2016/9/16  23:23

映像記録『行動する女が未来を拓くー行動する女たちの会20年の記録』のDVD完成  


ついに、映像記録『行動する女が未来を拓くー行動する女たちの会20年の記録』のDVDが完成しました!
DVDは、送料込みで680円で販売します。複数枚ご注文の場合、680円×○枚となります。

お申し込みご希望の方は、「行動する女たちの会」映像を記録する委員会 kodosuruonna@gmail.comあてにメールでお申し込みください。

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2015/10/25  14:32

「教育のツールとして馬を使う」ワークショップに行ってきた  日々の出来事、雑感

Using Horses as Teaching Tools (教えるツールとして馬を使う)というタイトルのワークショップに行ってきた。大学の教員や、コミュニティの人達が対象のワークショップだ。

なぜ行ったかといえば、ティーチングのツールとして馬!?という意味がさっぱりわからなかったからだ。なので、だったら行ってみようと思った。セラピーなどで馬が使われるという話は聞いたことがあったが、教育、というのは知らなかったからだ。そして、これが大学の教員用のセミナーとして開かれているということは、普段の自分の授業にも生かせるという前提なのだろうか、と思われたからでもある。でも、私が教えるような人類学とか日本研究は関係あるんだろうか、というと謎だ。いづれにせよ、いかにもモンタナ的なワークショップではありそうなので、ほとんど観光気分で行くことにした。

Miller Pavillionなる大学の施設でワークショップが開かれるというが、それがどこかすら知らない。ネットで探して、案外自宅から近かったことがわかった。

施設の入り口。
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施設の中。大学のロデオチームの練習場所はここだったのか!この施設では、ロデオのほか、馬術のチーム、ポロのチームなども使っているそうだ。そんなに色々あったのか....
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ビデオ録画担当の人がマイノリティっぽかったが、参加者は私を除いて白人だらけ、しかも大部分が女性だった。最初に、講師の一人が、参加者の馬の経験について聞いた。「ゼロから少しだけ」というところで勢いよく手を挙げた私だったが、他にいないのではないか....少し、って感じの人たちはほんのちょっとだけいたが、ゼロは私だけだったのかも。さすがモンタナ。半数以上が「馬経験すごく多い」カテゴリで挙手していた。

ワークショップは前半が数人の講師が10分ずつくらいの講義を行い、後半が実践型、ということで、全部で3時間。

最初に農業教育の教員が、教えたり学んだりする際に馬を使うのはなぜかについてトーク。馬は、セラピー、ライフスキルのトレーニングも含め、様々な教育場面に使われているそうだが、なぜ馬かといえば、馬によって自身の置かれた状況や立場について考えることができるから、なのだという。馬はすぐ人間に応答してくれるから、人の鏡の存在として、馬を見ることができるんだそうだ。要するに、馬の反応などを見て考えることで、人間は自分自身について学ぶことができるのだ、という。馬は餌動物なので、自らの安全や生き残りについて常に考えている。なので、私たちが馬にどう見られているか、馬はすぐフィードバックをくれる存在。コミュニケーション能力を高めるのにも役立つのだそう。こうして馬と共に学んだことを、日常生活の状況に応用していくのが重要、という話だった。

その後、馬を使ったセラピーのプログラムについて、3人ほどがトーク。ざっとまとめると、馬セラピーには、EAGALAとPath Int'l という流派があるらしい。これらの団体が資格を出しているのだという。
EAGALA 1999年に設立
Path Int'l 前身は1969年に設立された、NARHAで、2011年に現在のPath Int'lに改称

EAGALAの方は、人間は乗馬するわけではなく、地面での馬とのアクティビティを通じて、どう馬が反応するかなどに着目しつつ、自身について見つめるというものらしい。必ずEAGALAモデルでは、セラピストと馬のスペシャリストが組んでセッションを行うのだという。馬との関係性から、リーダーシップ、パートナーシップなど関係性づくりのライフスキルを学ぶのだそう。Pathの方もやはり馬を使ったセラピーだが、こちらは乗馬もするらしい。ワークショップでは、ぜひ資格を取りましょう!でもどちらの資格を取るかは、よく考えて決めましょう!と呼びかけていた。とはいえ、馬経験ゼロの私にそんなこと言われても....という感じではあった。

EAGALAの人がセッションやってる最中に、Pathの資格持ってるという人が質問して、EAGALAの人が「あなたはPathの人だからそういうのよ!」とちょっとイラっとした感じで答えていたのが印象に残った。おそらくこの2つの流派、ライバル関係にあったり、中の人たち同士で微妙な対立もあったりするのかなあと。とはいえ、両方の資格を持ってる人たちもいるのだろうが。

その後、馬の科学を専門にしているという大学教員の話。動物を使っての学びというのを専門しており、特に馬なのだという。同じように学びやセラピーで使われる動物に犬もいるが、犬は元々は捕食動物。馬は餌動物な分、より周りの状況に反応しやすく、そのために正直で、かつすぐにフィードバックをくれるがために、素晴らしい教育のツールとして馬が使えるということなのだと、熱を入れて語っていた。アメリカの西部といえば馬だ、カウボーイ文化だ!フリーダムの価値観だ!馬の匂いも何もかもが自分は大好きだ!馬は自分の生活の一部みたいなもので、自分も馬に人生のいろいろなことを教えてもらった、馬すごい!みたいな発言が相次ぎ、とくかくこのひとは馬が大好きなのねえ、、という感じ。と同時に、モンタナという土地柄がにじみ出ているなあとも思った。

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この人曰く、昨今の馬業界には革命とも言える大きな変化が起きたのだという。以前の、馬にいろいろなことをさせて、その結果馬が壊れるかもしれないが、とにかく働かせる的な文化から、馬を尊敬し、ケアして、馬との関係性を築くことをまず重要視し、社会を良くするために馬を活用するといった方向性なのだとか。これには、馬関係業界に、女性が非常に増えたことが関係しているとこの教員は言っていた。女性は自然にケアに向いているし、、などのこの人の発言からは本質論的なものも感じてちょっと違和感は正直あったが、それでも女性が業界に増えた結果、カウボーイ文化的なものから、馬との関係性がより尊敬すべきパートナーとしてのものに変わったというのは興味深かった。

現在、12の大学で、馬を使った学びに関するプログラムが開設されており、27−8の大学では授業が開講されているという。この数は過去4年くらいの間に急増したらしい。馬は、リーダーシップ、コミュニケーション、チームワークを学ぶのに最適なのだということだ。

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その後、ついに馬が登場。沢山出てきた。まずは馬の振る舞いなどを観察しろと言われ、ひたすら見る。馬がどんな音を出しているか、馬が何をしているか、馬がどういった場所とりをしているか、他の馬が走り出すと沢山走るのはなぜか、など、説明を聞きながら馬を観察した。また、周りの環境も常に観察しろと言われた。馬はゴールを持っているのか、それはどういった場合で、馬の振る舞いにどういう影響を与えるのか、リーダーはいるのか、この中ではどの馬がリーダーなのか、馬ー人間の関係では人間がリーダーにならないといけない、馬は繰り返しによって物事を学ぶので、人間が間違えたことを繰り返してしまってはいけない、馬の表情は豊かで、いろいろなものを伝えてくれる、などなど。

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その後、EAGALA方式らしい、馬をつかっての実演エクササイズを、オーディエンスも参加して行った。私も後半のチームで馬が通るところにちょっとした障害物を置いた上で、紐でつないだ馬を障害物を避けて通るみたいなエクササイズには、全員参加だったために参加。

私が参加しなかったのは、子ども用のセッションとして、アルファベットが書いてあるボールがバラバラと地面に置かれている中で、ある単語のスペルに当てはまるアルファベットのボールを拾うというものが一つ。これもやはり、人間が紐を持って馬を連れながら、ボール探しに行って、それを持ってきて集めるという感じ。もう一つは、そうした馬の状況を観察して、クリエイティブライティングとして何らかのストーリーを考えて書く、というもの。

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こうしたエクササイズそのものより、それを通じて、また馬とのふれあいを通じて、自分自身がどう感じたか、どんな問題が見えてきたか、などに重点がおかれている感じだった。

3種類のエクササイズが終わった段階で、ワークショップも終わり。

馬はその辺によくいる土地柄なので、遠くからは毎日のように見ているが、近くに寄って触ったりということはないので、私にとっては牧場見学に行ったような気分で楽しかった面もある。ただ、セラピー的な「どう思ったか感情をシェアしましょう」といきなりあの人工的に作られた環境で言われてもなーというところもあり、なんとなくセッションそのものはイマイチわからなかったというか、苦手感も正直あった。

とはいえ、この辺では、元米兵らのPTSDなどのセラピーなどとしてもよく使われているものらしい。元米兵用のプログラムの紹介もされており、リーフレットももらってきた。Forgotten Soldier Programというもので、様々なセラピーを実施しているようだが、そのうちの一つがこの馬を使ったセラピーのようだ。

結局、私の人類学の授業にはどう使えるのかは謎のままだった。まあでも、この馬大好きな人たちのコミュニティは興味深いかもとは思ったし、「観察」という面からは人類学にも共通する面はあるので、工夫すれば使いようはあるのかも?
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2015/8/19  7:05

坊主マンに帰ってきた!  日々の出来事、雑感

ほぼまる一年、坊主マンを留守にして東京に行っていました。そのあいだすっかりブログもサボりつづけてしまった。。
坊主マンに戻るとちょっと時間的に余裕ができるのもあるので、これを機にまたぼちぼちブログも書いていくかなと思います。こちらのブログは日常の雑感を綴るものなので、軽い感じにて。

ここ数日、坊主マンは山火事のために煙たい日々。私が今住んでいる家からよく見えるはずの山も見えない!今日はだいぶマシになってきて、山もうっすら見えるようにはなっていますが、まだまだくっきりとはいきません。一雨降るといいのだけど。

この時期は暑い日と涼しい日と両方で、昨晩はついに最低気温8℃!華氏だと40°F代です。もうすぐ秋か....

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2014/5/26  8:00

メモリアルデー週末  

いきなり春になった坊主マン。というか夏っぽくもありますが、爽やかな気候です。
今週末はメモリアルデーの連休。金曜の夕方に、学部の集まりがあり、行ってきました。
そこで同僚が持ってきたワインが、なんとAnthropologyという名前のワイン!

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数日前の坊主マン風景。わりと雨がよく降っているので、坊主マンにしては緑が多く、綺麗です。
今の時期が一番緑が多いかも。タンポポも咲いています。

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2014/5/19  6:58

2回目のオンラインコース  

私の大学では、夏学期は前半、後半と6週ずつに分かれていて、今年は私は前半の授業を担当することになった。というわけで、先週月曜から、オンラインでSex, Gender and Sexuality in Japanという授業を教えている。去年は、Popular Culture- Japanという授業をオンラインで初めて教えて、今回が二度目のオンラインコース担当ということになる。

私の大学は、Desire2Learn(D2L)というLMSを使っており、このD2Lのコース用ページを作るのがオンラインコース準備で最も重要なところ。初めて教えるコースはこれで時間がかかるのだが、二度目以降はかなり楽になるのがオンラインコース、だという話し。私は去年、今年と、オンラインではない授業では教えたことがあるが、オンラインでは初めてという授業の担当なので、準備にはけっこう時間がかかっている。

コースサイトをつくったら、あとはオンラインレクチャーの録画、毎週のディスカッションボード機能でのディスカッションへのコメントつけ、クイズやテスト、宿題などを出して、その採点などが仕事。今年は、履修人数が10人で少なく、コメントつけが今のところだいぶ余裕をもってできるというか、これくらいだと1人ずつ丁寧にコメントつけられるなと思っている。去年は20人くらいだったと思うので、ちょっと大変だった。30人いると相当大変になると思う。

オンラインレクチャーは、せいぜい10分くらいがベスト、とオンラインコースの教え方というワークショップをとったときに言われたのだが、いまいち長くなりがちで、いつも20分くらいになってしまっている。10分でレクチャーするために、私自身、もうちょっと慣れと訓練必要という感じ。

ディスカッションボードへのコメントつけも、授業がすすむにつれ、できるだけ学生同士でコメントつけてディスカッションになるようにもっていく感じで考えている。最初は私がかなりつけないと、、という感じだが。

今はちょうどグループプロジェクトとして、3、4人のグループとしてPreziでプレゼンをつくってもらうという宿題をやってもらっている最中。何らかのグループものを学期の初めのほうにしておくのは、前回教えたときも悪くないなと思った。ただ、今回は次のプロジェクトは個人でのものにしようかどうしようか、実はまだ考え中。2度ともPreziプレゼン作成じゃつまらないし、去年使ったWiki作成は評判いまいちだったし… 次の宿題までにあと3週間あるので考えておかねば。

今回のSex, Gender and Sexuality in Japanは、センシティブな題材もはいってくる授業なので、こういう授業をオンラインで行うとどうなるか、というのを試している感じでもある。うまくいくといいのだが。

今日で一週間目が終わり。オンラインコースの場合、毎週くらい細かく評価つけていかねばならないので、明日は一週目の成績つけ。今のところはまあうまくいっているような気がするが、今後もうまくいきますように。

去年と今年のオンラインコースのシラバス、academia.eduのほうに載せておいたので、ご興味ある方はどうぞ。どちらも最初に教えたオンラインバージョンのコースのシラバスということで、今後まだまだブラッシュアップの必要があると思うが。(online version)と書いてある二つです。


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2014/5/17  22:01

昨日のキャンパス  

昨日は夕方は雷雨で大変でしたが、日中はとても爽やかですばらしい天気でした。
そんなわけで、キャンパスの写真を数枚掲載しておきます。

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これが私のオフィスがある建物なのですが、ここの工事と、あとこの建物の裏でやってる、ビジネススクールの建物の建設工事とダブルパンチで、うるさいこと。。オフィスで静かに仕事するのは難しい状況に陥っております。
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2014/5/13  12:45

高橋哲哉さん「犠牲のシステム」についてのご講演の英訳を出版  

高橋哲哉さんによるシカゴ大学で2012年3月のご講演 What March 11 Means to Me: Nuclear Power and the Sacrificial System の英訳が出版されました。高橋さんが今月に書きおろされたPostscriptも加わり、翻訳者であるノーマ・フィールドさん、宮本ゆきさんと私が書いたIntroductionも付随されています。

ノーマ・フィールドさんがシカゴ大学から退職される際の記念シンポジウム、What March 11 Means to Me でのご講演です。日本から5人の研究者や運動家の方々がいらっしゃってのシンポ。2日間にわたり、とても深い議論が行われました。このシンポについては、雨宮処凛さんも記事を書いていらっしゃいます。

このシンポで、私は、デュポール大学の宮本ゆきさんとともに、この高橋さんのご講演の通訳を勤めさせていただきました。ビビりながらの通訳でしたが、なんとか乗り切ったという感じ。観客の方々も含め、和気あいあいとした雰囲気で、つまったら誰かが助けてくれる、という心強い環境でもありました。こうした、通訳や翻訳、そしてそこでの「ことば」をものすごく重要視するシカゴ大学の日本研究のあり方は、ノーマさんの貢献がとても大きいように思います。

今、なぜこの文章の翻訳を出すことになったか。Introductionに書いたのですが、このブログの前回のエントリに書いた、私のオクラホマ行きがきっかけとなりました。そこで私のトークにいらしてくださった、ピーター・バーカーさんという科学史の教授が、私がトークの中で言及した高橋哲哉さんの「犠牲のシステム」概念についてもっと知りたい、ご自身も原子力に関するご研究をされておられ、またご自身の学生さんである、アシュリー・マクレーさんの研究との関連が深いように思うからだ、と仰って、翻訳の出版をご提案くださったことがあります。そして、ピーターさん、アシュリーさんとメール交換をする中で、アシュリーさんは、ラコタ族の方で、ラコタ族がウラン採掘により水など生活の場が汚染され、いかにアメリカという国、そして核兵器や原子力業界の犠牲に成り続けてきた、そうした中での闘いについて博士論文研究をされているとのこともわかりました。そうした状況を考えるのに「犠牲のシステム」というコンセプトは有用と思われる、と、ピーターさん、アシュリーさんともに考えられたようです。

こうした、日本のみならず、アメリカ、またそうした国境をこえた「犠牲のシステム」について広く考えていくために、英語読者にもぜひ読んでいただき、問題について多くの人たちと一緒に考えていくことができたら、、とそんな思いで翻訳させていただき、イントロダクションを書かせていただきました。

それにしても、高橋さん、ノーマさん、ゆきさんと、こんなすごいメンバーの中で私がはいっているのは肩身が狭い…という面もあったりしますが、でも一緒に仕事をさせていただき、本当に様々なことを学ばせていただいた、貴重な機会でした。
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2014/5/10  7:53

初オクラホマ!  日々の出来事、雑感

3月後半、大学院時代の友人が働くオクラホマ大学のJapan in Disasterというレクチャーシリーズに呼んでいただいた。
オクラホマ州は一度も行った事がなかったので、ワクワクしながら出かけた。

オクラホマシティ上空に飛行機がさしかかったとき、あまりの見事な平らっぷりに写真を撮ってみた。
ボーズマンは山だらけの風景なので、けっこう新鮮でもある。

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到着したオクラホマ、さすがにモンタナに比べたら暖かく、ダウンのコートを着ていた私は浮くこと。友人にオクラホマシティ空港までむかえにきてもらい、オクラホマ大学のあるノーマンという街に車でむかった。

その日は夕食をその友人と食べた。友人、「このへんのレストラン、メニューが肉ばっかりでごめんねえ」と申し訳なさげに言うのだが、「それはモンタナも同じだから大丈夫よん」と返す。アメリカのど真ん中地方暮らしは、肉が食べられないと大変なのだ。

そして、ホテルの部屋に戻り、ひたすら発表原稿作業をするという展開。そして翌日も発表原稿作業をして、まさに発表直前になってやっと終わったという情けない事態。

オクラホマ大学キャンパス。私の大学より建物が圧倒的に立派で、きれいなキャンパス。

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学部生とランチをする機会があったが、話しを聞いていると、石油と天然ガス業界と大学との関係がすごく深いことにすぐ気づいた。学生も、将来は石油会社で働くんだ、と言っていたり。大学にも相当な寄付が石油業界からきているようでもあった。

同時に、別の学部生からは、オクラホマは全米で唯一、原発建設計画を住民運動の結果、ストップさせた州なのだという話しを聞いた。初めて知ったことで、後でネットで調べたら、その記述も見つかった。

Oklahomans prevent completion of Black Fox Nuclear Power Plant, 1973-1982

すごい成果だが、結果、原発はその隣州のアーカンソーにできてしまったのだという。

トークが終わり、翌日、友人とそのお連れ合いに、昨年大きな被害を出した竜巻の跡地と、オクラホマシティ爆破事件のメモリアルに連れて行ってもらった。

竜巻の跡地はすごかった。見事に竜巻が通ったところだけ、何もないか、あるいは新しく建ったばかりか、建設中の建物ばかりである。

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竜巻跡地で建設中の家。

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竜巻で犠牲者がでた小学校。建設中。

竜巻で子どもに犠牲者が出た事から、小学校に竜巻用地下シェルターをつくるべき、という案が地元で出たらしいが、結局共和党が強い議会で否決された、と友人は怒っていた。「再び同じ地域に竜巻がくる可能性は少ないのにコストがかかる。そもそも竜巻がきたときに子どもを守るのも親の自己責任」みたいなノリで否決になったらしい。しかし、竜巻がいきなりきてしまったら、自己責任もなにもどうしようもないわけだが.... 子どもの命よりも、お金節減、という理屈のようだ。

そして、オクラホマシティ爆破事件跡地。かなり大きなメモリアルで、きれいに整っていた。気候がよい日で、観光客がけっこうきていた。


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それぞれの椅子が、亡くなられた方々ひとりひとりを表しており、名前が書かれていた。小さな椅子もあり、それは子どもだったという(ビル内にデイケアがあったらしい)。

しかしオクラホマシティのダウンタウンは静かだった。土曜日だから?と聞いてみたら、いやー平日でもこんなもんなのよねえ、と友人。

オクラホマシティは、全米最大規模のベトナム人コミュニティがあるとのことで、ベトナム料理店につれていってもらった。そこで美味しいフォーを食べて大満足。

最後、空港で自分用土産として、オクラホマTシャツ購入。

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そんなオクラホマシティ行きだった。って、自分のトークの話しを全然書いてないけどまあいいか 
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2014/5/9  11:12

モンタナのメディア状況その3 商業ラジオ・テレビ編  メディア、テレビ

NHK放送文化研究所の方の取材に同行させていただいた3件目は、モンタナ放送事業者協会の会長の、デューイ・ブルースさんだった。協会は州都ヘレナにあるというので、最初は私が車を出してヘレナに行くつもりだったのだが、ブルースさん、「わざわざ日本のNHKからモンタナくんだりまでいらしていただいたのだから、自分がボーズマンに行くなんてたいしたことではないので行きますよ」と、私の大学のほうまでいらしてくださった。ブルースさんは商業ラジオ業界一筋のキャリアを誇り、現在は放送事業者協会の会長として、テレビについては回りの人にいろいろ聞いて勉強しつつやっているんだ、と言われていた。逆にラジオなら任せてくれ!という感じ。

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モンタナには、19の商業テレビ曲、155のラジオ局があるとのこと。そして、ちょうどワシントンDCでの会議から帰ってきたばかりだったというブルースさんは、FCCによる周波数のオークション案に、地方の視点が欠けている、とくに、中継局に依存しており、出力も弱い小規模局にとっては生き残りがかかるという危機感を強くもっていた。この状況のために、モンタナの民主党上院議員ジョン・テスターと、ユタの共和党上院議員のオリン・ハッチが共同で超党派で呼びかけた、FCCへの手紙も紹介してくれたりなど、この問題に関して熱をいれて語ってくれた。

そうした問題のため、地方の、とくに小さな街のラジオ局やテレビ曲がいかにコミュニティにとって重要なのか、という視点からの話しを、事例とともにしてくれた。都会から離れた小さな街や集落にとって、とくに過疎化がすすんでいるところにおいて、地元の高校や大学のスポーツ中継やニュース、天気予報がいかに重要なものであるか。ラジオなど、全然儲からないけれど、好きだから、と地元民が自宅のリビングで放送したりして運営している局もある。また、全米最小のテレビマーケット、グレンダイブのテレビ局は、ガレージのようなところで5人ほどでやっている局だという。

田舎では、ケーブルを導入するのは難しい。衛星テレビはコストが高い。そうした状況で、地上波は非常に重要なのだが、田舎のことを考えずに都会の論理でオークションを実施すれば、中継局がなくなったり、田舎の局はつぶれてしまうかもしれない。カナダ国境近くの小さな孤立した街で、唯一中継局からはいってくるテレビ映像がなくなってしまったら、もしかしたらその地域では、アメリカにもかかわらず、カナダのテレビ放送しか入らなくなるかもしれない…と。

ラジオについて、「モンタナきて、キリスト教系のラジオ局が多いのにびっくりしたんですよね」と私が言ったら、実はキリスト教系ラジオがこれだけ増えたのは比較的最近の、私がモンタナに引っ越してきた7年前の前後以降のことらしい。なぜかと聞いたら、けっこうキリスト教系ラジオは、ほかにくらべてもうかるそうだ。

もう一つブルースさんのお話で興味深かったのは、現在のアメリカでのテレビ視聴の状況だった。「地上波返り」が起きているのだという。ケーブルもサテライトTVも、どんどん月々の利用料金が高騰化してしまった。結果、ケーブルやサテライトの契約をせず、地上波でローカルチャンネルのネットワークのTVをみて、その上にNetflixやApple TVなどと契約し、TVを見るというスタイルのほうが流行ってきているという。とくに若い世代にこの兆候が大きいと。

確かに私の授業で、学生たちに、テレビをどうやって見ているか聞いてみたら、圧倒的多数の学生がNetflixと契約して見ているといっていた。$7.99でストリーミング見放題のプランにはいっている学生が大多数。2つの授業で聞いたが、それぞれはいってない学生は2、3人程度だった。さすがにこの若い世代の間でのNetflix隆盛ぶりには、日本からの研究者の方も驚いたようだった。とはいえ、そのNetflixも値上げをするというので、今後どうなっていくだろう。

地域のテレビ、そしてラジオはとくに、生き残りをかけて、よりローカルのコミュニティにコミットするという流れになっているのだという。これは、新聞について、ボーズマン・デイリー・クロニクルの社長さんが言われていたこととも、またモンタナPBSのミッションとして説明されたこととも重なる。インターネット時代になって、地域により焦点をあてることで生き残りをかける地域のメディア、という状況が顕著なのだというのが、モンタナのいくつかのメディアについて聞く機会を得て、強く感じたことだった。
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2014/5/7  1:32

モンタナのローカルメディア状況 その2 新聞編  メディア、テレビ

3月にNHKの放送文化研究所の人がボーズマンにいらしたときに同行した、2件目の取材は地元紙の、Bozeman Daily Chronicle(ボーズマン・デイリー・クロニクル。以下クロニクルと略)だった。そこの社長のステファニー・プレスリーさんとのインタビュ―である。クロニクルは一時期はとっていたし、今でも時々ネットでは閲覧している、私にとってもおなじみの媒体。

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クロニクルは、Big Sky Publishing LLC という企業体がもつ新聞。ボーズマンのほか、ほかの地域の街の新聞をいくつか発行している。そして、シアトルに本社をもち、ワシントン、オレゴン、アイダホ、モンタナなどの新聞を傘下にもつパイオニア・ニュースグループというグループに属する。社員は100人ほどで、そのうち75人ほどがフルタイム。25%くらいが記者や編集者で、あとは広告やセールス担当、経理などのビジネス関連担当者ら等とのこと。記者は、市役所担当、警察担当、経済・ビジネス担当、スポーツ担当、アウトドア担当、エンターテイメント担当、教育担当などがいるとのことだ。

こうした小さい街のローカルメディアは、記者にとっては大学やジャーナリズム系大学院等を卒業した直後の、エントリーレベルの仕事であることが多く、クロニクルの場合も、20代の記者が大部分らしい。こうした20代記者らの多くは、2−3年もすれば、より大きな街の別の新聞へと転職していく。中にはボーズマンに根付いて長年記者活動をする記者もいるが、数少ないとのこと(大学を担当していて私も会ったことがある記者さんは、珍しいベテラン記者らしい)。編集者は3−40代が多いとのこと。

 

「新聞が死に絶えつつある」という評価がある中で、クロニクルは、ローカルのコミュニティのための新聞、という位置づけをより大きなものにしたのだという。これはクロニクルだけではなく、全米の新聞どこもそういう傾向があり、大都市圏の新聞でさえもそうだと思う、とプレスリー社長。そして、ローカルにコミットすればするほど、記者が足を使って動く必要もあるし、お金がかかる。AP通信などから配信される、ナショナルレベルの記事を掲載していたほうが楽だし安い。でも、インターネット時代になった今、ローカルにコミットしないと新聞は生き残れなくなっているので、ネット時代にはいってから、よりローカルの問題を深く扱う調査報道に重点をおくようになったとの説明だった。「コミュニティのための、コミュニティをうつしだす新聞(クロニクル)、コミュニティのための対話の場所づくりをを目指しています」と社長さんは言った。

 

「ボーズマン・デイリー・クロニクルのライバルの新聞はなんですか」と社長さんに聞いたところ、モンタナ最大の都市、ビリングスの新聞、Billings Gazetteかというお答え。ただ、新聞のウェブ版に関していえば、ほかの街の新聞よりもむしろライバルは地元のテレビ局のニュースサイトだ、とのことだった。発生したばかりのニュースを動画で取り上げ、刻々と最新情報を伝えるにはテレビ局のサイトはやはり強いということなのだろう。それとの差異化のためにも、新聞としては調査報道的な記事が重要ということらしい。

 

さて、このプレスリー社長、女性の社長さんである。新聞業界で女性の社長はわりとあることなのか、苦労は何かなど聞いてみた。プレスリーさんはずっと新聞の現場ではなく、経営側のほうの仕事を大学でてから渡り歩いてきたという。女性社長は以前は珍しかったが、今は少しずつでも増えているらしい。ただ、やはり仕事と家庭の両立は大変難しい仕事であり、プレスリーさんがフルタイムで社長業をする傍ら、現在は元記者の夫が主夫として、子育て、家事などをほぼ担当しているとのこと。

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  プレスリー社長



お話を伺った後、社内の見学をさせてもらった。

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建物の入り口すぐにあるスペース。経理、総務系の仕事をしている人たちがいるとのこと。

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  ニューズルーム。記者、編集者などが働いている。

印刷所のほうも見せてもらった。ボーズマン・クロニクルは印刷も自社内で行っており、クロニクルのほか、地域の週刊の新聞、大学など学校の新聞の印刷も請け負っているとのこと。

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ところで、時々Twitterで私がRTする、Bozeman Police Reportを流しているのも、このクロニクルである。ポリスレポートは、この新聞随一の人気コンテンツだと聞いたこともあったりする。そして、お土産に、ボーズマンポリスレポート本と、ポリスレポートTシャツ、そしてイエローストーンの写真集をいただいた。ポリスレポート本も買いたいと思っていたし、Tシャツもひそかに欲しいと思っていたので、嬉しい限り!ただ同行しただけの私までお土産のおこぼれに預かってしまい、そもそも同行者の立場のわりには、質問もけっこうしてしまったという。

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このポリスレポート本、全国紙で紹介されたこともあり、すでに12000部の売り上げ。10万ドルの儲けになっているという。今出ているのは第二版だが、今後も出し続ける予定とのこと。


軽く一度で終わらせるはずのエントリが長引いてしまっているが、次回はモンタナの商業ラジオとテレビについて聞いたことをちょこっとまとめてみます。

 

 

 

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