「ANCIENT CLAN(エンシェント・クラン)」
ウイスキー
実は、前々からこの「ANCIENT CLAN」の存在は知っていましたが、なかなか買うまでには至らず今日まで来てしまいました。実はこれはニューラベルで、すでに旧ラベルは売り切れとなっていました。こんなことなら早く買っておくべきだったと思っています。
「ANCIENT CLAN」(エンシェント・クラン)というブレンデッド・スコッチ・ウイスキーについて。
メインモルトはTOMATIN(トマーチン、トマーティン)蒸留所です。ハイランド地方にある蒸留所で、このトマーチン蒸留所でブレンド・ボトリングされているブレンデッドウイスキーです。トマーチン蒸留所は他の蒸留所(マッカランやグレン・リベット、ラフロイグ・ボウモアなど)に較べ認知度と有名度はかなり低いです。しかし、その生産量はスコットランド最大級でポットスチルは23基!もあります。馴染みがないのはそのほとんどがブレンデッドウイスキーに回ってしまうため、自社のシングルモルトは10年物のみとなっています。ボトラーズではもう少し出回っていると思ったのですが、飲んだ記憶はあるのですが思い出せません。味も香りも中庸で特に秀でいているわけでもなく悪くもない印象しか持っていません。
シングルモルト自体の記憶は曖昧でもこのトマーチン蒸留所はある意味で有名です。それは日本の企業がスコッチウイスキーの蒸留所で一番初めに買収した蒸留所がこのトマーチン蒸留所だったという事実。買収した企業は宝酒造でした。1980年代のウイスキー不況により前オーナーが破産。それを救ったのが宝酒造と大倉商事のベンチャー企業だったというわけです。蛇足ながら2番目はベンネヴィス蒸留所でニッカウヰスキーが買収しました。3番目はボウモア蒸留所(グレンギリー・オーヘントッシャン蒸留所も含む)を買収したサントリーです。
さて、この「ANCIENT CLAN」(エンシェント・クラン)ですが、国分株式会社が輸入しています。宝酒造はトマーチンのシングルモルトの輸入はしていますが、ブレンデッドウイスキーであるエンシェント・クランの輸入はしていないんです。ここが不思議というかウイスキーの複雑さ・面白さかもしれません。
このエンシェント・クラン、今まで購入を控えていたのはその値段でした。999円です!最近ではベル8年など1000円代のブレンデッドウイスキーに果敢に挑戦?するようになったのですが、これを見かけた当時はとても買う勇気がなかったのです。どうも、「安かろう、不味かろう」と決め付けていたんだと思います。今回、ちょうど自宅のウイスキーを飲みきり次を探していたところだったので購入となりました。
この値段、999円(税込みで1029円)。微妙なんですよね。ベル8年が店頭販売価格1080円。サントリーの角瓶も店によっては1080円。ブラックニッカよりは高いが角よりは安い。ベルは安いといっても8年表示で、エンシェントクランは表示無し。悩ましいです。しかし、見た目はエンシェント・クランは高級そう(笑)なんです。まあ、見た目も大事ですけどね。
エンシェント・クランの意味するところは「古い氏族」といいます。なんで、こんな名前なのかはわかりません。ただ、スコットランドはクランがあるのでそういうスコットランドにちなんで名付けられたのかもしれません。
世界の銘酒辞典2008-2009に載っていました(2005年は載っていませんでした)が、それによれば熟成5年以上の24種のモルトとグレーンを使っているといるということです。メインモルトはトマーチン。隠し味にカリラでしょうか。ヨードの香りがかすかに漂ってきます。色は少しだけ褐色がかかった黄金色。香りは少しだけバニラ香、ヨード香、アクリル系塗料の香りがします。味わいはナッティ、麦芽の味があり、甘→苦に変化し、比較的早く香りも味も消えます。ドライですね。ストレートでも味わえます。
問題は割ったらどうか?ということ。1000円代のウイスキーは割ってみることも大事です。汎用性があるかどうかですね。日本のウイスキーでこの値段帯のものは割ることが前提で造られています。だからどんな飲み方をしてもそこそこ美味しい。ブレンデッド・スコッチウイスキーだとどうなんだろうかという疑問が沸きます。向こう(スコットランド)はウイスキーを割るというとんでもないことはしませんから。良くてロックまでです。
で、炭酸水で割ってみました。どうしてどうして、そこそこ良い味を出しています。値段を考えたら十分な仕事をしていると感じます。味わうというより食事を邪魔しない食中酒としては悪くない出来栄えですね。これはメインモルトのトマーチンが中庸だからなのかもしれません。
値段を考えたらこれは良いブレンデッド・スコッチウイスキーです。ただ、悩ましいのはベル8年との差が80円だということ。スモーキーさはベルの方が上でどちらかというと私と奥さんはベルの方が好みだということです。ここはもう好みの問題です。普段、ウイスキーを割って飲んでいる人ならこのエンシェント・クランは気分転換に一度飲んでみても悪くはないと思います。
購入場所は酒屋ではなくドラッグストアでした。