月初2日目は、2か月連続の9時まで残業。
帰宅は10時、頭がもうろうとしている。
しかし、パパから頼まれた仕事をしようとすると・・・・・
息子が
「ママ、ちょっと話があるんだ。」という。
塾の数学の恒例10問テストで7点採れた、と帰宅直後の私に報告してくれたが、その時とは様子が違う。
部活の時に、隣のテニス部の3年にトイレに呼び出され、壁に押し付けられ胸倉をつかまれ「おまえ、部活の先輩の悪口言ってるな」
えっ?何のことですか?と聞き返すと「調子に乗ってるな」と言われたという。
トイレでは何をされるのか怖くて怖くて。終わったあとは恐怖のせいで足がすくんで動けなかったという。
やれやれ公立中学っていうのは・・・・・・深いため息とせっかくいいスタートをきった息子が登校拒否にでもなるんじゃないかという不安と息子の恐怖心を考えると真っ暗になった。
これは明日の朝、中学に乗り込むしかないな。息子の中学生活を侵害されるのは困る。その不良をどう料理してやるか。息子が親に言いつけて仕返しされたらどうしようかと不安がるし。私もそれは心配だ。それならガツンと衝撃的なお叱りをして2度と手を出せないようにしてやろうとか。3年だから、進路に支障をきたすと脅してやるか。朱肉持参で、始末書かかせて拇印を押させてやろうなどなど。
考えるとなかなか寝付けない。
パパは、子供のことじゃないかと、上級生下級生という日本独特のヒエラルキーを知らないから、そんなことが言えるんだ。
結局、翌朝は3人で学校へ向かった。その3年男子の名前がわからないが、とまずは学年主任に連絡。始末書書いてもらうからと一発脅してから出かける。
学年主任はすぐに、そのときに呼び出しにつかった1年生にそいつの名前を聞き出していた。
担任・学年主任、その男子の担任も3年学年主任も会議室にかけつけてきた。
聞けばその男子、修学旅行のあとは不登校気味で事件のあった日も、担任が説得して1時過ぎに学校へきたのだとか。最近は進路指導で学習の遅れを実感し落ち込みに拍車をかけているらしい。
父子家庭でばあさんも同居だが、いずれの緊急連絡先もつながらず、家電にかけても昼夜逆転しているその男子、寝ていて出ないという。なら担任が行って起こして連れて来いな態度の私。
クラスに一人か二人はこういう家庭を背負い、夜じゅうひとりになる家庭があるのだとか。
10時までまったが、結局連絡つかず。私はいったん会社へ。その間、担任は男子の自宅のドアを不審者のようにどんどん叩いて起こし続けたようだ。(中学教師は体力勝負よ)
夜の方が連絡が取りやすいというので、教頭が「今日の夜が勝負です」(なんかいやにヤル気満々)校長は2年生の林間学校でお留守。
連絡をしてくださったおかげで、男子の生活を変える劇的なチャンス到来ですって感じよ。
昼ごろに登校した男子と息子は話をし、誤解によることが判明。彼は息子にきちんと謝罪をし、息子も「これからは僕を守ってください」と話をしたそうだ。
そしてその夜。
教頭の熱血なお言葉通り、男子とその父親、彼の担任と学年主任。そして先にきてことのいきさつを説明してくれた息子の担任と学年主任。そして私と夫とがん首がそろった前で、菓子包みを差し出しながら、父親が謝罪。
男子は反省文を携えていた。
父親は背が高く目鼻立ちの整ったなかなかの好男子、カジュアルな服装のせいもあるかだろうが、かなり若い。シングルじゃもてるだろうな。
先生から男子の風貌は背が高く、目が細く釣り眼で陰険に見えるから余計怖く感じると聞いていたが、泣きはらしたような眼をして小さくなっている彼が本来は人を脅す様なタイプには見えない。
お菓子折りはいいから・・・・・同じ子を持つ親としてよき先輩後輩の関係を保てるように見守りませんか?と声をかけた。
夫は決してうちの子供だけが正しいとは思っていないこと。息子もやんちゃですと。(最近は学校ではすっかりやんちゃ坊主じゃなくなってるんだけどね。うちではウルサイけどさ)みんなの前で1対1の喧嘩なら仕方ないが、密室でという行為は怖いと伝えた。
息子がどれだけ怖い思いをしたか、小学校時代にガイジンといじめられ心痛もありながら、中学ではいいスタートがきれて、目標にむけてがんばっていることなどを伝え、だからこそ私も今回の事件には黙っていなかったと説明。
最後に夫が、その男子の肩をたたきながら
「勉強がんばってね。勉強をしていないといい仕事もできないから。」と声をかけた。
彼らが帰ったあと、なんだか息子よりもその男子が心配になった。彼の顔が忘れられない。
まだ今ならぜんぜんやり直せる。熱血教頭センセイじゃないけどさ、これがきっかけで軌道修正できればいいと思った。
その男子がくるかどうか、会議室で待っていた朝の時間に、担任と学年主任ともいろいろ話した。
息子は6年間あまり勉強もせず、いたずら坊主だったことには驚いていた。今のゆうまくんはそういうイメージじゃないらしい。
チャイム着席の生活指導的な役割を果たし、数学の時間に1週間に1回くる大先生から「今日もゆうまくんの回答とその説明は素晴らしかった。彼は天才」と担任に報告があるほどだという。(塾にはもっと天才がフツーにたくさんいますけどね)
息子も変われるのだから、あの男子も変われる。
先生曰く、それにも家庭の協力は不可欠なのだそうだ。父親も彼が大事な時期にあることを気付いてくれたらいいけど。

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