使用する場合はこの2割増。つまり、総額ざっと35万円!
その時、ふと思い付いた。「そうだ、東京にも塾生がいた!」
2期生のゴッド(伊東栄一。彼はゴッド伊東というペンネームで仕事をしている)に電話をし、事情説明の後、出来るだけ早く予約をしてくれと頼む。有難い事に、区民プラザは土、日も業務をしているのだ。ここは逆に官の有難さ。
だが、問題は金だ。35万もの金を放送作家の卵の卵の殻みたいな者が持っている訳はなく、立て替えは無理。結局は送金するしかないのだが、その日は金曜、今すぐ送金しても、彼の口座に振り込まれるのは月曜!これには対抗手段も次善の策も有りはしない。ここまでだ。ともかく送金をし、月曜までに、事情を理解し名前を貸してくれる大田区民の知り合いがいれば、探しておいてくれと電話を切る。
■6月16日(月)■
ゴッドが大田区民プラザを予約してくれた。12月22日は全日(9時〜22時)、23日は午後(13時〜17時)と夜間(18時〜22時)、そして24日は夜間のみ。3日間とも全日押さえればよいのだが、少しでも経費節減なのだ。
そして24日はクリスマスイブだ。お客さんが入るのか不安だが、90日前なら、解約すればその分お金は戻って来るという。最終決定ではないが、取り敢えず3日間を押さえた。
この時、軽い悶着があったがそれは後日。お役人らしいそれだ。
夕方は哲ちゃんの月例ライブだ。ひとりで行くつもりだったが、直前になって、3人ほどに、「今から、こんなライブ行くけど、時間ある?」と電話、開演30分前の会場に向かうタクシーの中だ。
ふたりが無理。ははは、そりゃそうだ。
そんな中、「今度の芝居に出てくれる人のライブ」だということで、中村(壮)君が急遽スケジュールを調整して来てくれることになった。
場所はミナミ、アートクラブというライブサロンだ。因みに哲ちゃんは毎月第三月曜日、奇数月と偶数月に分けて大阪の二つの会場で月例ライブをやっています。一度シャンソンをご賞味あれ。詳しくは今里哲のホームページでどうぞ。
哲ちゃんのシャンソンを聞く事も目的の一つだが、最大の要件は芝居の詳細を伝える事だ。
会場に入ると直ぐに哲ちゃんが迎えてくれた。やや遅れて中村君も到着し、芝居の内容を伝え、大学時代の話にも少し花を咲かせ、やがてライブが始まった。
哲ちゃんの歌は三年ぶり、二回目(の筈)。太く、かすれた声で語るように歌う。幾つも良い歌があった。『ローズ・ケネディ』というあのケネディ大統領の母を歌ったのがとても良かった。
酒と歌に身を委ねながら(まさにシャンソンではないか!)、僕は芝居の事を考えていた。ロシアンルーレット!命を賭けた場だ。シャンソンは、頽廃の愛と政治の歌はその場に打って付けではないか!具体的なアイデアも浮かんだが、それはここには書かない。是非、足をお運び下さい。
■6月17日(火)■
(この日、3人の死刑が執行された。
宮崎勤〔45歳・東京拘置所〕
陸田真志〔37歳・東京拘置所〕
山崎義雄〔73歳・大阪拘置所〕
法務大臣は鳩山邦夫。無類の愛犬家で、溺愛していたポメラニアンの死後もその遺骨を自宅に保存している人物だ。その人が就任以来7カ月で13人の執行命令書に判を押し、記録的な迅速業務で死刑を実現している。
勿論、死刑を決めたのは彼ではない。だが、死刑執行命令書に判を押すという事は、「お前、こいつを殺れ!」と下っぱ役人に言っているのだ。そんな事をするのはオ○○のM本C津夫かコントの中のヤクザの親分ぐらいだ。しかもM本はそれで死刑が確定してるんです。鳩山さん、如何が?)
■6月18日(水)■
東京へ1日早く前乗りして、六本木で『ブルーマンショー』を観る。テレビでの宣伝を一目見て、是非見たいと去年の内から思っていたライブだ。何故か東京だけでしかやらない。
やや期待外れ。もっと凄いと勝手に思い込んでいただけだった。唯一、舞台の上下にあった回転するオブジェの見え方に一寸驚いた。
それ以外、今度の芝居に直接とは言わないが、盗めるモノは無かった。意気込んで行ったのに。
■6月19日(木)■
今年の初め頃だったか、まだ芝居の構想がさほど具体的でない時期だったが、ふとある俳優さんに秋以降のスケジュールを聞いた。腹筋善之助。あの伝説の劇団、惑星ピスタチオの創設メンバーである。
しかし残念ながら、空いていないということ。その彼に、ダメ元でもう一回電話。やっぱり駄目だった。でも一回飲もうという事になって、この夜10時過ぎ新宿南口待ち合わせ。
それこそ腹筋さんとは今回の「ロシアンルーレット」が縁と言っても良かった。2004年のHOBO‘S東京(新宿)公演で共演した仲だったのだ。
秘密だが、それがあってその年のM−1にふたりで出ようと画策した事もあった。無論エントリーしていない。スケジュールの不調整だった。
その晩、彼は彼の劇団の女優さんを連れて来ていて、もし機会が有れば彼女を使って下さいと言われた。その場で答えは出せなかったが、そういう一つ一つが次に繋がるのだと思った。有難うである。
一方温水さんの方だが、温水さん自身が「出たい」と言ってると社長の言葉。嬉しい限りだ!しかし、ドラマのスケジュールがまだ出ず、結果は更に来週に!
■6月21日(土)■
たくらだ堂〜81〜製作日記Aをブログに書き入れる。
■6月23日(月)■
吉本興業、片岡(秀介)君に電話、正式(?)に渡辺直美、平成ノブシコブシの出演を依頼。
そして、「明石家電視台」収録の帰り道、車を運転しながら、ある男が浮かんだ。僕の顔は思わずほころんだに違いない。
二枚目で中国語もできる中村譲君には華が有る。ゲイのシャンソン歌手・哲ちゃんにはインパクトがある。しかし、この男にも衝撃がある。名前をサミュエル・ポップという。ガーナ出身の身長190センチの黒人だ!
明日、早速、電話しよう!