□冴え渡る特殊効果
今年も「魔法」の季節がやってきた!映画「ハリーポッター」の第四弾、
「ハリーポッターと炎のゴブレット」を見てきました。上映を待ちながら、
原作「炎のゴブレット」の上下で1,139ページという超ヘビーなボリューム
を2時間37分の映画に落とし込むのはかなりムリがあるな、と思っていました。
ところがシリーズ3人目の監督になるマイク・ニューエルはなかなかの腕を見
せてくれます。特に特殊効果が冴え渡ります。クディッチのシーンのスピ−ド
感、「三大魔法学校対抗試合」の相手校の意表をついた登場シーン、そして
「マッド−アイ」ムーディのギョロギョロ動く義眼。前作「アズカバンの囚
人」でちょっと見飽きたかな、と感じたハリポタ世界の「道具立て」が新鮮な
輝きを取り戻していてなんども楽しい驚きを味わいました。
□チョウ・チャン、萌えない?
その反面、原作の大きな柱である「ハリーの青春」はかなり無残な有様に。
ハリーの「初恋の人」チョウ・チャンはポツポツとしか登場せず、しかも私的
には萌え要素なしで「なんでハリーが夢中になるの?」大いに疑問。ハリーと
ロン、ハーマイオニーの仲たがいも感情の変化の理由がブチ切れのシナリオの
ため全く不可解。妙に長いハリーの入浴シーンは腐女子の皆さんへのサービス
カットでしょうか?なんぶしても原作を読んでないと「?」だらけでしょうね。
それでも「内面の描写」を重視して面白さが半減だった前作に比べるとかなり
の奮闘ぶり。脇を固めるアラン・リックマン、ロビー・コルトレーンたち、そ
して「義眼」の悪魔払い「マッド−アイ」ムーディ」を演じたブレンダン・グ
リーソンが実に良い味を出してます。(ダンブルドア役のマイケル・ガンボン
のからだの動きが若すぎるのは変)
そしてエマ・ワトソン。「アズカバン」で優等生から強い少女に脱皮し、さら
に美しくなったヒロイン、ハーマイオニー役は彼女以外有り得ないでしょう。
でもドレスアップした盛装より、ホグワーツの制服の方がお似合いですが。
願わくば次回作「不死鳥の騎士団」は、さらに分厚く、冗長な原作をこの調子
でバサバサ削ぎ落として爽快にますますマジック!することを期待します。
「おとゲー」2005/12/23号掲載

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