映画「渚にて」の画面から
1975年に共同執筆・グループ1984が発表した
「日本の自殺」という論文を読んだ。
すでに読んだ人も多いかも知れないが初めて読んだ。
1975年といえば日本経済も高度成長後の
好景気にうかれ、いわゆるバブル経済に向いつつ
誰しもその繁栄に大なり小なり恩恵を受けていた頃だ。
その時期にまったく正反対の日本の危機の
警鐘を鳴らすこの論文は、当時どんな反響を
呼んだのだろうか。いま38年も経てこの論文を
読めば実にリアリティーのあるものに感じられる。
バブル当時、マネーゲームに参加しない者は
バカじゃないの、とはいわれないまでも
そんな風潮があった。
古代文明の繁栄と衰退滅亡、とりわけ
ギリシャ、ローマはいかにして滅亡したか、
という論点から始まるこの論文は
現在の日本が直面している閉塞感、危機にてらして
考えると、その洞察は40年も前に書かれたもの
とは思えない臨場感がある。
ギリシャもローマも、いわゆる外敵の侵入侵略によって
滅んだのではなく、その内なる”欲望の肥大化と
悪平等主義とエゴイズムの氾濫にある”
”ほとんどすべての事例において、文明の没落は社会の
衰弱と内部崩壊を通じての「自殺」だったのである”
という。豊かさ、便利さを享受していくうちに
いつの間にか鈍って来る感性や、かつて日本人の
誰しも持っていたであろう倫理観の衰退などなど、
我が身にてらしてみても、まことに耳に痛い。
その反面、この度の東日本大震災後の人々の助け合い
「絆」の復活にはほのかな希望も感じられる気がするのだが
どんなものか。自戒もこめてあらためて考えてみたいね。
項目
◉日本没落の予感
◉ローマ帝国滅亡との類似
◉日本が直面する困難
◉危機は日本人の内部にある
◉豊かさの代償
◉現代文明がもたらす幼稚化
◉デマによる集団ヒステリー
◉情報の洪水が人間を劣化させる
◉自殺のイデオロギー
◉戦後民主主義の弊害
◉没落を阻止するために

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