さい帯血でもドナーさんにお礼が言いたいという方がたくさんいます。
でもさい帯血では誰のさい帯血かはわからないように管理されていますし、
ドナーは赤ちゃんなので自分の意志で提供していないこと、もともとは捨てるものを利用していてドナーには全く負担がなく、献血のようなものであることから、ドナーとのコンタクトについてはあり得ないというのが前提だったのかもしれません。
今までまったく議論がなく、ルールもないことなのですが、最近問題になっているようです。
ある患者さん(もちろん私は顔も名前も知りませんが。)が自分のドナーさんに渡して欲しいと、バンクにドナーさんへの手紙(おそらく、ドナーのお母さん宛)を送ってきたそうなんです。
今まで個人的なドナーへのお手紙は認められていませんから、ルールが決定次第、お手紙がドナーさんの家族に渡るかもしれませんし、ダメになるかもしれません。
みなさんはどう思いますか??
個人的には、感謝の気持ちは伝えたいけど、でもやっぱり難しいかな、と思っています。
それはドナーさんは自分の意志で提供していません。ご家族、あるいはお母さんが決めてしたことで、プライバシーを守って誰の物かはわからない、ということにしています。
ドナー(お母さん)にはさい帯血が使われたかどうかの通知はしません。
もし、お手紙がドナーさんに渡ったとして
提供したお母さんがものすごく関心が高い場合はいいのですが、
そうではなくて、気軽に協力してくださった方の場合、ある日突然、患者さんからお手紙が来たら困ってしまうかもしれないと思ってしまいます。
実際は気軽に協力して、そのことすら、忘れちゃっている方も多いのです。
(さい帯血提供後の最後の大切なアンケート返信がない方もいるそう・・・このアンケートがバンクに届かないと、さい帯血は保存しても患者さんに利用ができないのです。)
子供さんも大きくなっていて、自分の知らないところで、自分と同じ血液の人がいると突然聞かされたら、どう思うでしょうか。
ここが骨髄とは全く違うところです。
骨髄ドナーは自分の意志で誰かを助けようとして、身体的な負担もあるし、提供した実感もちゃんとあると思います。でもさい帯血は全くありません。一応、お母さんが採血と問診票、同意書の提出があるということで、献血に近いと思います。
さい帯血が誰の物なのかわからなくしている、という前提も崩れちゃいますよね?それでも妊婦さん達は気軽に提供してくださるでしょうか?
ちょっとその時のことを考えると、さい帯血をもらった患者ですが私は気がすすみません。
患者はもっと色々と求めてもいいんだ!お手紙くらい渡すべきだ!という意見もあります。
色々な意見があって当然ですので、皆様のご意見を教えてください。
また実際に患者さんにお手紙を出したいという方は多いのでしょうか?
話しは変わりますが
献血は、当たり前なのか、すごく感謝する人はいませんよね。
患者も相応のお金も払って輸血しているわけです。
よくよく考えると私はたくさん輸血していて、献血してくださる方のお陰だったはずです。
それがなかったらそれこそ移植する前にとっくに命がなかったと思うのです。
私は昔のことで時代的にどうしようもない理由があって血小板ドナーを家族が
自力で集めなくてはならないことがありました。
若くて体力のある、出来れば男性で、血液型が同じという人、と言われて何十人と探すのは家族は大変だったと思います。何十人も検査をお願いして、私の血液とマッチする人は二人で、そのお二人から血小板をいただきました。その血液ドナーさんは私の病院への行き帰りに何時間もかかりましたし、血小板のみをたくさんとる為に時間もかかりました。本当に有り難い、というよりも申し訳ないという気持ちで一杯でした。
ドナーに負担がかかり、そのドナーの顔を知っているということはやはり患者にとっても精神的負担があるのです。
顔の知らない誰か、に助けてもらったと思えるから、感謝の気持ちだけで、苦しくなったりしないで済むということもあるのではないかな、と思います。