少し前のニュースですが
移植予定で申し込んでいたさい帯血が紛失したという事故がありました。
私ははじめ、そのニュースを知った時には
搬送の途中でなくなったのかと思って本当にびっくりしたのですが
そういう事故ではなくて、公開検索に載っているさい帯血が実際は無かったということでした。
でもどちらにせよ、患者さん側が希望したさい帯血での移植できなくなったのですから、
とても重大なミスに間違いありません。
でも・・・
もし、このさい帯血がない、ということが、患者さん側からのオーダーが入る前に
気がついて、公開検索から外していれば、患者さんを失望させずに済んだのに・・・と思うと残念です。
さい帯血は採取病院とお母さんからの協力で採取しても全部が移植用になるわけではありません。
移植用の保存にはまずは細胞の量が多いことが大前提で、
あまり量が採れないとわかった時点で、移植用の保存の対象から外れます。
細菌感染の有無なども調べます。その他は問診票の内容もチェックしますが海外渡航歴で保存対象からはずれることも多いようです。(今、イギリスに旅行や留学している人は多いですからね〜)
採取して保存に至るまでに、細菌感染して使えないとわかるケースもあります。
そうなると、やはり保存の対象から外れます。
取り出して造血幹細胞部分のみになったさい帯血は
検査を経て、凍結保存され、さらにさい帯血に協力したお母さんからの六ヶ月以降のアンケートの返信で
母子ともに健康であるということがわかってから、公開検索のデータに載ることになり、
やっと患者さんの治療に使えるようになるのです。
とても細胞量の多いものが採れたとしても
お母さんからのアンケートが届かないと使えないということでもあるのです。
残念ですが
アンケートが届かなくて、使えないけど保存されているさい帯血も結構あると聞きました。
ですから、公開検索までいきついたさい帯血は
ほんとうに貴重なものだと思います。
また保存して公開検索にかけられているさい帯血も、申し込みがあるともう一度検査します。
そこで、最初に調べたHLA型や細胞データとの違いがないか等調べます。
場合によってはそこでまた、ちょっと違う!!ということがわかって
そのさい帯血での移植を中止することもあるそうです。
つまり
公開検索で見つけたさい帯血を申し込んでも、検査の結果やはりその患者さんには
使えないとわかる場合も稀にあることだということです。
今回の件もそう考えると人為的ミスが原因としても、
申し込んださい帯血が調べてみたら使えなかった・・・ということとあまりかわりません。
それでも憤りを感じてしまうのは、やはり、さい帯血はちゃんと保存されて使えるものであると
思ってしまっていて、患者側も(もちろん私も)、もはや当たり前のインフラの一部のような感覚になってしまっていたのかなぁーと。
でも本当はさい帯血って繊細な手作り作品に近いものなんでしょうね。
採取から保存にいたるまで、手慣れたプロの手技にゆだねられていて、とても緊張感が必要なもの
それゆえにちょっとしたことで、感染してしまったりして、使えなくなることもある、
そういうものなのではないでしょうか。
この人為的ミスは検証されて、再発を防ぐようにしなくてはならないと思いますが
誰がどうしてこのようなミスをしたのかを追求することで
このさい帯血バンクの検査技師さん達が
ショックを受けてちゃんと仕事ができなくなってしまったらどうしよう・・・とも思います。
少なくとも、もし、そのようにさい帯血が駄目になってしまった場合
すぐに公開検索から外す等のすみやかな処置ができるような管理体制が必要です。
その管理や報告ができないくらい、さい帯血バンクは疲弊しているということなのでしょうか?
ところで。。。。
骨髄バンクはドナーさんの都合で、最後の最後まで、ドナーを撤回できる権利がありますよね?
例えば前処置が始まっても、骨髄がいただけない場合もある、というリスクを承知した上で
患者さんは移植に臨まなければならないのです。
インフルエンザが流行しているせいで、予定通りに骨髄ドナーさんからもらうことが難しくなり
代わりにさい帯血が緊急出庫の準備してなくてならない、なんてケースもあるようです。
骨髄はもらえなかったとしても仕方が無いと患者は文句が言えないけども、さい帯血はあって当たり前、
そういうのもなんだか私としては残念に思うこの頃です。
↑でも、とあるボランティアさんに愚痴ったら
もし、最後の最後にドナーさんがキャンセルして骨髄移植できなかったとしたら
やっぱり患者側は抗議しなくちゃ!泣き寝入りは駄目だっ!!
と言われてしまいました。(^^;

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