□「よろずオタ系」アタリ年?
気がつけば今年もあとわづか、毎度のことながら「早い」ものです。本誌や
「おとローグ」でご覧いただいているように今年はゲームに加えて「よろず
オタ系(萌え系)」にかなり走ってしまいました...ゲームに関しては
恒例の特集(次号予定)に譲るとして「よろず」の方の「収穫」を少しあげ
てみましょう。
まずは映画。平年は2ヶ月に1本ペースの私ですが、今年はアニメ映画もカウ
ントすればなんと20本近いハマリ年。「ロードオブザリング」や「ハリー
ポッタ」もよかったですが、印象に残ったのは邦画の魅力。「セカチュ−」
も「海猿」も「スイングガールズ」も洋画では味わえない楽しさがありまし
た。中でも「父と暮らせば」の宮沢りえが演じた「日本女性」が強く記憶に
残っています。
□「攻殻機動隊」づくし
アニメの話題作が多かった今年。私も「妄想代理人」、「イノセンス」、
「スチームボーイ」に「ハウル」と本誌で書いてきたように堪能させてい
ただきました。
中でもズッポリはまったのが「イノセンス」をきっかけに始まった「攻殻機
動隊」の世界。「全身義体化」したヒロイン「草薙素子」の魅力にとりつか
れて原作のコミック、劇場映画、TVアニメ「STAND ALONE COMPLEX」
のDVDとほぼ完全制覇?
「STAND ALONE COMPLEX」はオープニングからエンディングまでTVシリーズ
とは思えない圧倒的なクオリティ。素子と「九課」の面々の「人間ドラマ」
がこたえられません。
□「ケロロ」、「ハガレン」、「デスノート」
TVアニメから原作コミックにはまるパターンだったのが「ケロロ軍曹」と
「鋼の錬金術師」。TVアニメも素晴らしいですが、コミックの出来はそれ
以上。娘たちと奪い合うように読みふけってしまいました。
ガンプラや懐かし系のアニメ・特撮の小ネタ満載の「ケロロ軍曹」はおと
うさん世代に絶対のオススメ。「ハガレン」はキャラからは想像できない
ダークで重いストーリーとコミカルなオバカ話のギャップが魅力。TVアニメ
は放映終了してしまいましたが、コミックはまだまだ継続中で来年も楽しめ
そうです。
ネット上の評判を聞いて買ったのが少年ジャンプに連載中の「デスノート」。
評判に違わぬ傑作でしたが、どう結末をつけるかがすごく難しそうですね。
□「沢崎」の復活に喝采
「よろずオタ系」に費やされてほとんど皆無になった読書時間ですが、この
1冊をあげるなら年末ギリギリに刊行された原寮(本当はウ冠なし)氏の探
偵「沢崎」シリーズの新作「愚か者死すべし」。元々寡作な原氏ですが、
前作「さらば長き眠り」からなんと9年ぶり。それでも大手の書店で平積み
されて忽ち10万部近い売り上げ。私も含めたファンが如何に「沢崎」の再登
場を渇望していたかわかるでしょう。
クールで乾いた文体のこのシリーズ。いわゆるハードボイルドに分類される
のでしょうが、どんな権威にも屈せず淡々と冷静に仕事を進める「沢崎」の
人間造詣の魅力は他の追随を許しません。
ただ期待がおおきすぎたせいか、私も「沢崎」も年をとったせいか以前は
なかった甘さと弛みが少し気になります。新「沢崎」シリーズの第2作をし
ばし(できれば2年くらいで)待ちたいと思います。
(「おとゲー」2004/12/17号掲載)

0