ブラックブックを観てきました。
ブラックブック
1944年、ナチス占領下のオランダ。
美しいユダヤ人歌手のラヘルは、南部へ逃亡する途中
ドイツ軍により家族を殺されてしまう。
レジスタンスに救われたラヘルは、エリスと名を変え
髪をブロンドに染めレジスタンス運動に参加する。
彼女はその美貌を武器にスパイとしてドイツ人将校ムンツェに近づいていくが、その優しさに触れ、次第にムンツェを愛するようになってしまう。一方、レジスタンス内では裏切り者の存在が浮かび上がる。
(goo映画より)
ナチス・ドイツによるユダヤ人迫害の映画といえば
「シンドラーのリスト」や「戦場のピアニスト」など
観るのも辛い映画を思いおこすけれど
これは女性を主人公にしているだけあって、私は面白く観られました。
もちろん、残酷な場面も多く
戦争という異常事態での狂気に走る人間や
あまりに軽く扱われる生命には目をそむけたくなりますが・・・。
ユダヤ人であるにもかかわらずナチス将校・ムンツェを深く愛してしまうようになるエリスの数奇な運命から目が離せない。
でも、家族への愛やレジスタンス仲間との絆と
敵であるナチス将校への愛は決して相容れないもの。
けれどもエリスはその愛を貫きます。
愛情、友情、裏切り、憎しみ。主人公はありとあらゆることを
体験していく中で正義の心を強く持ち続けていきます。
エリスの美しさと強さに、どんどん引き込まれていきました。
エリス役のカリス・ファン・ハウテン
まだ新人みたいだけど、とても綺麗な人。
惜しげもなく美しい裸体を見せてくれるし
アンダーヘアをブロンドに染めるシーンや
大量の糞尿をかけられるシーンなど、日本の女優にはできないだろうと思えることも
体当たりで演じていました。
エロティックで
チャーミングに描かれていることが
この映画の本質的な陰鬱さ,重々しさを
芸術の域にまで高めているように思えました。
特に最後まで誰が敵で,誰が味方なのか,
全く分からないストーリー展開は飽きさせないつくりで,
あっという間の144分でしたね。
正直言って、戦争映画は苦手です。
ナチスによる迫害が描かれた映画も苦手です。
でもこの映画はそんな私でも普通に映画として楽しめました。
最後の最後まで裏切り者は誰なのか?と
ハラハラドキドキするスリリングなサスペンス。
謎解きの魅力もあり、最後まで引き付けられました。
単なる戦争映画ではなく、人間とは何かを考えさせられる内容の深さを持っている作品だったと思います。
★★★☆☆
「ブラックブック」公式サイト

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