□業界の重鎮がズラリ
昨年に続き東京ゲームショウ(TGS)2004の初日に開催されたTGSフォーラムに
参加してきました。 今年の「TGSフォーラム」は、「オンラインゲーム」、
「キャラクターゲーム」、「開発者セッション“CEDEC プレミアム”」、
「携帯電話ゲーム」の4セッション。どのセッションも興味深かったのですが、
時間と予算の関係で「キャラクターゲーム」セッションを選びました。
セッションのテーマは「ゲームメーカーが考える新しいキャラクタービジネス」。
任天堂の参加こそなかったものの、
モデレーター 中村均 (日経キャラクターズ編集長)
パネリスト 鵜之澤伸 (バンダイ常務取締役)
北上一三 (コナミ ゲームソフト事業本部長)
和田洋一 (スクウェア・エニックス 代表取締役社長)
と、業界の重鎮がズラリ。満席の会場も熱気にあふれていました。盛りだく
さんだったトークを2回に分けて紹介したいと思います。
□昔も今もガンダムのお世話に
バンダイのゲーム事業を率いる鵜之澤氏は第一期のガンプラブームのころ
バンダイに入社。「入社時からガンダムに食わせてもらいいまだにお世話に
なっているのは嬉しいけどちょっとくやしい」とコメントされていました。
ガンダムはバンダイ全体でも無論ダントツのキャラ。トータルで400億円以上
の売上をかせぐ「化け物」。従来のファンに加えて「ガンダムシード」効果
で小学1年生もガンプラを作るところまで裾野が広がったそうです。
バンダイはガンダム以外のキャラクターゲームにも力は入れていて、テレビ
の提供枠が45番組、そのうちゲーム化権をもつのが21(スクールランブル、
ナルト、ケロロ軍曹など)、今年の10-12月だけで16タイトルをリリース予定
(鵜之澤氏も出しすぎ、とコメント)。まさに「キャラクターゲームのバン
ダイ」の面目躍如ですね。
□メタルギア効果は絶大
オリジナル(メタルギアなど)、キャラクター(遊戯王)、スポーツ(パワ
プロなど)を3つの柱にゲーム業界をリードするコナミ。アニメ、コミック
系のキャラクターゲームでの大成功は「残念ながら遊戯王だけ」(北上氏)
の状態ですが、スポーツ選手も広い意味でのキャラクターとみるならばこの
分野でも強力といっていってよいでしょう。北上氏は言及されませんでした
が「十二国記」、「テニプリ」などのキャラゲーもコンスタントにリリ−ス
していて隙のなさを感じますね。
コナミのすごさは売上の総額もさることながら日本、北米、欧州の売上のバ
ランスがとれていること。「メタルギアソリッド2」効果で2001年には海外
の売上が国内を逆転、いまだに国内市場に頼っている他メーカーを尻目に
北米では「メタルギア」、「サイレントヒル」、欧州では「ウイイレ」とい
った安定した稼頭をもっているのはさすが。鵜之澤氏も「海外展開はコナミ
さんを手本にしたい。」とコメントされていまいした。
(後編に続く)
※「ほぼ週刊 おとうさん的ゲーム通信」 2004/10/1号掲載

0