□世田谷区の「ゲーム脳講演会」
「ゲーム脳の恐怖」で有名な森昭雄日大教授。さる3/6、世田谷区民会館大
ホールで400人の聴衆を集め「テレビゲームと子どもの脳」と題する講演会
が開かれたそうです。
※以下の記載は
、「同人誌生活文化総合研究所」の三崎尚人氏の詳細な
レポートに基づい
ています。
森教授は「子どもたちがおかしくなっている。笑わない。キレやすい。」
と従来の主張を繰り返し、「ゲーム脳にさせないためには?」という質問
に対して、「幼児は基本的にやらせない。小学生・中学生は毎日15分。
読書は3倍」と答え、ゲーム脳は、「しゃべらない、笑わない、ぼーっと
する、切れる」という症状を示すと指摘したのだとか。
この講演会は、その内容は別にしても作家の川端裕人氏が指摘されている
ように小学校で案内ビラを配ったというやり方にかなり問題がありますね。
加えて、川端氏の「教育現場で脳について扱うのは慎重に」とのコメント
に対し森教授が「あなたこそ日本人として非常に恥ずかし」と応答し、
会場から沢山の拍手が沸き起った(三崎氏)のはなんともお寒い限り。
□二人の娘の父親として
私は大脳生理学者でもなければ児童心理学者でもないので森教授の論説に
対して一般的な反論はできません。ですが、二人の娘の父親としての個人的
なコメントをしましょう。
私の学生時代、まだインターネットはおろかPCもなく、文献を調べて論文を
まとめようとすれば数週間から数ヶ月はかかりました。今、同じレベルの論
文を書こうすればおそらく半日もかからない。ウェブとそこから情報を取り
出す検索技術の発達のおかげでそのスピードは100倍以上違うでしょう。
私の娘たちも学校の宿題の調べはもっぱらネット。かっての「読み・書き・
算盤」と同じく「情報ハンドリング」は少なくともまともな社会生活をして
かせいでいくために必須であり、それを後押し(放置、放任ではない)して
やるのは親の務めでしょう。
そしてそんな「今」の娯楽が「ゲーム」です。娘たち、特に次女のマリンは
3歳ごろから「ポケモン」や「星のカービー」にはまった、いわば「ネイティ
ブゲーマー」。ゲームをするときには当然15分なんかでやめませんが、土日
はミニバスに熱中し、ドラマを見て笑い、時々母親の手伝いをしてお味噌汁
を作ってくれます。親の私が言うものなんですが、普通の優しい女の子に育
ちました。
森教授の言う「笑わない。キレやすい」子供にしないためにはゲームを遠ざ
け、読書をさせることより、子供と話し(説教ではない)、いっしょに遊ぶ
ことのほうがはるかはるかにに大事だと思います。
※「おとゲー」2006/3/17号掲載

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