とても楽しい家族小説でした。読後感もすがすがしいです。
森絵都さんは、物事への距離感を取るのが上手いと言うか
間合いの取り方が素晴らしく上手いと思います。
深みにはまり込まないようにバランスを取っている感じがして
そこがわたしには少しもの足らなく感じた場合もあったのだけれど
今作はそれが上手く自分にはまってとても気持ちよかったです。
シリアスになるのかと思わせておいて、交わされてしまったりとか。
でも現実ってきっとこんな感じなんだろうなと思います。
現実はドラマみたいに盛り上がらないものね。
(それをまた小説というフィクションでやってるのが面白いのだけど)
それでもつい現実にも物語を求めてしまう気持ちがわかるだけに
共感しながら苦笑いしてしまいました。
そして「親」のせいにして済ませてしまうことってわたしにもあるし
また自分に娘ができたことで、
うん「親」も結局は普通のヒトなのだと改めて納得しつつ、
そう認める中にひとつの真実があるのだろうなとも。
しかしこの小説で交わされる兄弟達の会話はとても楽しいです。
大人になってしまうと兄弟って疎遠になるともいうけれど、
疎遠になっても集うとこの兄弟達みたいに
やはり家族としか言えない感じになるのは
とてもいいなあと心和みました。

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