『11111225111122711115544447444』
彼から送られてきたメールに書かれていたのはこの数字だけ。
直斗はそれをチラリと見た後、小さく笑って携帯を閉じた。
姿見の前で一度、今日の自分の格好を確かめる。いつもと同じ探偵ルック。青いシャツに、黒のパンツ。少し迷ったけれど、さらしは外しておいた。以前と変わらぬ男装、だが服の上からもわかる大きな胸が、彼女の女性を主張する。
最後に、帽子を深く被って、直斗は部屋を後にした。
A Secret Code
「先輩」
改札を出てすぐに見つけた彼に、直斗は駆け寄って声をかけた。振り返った彼は、嬉しそうな、だが少し残念そうな顔で笑っていた。
「簡単だったか?」
「簡単過ぎです」
問いかけに、直斗は知らず得意げな顔で頷く。苦笑を返しながら彼は、結構考えたんだけどな、と頭をかいた。
「これが解けないようでは――――」
「探偵失格、か?」
からかいまじりの彼の言葉に、いえ、と直斗は首を横に振った。
「あなたに今日、会うことが出来なかったですから」
だから必死に考えましたよ。そう言う彼女の頬は、冷静を装いながらも少し赤い。さらりと告げられた言葉、自爆覚悟のその台詞に、彼の耳も熱くなって。
まだそっぽを向いたままの直斗に隠れて、携帯でメールを作る。送信と同時に鳴るのは直斗の携帯。開けると、そこには。
『1 11334444999』
直斗の返信は。
『0433777771 11334444117333』
そして互いに見詰め合って、照れ臭そうに笑って。
二人はそっと手を繋いで、ゆっくりと街へ歩き出したのだった。
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暗号。わかりますかね? 簡単簡単ですよ。

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