ただ、ただ綴っていくだけ。波のように。

2007/3/30

とじて といて  

とじて
といて

忘れる為にとじて
許すように解いて

とじて
といて

目を閉じても
諭すように説かれて

とじて
といて
とじて
といて

心を閉じても
閉じて縫われた糸は
いつしか意思の浮力で
とかれて

とじて
といて

気付けば
何年も
そうやっているような気がする
繰り返しているだけなのは
何故

とじて
といて
とじて
といて


今朝は念入りに
髪を梳いて
出掛けていく

昨日までとじていた私が



クリックすると元のサイズで表示します
0

2007/2/9

遠回り  


グレープフルーツだって
蜜柑の皮を剥くように
剥いて
ガブリと食べたら
スキリとするのに
ふたつに割ってスプーンで
なぜだか少し焦りながら
の食べ方をするのが
不思議だ

あなたにだって
抱いてと言って
抱かれてしまえば
スキリとするのに
両手で丸めて
林檎の皮を剥くように
剥いて
切らすことのないように
少し焦りながら
そして わたしの身体中に
くるくる巻き付けてしまう抱かれ方
をするのが
不思議だ


大切なものほど
近くに置いておけば
安心していられるのに
わざわざ
10年先に飾ったりしてしまうのが
不思議だ

食べ終わったあとに
100%果汁絞り
一気に飲み干せる幸せ感じたいから?

あなたの中で
窒息死できるかも知れないから?

月とか星とか太陽とかの
確実な位置に
確実に存在していて欲しいから?

それっぽっちのおまけの為に
わたしは
回りくどく
生きてしまう



クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/30

雨の夜のセレナーデ  


力強い旋律で 窓を叩く雨音も
気にならない夜は
繋がる二人の感情だけを ただ感じ
暗闇の中でも
怖くはないと 思った

永遠じゃないから
今を大事にする
未来なんて約束できないよ
そうつぶやく
あなたの顔が 窓ガラスに映し出される

握り締めている手を
ゆっくり 開いてみると
雨が止むよ
いつもそう言ってた あなたが
すぐ隣にいるように思えてくる

決まりをつくらない あなたと
今夜の雨は
何処か似ていて
止まないで と願えば
また 強い雨音聴かせてくれる

わたしはあなたの何?
と尋ねると
迷路だとか 背骨だとか
訳のわからない言葉 並べるから
もっと好きになる

この雨脚が ひどく新鮮に感じた夜は
そう
永遠なんていらない
約束なんてしない未来がいい
ひとり静かに思う

雨の夜のセレナーデ



クリックすると元のサイズで表示します
1

2006/11/12

スキムミルクのように微笑んで  


手を振る
意識した優しさは塗りつぶして
ありのままのわたしが
ありったけに
手を振る

粉っぽくて 甘さが足りないくせに
芯の骨の太さに憧れて

吸われていくのを夢に見ていた
あなたの骨の隙間に 入り込みたいから
液体になったのに
どこから入り込んでいいのか
見つからない日々が続いた

タイミングが 掴めない

疲れて
わたしは 無糖珈琲に浸る
真っ暗で 苦かった
けれど少しだけ 大人になれたような気がしてくる

幸せそうな練乳は
日々 濃度を高めて
奇しくも自滅したという噂を聞いた
濃すぎてもいけないことを知る

わたしは少し 生き方を変えてみた
たやすい事ではなかったけれど
練乳のような真似だけは したくなかった

あなたから貰ったひとつの言葉を
ゆっくり 噛み締めるように 融けていった

たったひとつの言葉を生きがいにして
自分ひとりだけで 融けていく
そういう事を
365日、ゆっくり積み重ねることができるようになっていた

366日目
やっと逢えたというのに
あなたは
くしゃみをして骨折
「やっぱり、お前がいないと駄目なんだな。」

太いと思っていた あなたの骨に対する想いが
くつがえされたと同時に
その一言で
また365日生きられるとも思ったんだよ

その瞬間
本当に完全な液体となった
わたしは
一気に吸われるように骨の隙間に入り込んでゆく

ありのままのわたしが
ありったけの姿で
あなたの中に入る

手を振っていたのは
小さな固体の 自分自身にだったということに
ようやく気づいたのだった



クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/11

ポジアンテ  

だから 目を閉じて

優しい音を入れて指先を広げる
心臓より高い位置に
伝わらせて下すには 背筋なんかは
すとろーのように伸ばさないといけない

するとパキパキと音がして
ポジアンテが身体のあちこちから
弾んで芽を出す
犬がワンワンと吠え出すから
シーっと言い聞かすと
そろそろと寝床に戻っていく

ポジアンテは ずんずん伸びて 伸びて
昨日までの私を覆う
心の中で凍っていた薔薇にも
こわばっていた唇にも
優しい蜜を落とす

とろけたアイスクリームの下敷きになっても
伸びて それでも伸びて
赤ピンク色した禁色のこすもす畑に
薔薇は季節はずれの舌を出しながら
ひょっこり顔を出す

エクスタシー似の鋭い素振りは見せているけど
無邪気で陽気なエネルギー連れて
おもむろにやってくる
ポジアンテ

pianoで弾いたら衝撃的なメロディー
一瞬の価値感が踊りだす白と黒の鍵盤は
極端なようだけれど境目は半音
美しくてたくましいところがいい
今から変わると思える瞬間だ

犬もよく眠っている
ポジアンテを枕にして



クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/11

不思議な仕組み  

息をのむ
幻想かと疑うほどの

恥らうように
紅葉していた
見たこともない
色、色、色
森の奥で

一瞬の出来事
雨から雪に変わる場面は
スローモーション

そっと舞い散る雪
パウダーのように
ふわっと掛けられ
異次元の空間となる

妖しくて
泣きそうになるよ

温和な褐色の ブナやケヤキの葉
おしゃべりな赤色の モミジの葉
気ままで黄色の イチョウの葉も
魔法にかかったかのように

空から降りてきたものには
身をゆだね
雪の毛布に包まることを
心待ちにしていたかのように

森の気配が変わった

残された色艶やかな
グラデューションだけが
色褪せることなく
拡がっている
右に 左に

この瞬間に
わたしを連れて来てくれたのは
神様の意図的なもの
だと
思えてくる

幸せも不幸も
わたしに
何かを気付かせようとする
罠のようなトリック








クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/11

モノ  


真空パックにして冷凍保存にしておいたの
そうすれば生きているって
でも、10年なんて無理でしょ?
「無理ではないけれど
確かに鮮度は落ちるね」
近所の八百屋のおばさんが言った
「わたしゃ、やったことないけどね」
そして言葉を付け加えた
「モノがモノだしね」

わたしが本当にそれをしそうだという心配からなのか
買い物をしている間中
後ろにくっ付いてきて
まだぼそぼそ話してくる

「せめて5年くらいにしといた方がいいんじゃないの?」
5年と10年とではそんなに違うのですか?
「もしもって場合の時さァ〜」
ふ〜ん
わたしはその後すぐに引っ越したのだった

2年が経った
わたしは冷凍保存にしていたことを
忘れた日など一度もなかった

3年が経ち
新しい食材をまとめ買いすることが多くなっていた
すると、時々アレは冷凍庫の奥の方に追いやられる
そんなことが続くと
いっそのこと処分してしまおうか
などと考えた日もあった

4年後
遊んでいる時だって
仕事をしている時だって
眠っている最中にだって
突然ひょっこり
その姿、形、感触、音などが現れること度々で
心地よさを感じる反面
かなり辛いなと思って
何度も挫折しそうになる
本当に生きているのか心配になると
夜も眠れなくなってきた

5年が過ぎ
あの八百屋のおばさんに無性に会いたくなり、出掛ける
「決心はついたかね?」
ねえ、おばさん
本当は経験あるんでしょ?
「わかってしまったんだね。
そうだよ。10年後に解凍して後悔したクチだからね」



クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/11

イヴズ ストーリー  

あれは
幻のような物語だったと
独り言を言いながら
足早に駆け抜けていく うさぎが
時計を落とす


一方で
白雪姫を追いかけて
魔女が毒林檎を落としていく
ボロボロの服を着たシンデレラが
毒林檎拾い集めて せっせと磨いては
ねずみたちと祈っているよ
これを馬車に変えてくださいと


7人の小人たちは
アリスの落とした魔法の薬を 拾い集めて
身体中に振り掛け 王子となり
イルミネーションで飾られた街に くり出していく
魔女には気をつけるのよ
遠くから シャンパンに浮かんだ親指姫の声


ダンボの耳をして 
長靴を履いた猫が駆けつける
街角に落ちていた林檎の傍から拾ってきた
ガラスの靴に履き替え 踊りだす
お髭に生クリームついてますけどいいの?
飛ぶんだね


うさぎが落とした目覚まし時計で
起こされた白雪姫の


君がキャンドルの向こうで
笑う
イヴだけに見える物語と一緒に
閉じ込めた
R e a d O n l y M e m o r y


               
クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/11

どうしよう  

恋と炭酸 シェイクして
ストローで吸ってみたけど
やっぱりだめだ

恋がひっかかって
吸えないよ

間違っても
ジューサーにはかけたくない

ヒトツブ ヒトツブ
ひっかかった恋を
華奢な白い皿の上に 拾う

まだ動いている
どうしよう
冷蔵庫はいっぱいだし
今は夏だから
傷んでしまうじゃない

悩んだあげく
小さなクーラーBOXに入れたけど

気になって眠れないから
傍に置いてみた

綺麗なビーズに似ていた
それは
大きさこそ違ったけれど

夢の中での
あたしの心の隙間に 
ちりばめられ
敷き詰められて

明日のあたしを作ってくれてる
と感じた時から

何故だか ぐっすり
眠れるようになったよ


クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/11

穴  



つれない素振りを
わざとしてみたって
左肩の下あたりに
直径5センチくらいの
穴が開いてしまっていて
全部 お見通しというワケ

いつから穴が開いてしまったんだろう
わたしがあなたに心 奪われている
スキを狙って
巧妙な手口でヤラレタ
わたしは洗脳されたのです

いつしか 左の鎖骨付近が
プラスチックになっていたの
それから 熱をジワジワ感じて
慌てて鏡を見に行った

------穴だ

きっとアミノ酸か
何かが不足しているんだと
単純なわたしは そう思い
あなたに相談したとき
ニヤリと笑ったでしょ
心の中 全て 俺のものだと

このまま 少しずつ
プラスチック的な部分が増えていき
何十種類ものサプリなんてものでは
追いつかなくなり
最後には
跡形もなく消えちゃうのですか
わたし


俺の中で生きていれば よい
その言葉に
妙に納得している わたし
は あなたに洗脳されてしまった
ロボットなのです


助けて

  たすけて


  ス 
 ケ

       テ


自分の声で
目が覚めた

ちょうど
左胸の上で
犬がスヤスヤ眠っていた


ヤラレタ。

クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/11

遭遇  



突然
森の隙間に落ちて
迷子になったの

萌黄色の中に
埋もれたあたしの心は
何故か麗らかで

目の前をさえぎる
一筋の光を掴み
ポケットへしまい込んだの

新緑の萌黄色が
川の水に流れ込み
もっと深く冷たい緑が生まれ
反射させ
空気を凛と澄み渡らせる

ここには時間というものがなく
あるのはただ
圧倒される存在感と
もしかしたら
生まれ変われるという希望

森閑の中
意識しながら息をする
緑色した気体が
あたしの血管を通って流れて
そのまま
スルスルと
要らないものだけが
指先からこぼれ
サギがシュッとくわえて飛んでいったよ



あたしは
時々ここに来ている
夢の中で
そして 深い眠りの中
さっきのサギに起こされて
目を覚ますの

夢と現実との境に
ポケットから出した光の線を張り
つま先でゆらゆらしながら
歩いているんだ
どちらに転んでも
後悔したくないと思いながらね

引きずっている荷物の中には
ちっぽけな夢が氾濫していて
時々もみくちゃにした夢の折鶴を
綺麗に開いては
飛行機にして飛ばしているけれど

本当に大きな夢は
平和という
漠然としたものなのかも知れないことを
夢というカプセルを使って
サギが伝えようとしているような
気がして


               

クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/11

新しい星のもとで  

パイナップルの真ん中くり抜いて
あなた うずめた
キーウイの真ん中くり抜いて
あたし もぐり込んだ


少し経って
コルク抜かれるように飛び出す
あなた少しだけ黄色に染まって
あたし少しだけ緑色に染まって
手を繋ぐと
空気がはじけた


どうしようもないほどの
新鮮な酸素や水素が
生まれてきて
水星になりそうで


息を止める
苦しみとか哀しみとかは
ちっぽけで せっかちで
小さな気泡となり流れ出る


光もちくちく
射し込むものだから
涙の元素は
怯むように流れ落ちる





温め続けていた春が
パイナップルと
キーウイに開いた穴で
今は昼寝しているけれど


滑り降りてきたら
あちらこちらで
花が咲くよ


水星で
キスを重ねているうちの
あっという間に



クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/10

蝶  



暗闇の中
右肩に蝶
目を奪われるような色彩で
瞬きのような羽遣いで
ふわふわと
かすかに
灰色掛かった白い霧を
そっと
遠くへ追いやる仕草は
妖艶なように見せかけて
実はまっさらで透明だった


僕はタイミングの悪さとバツの悪さを感じながらも
君を目で追う
ジグザグした階段さえ
螺旋を描くように舞い上りながら
蝶は淡々と僕をいざなう


いつもそうやって
突然現れては消える遊びには付き合えない気持ちと
逆に救われたような気持ちが交差する


きっと今度君を見るのは
一面の菜の花畑の中だ
その羽も外して抱きしめると思う
君が菜の花に溶けてしまうまでの間
実在すらしていないと
勘違いしていまいそうな夏の午後まで






クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/10

天使のしごと  

 それは透き通る夢

 掻き分け 掻き分け 見つけた

 無限の可能性秘めた 上昇感



 疲れ切っていた身体や心を

 ひなびたベンチへ

 落とす



 うとうとしていると

 木漏れ日の中から 戯れる天使たちの声

 木苺を喉に詰まらせた一人の天使が

 こん と咳をする

 またひとつ 夢の生まれる音がした



 天使が差し出すロイヤルレモン

 溢れ出す果汁 数滴口に含むと

 沸き立つ情熱が

 決して重過ぎないリズムで近づいてくる

 遠くにみえていた未来さえも

 肌でぬくもり感じられるほどだ



 愛らしい 幾何学的な形
     
 夢のかたちは自分で作り上げたものだった

 形だけはできていたのに

 光を捕り入れてなかった


     
 突然なんだね



 ベンチに腰掛けたわたしを 

 しっかりと支えてくれている 見えないものと対話する

 その夢の中を

 幾重にも屈折しながら通り抜ける光

 ある意味 選ばれた光がすごいスピードで

 噴射しているのが見える



 さっきの 咳をした天使が

 足早に その光を追いかけ 反射させ

 わたしを照らしてくれている



 感じる 



 どんどん昇りつめていくのを

 生かされているという悦び

 知ったその日から 明日へと繋がっていく



 すっぴんな心

 今 スッピンなココロ



 I love you と天使に伝えると

 天使は頬を染めながら 分裂を始めた
  
 わたしに似たようなひとを救いにいくのだと

 云い残して


クリックすると元のサイズで表示します
0

2006/11/10

歩き出すまで  

― 先生
     もしかして
     わたし 多重人格ではないですか

― そこまではいきませんが
     多重人格症候群というところでしょうか


しばらくここに居させて
ここは心地いいの
あの洋服もあの靴もいらないから

どうして泣いたのか
わからない
泣いたことすら覚えてなかったのに
瞼の腫れが教える
今 こんなに幸せなのに

じゃあ
過去に
未来に
どのわたしに
泣いたの



すごくいい人やって
疲れた翌日は
とことん悪くならないと
ころっといきそうなの

冬の風と
春の風が
交互に重なり合うとき
きゅるきゅる
音がするよ

ごめんなさい
冬の間に枯らしてしまった植物に
お詫びする

紙に書いて貼っておいた
夢を
もう一度声に出して読んでみる
ずっと目をそらしていたから

重なる音がやみました
春の風が誇らしげです



土が
心地いいの
裸足で歩くとね
涙も吸ってくれるし

足の裏
つんつん
つくしんぼ

このまま
わたしのまま
歩き出します
もうここを出て


― 先生
     治りますか わたし

― そのまま歩きなさい


クリックすると元のサイズで表示します
0



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ