□驚愕のリビルド
「この12年間にエヴァより新しいアニメはありませんでした」(庵野秀明)
「エヴァンゲリヲン新劇場版」の製作にあたっての庵野の自信に満ちた決意
表明です。テレビ放映当時見逃してしまい、かなり遅れてきたファンの私に
も、その映像、音楽、世界観、キャラクターの高次元の融合を考えるとうな
づけるものがあります。
「新劇場版:序」は、TV版の「再放送」などの批判もあるように、ストー
リーは、オリジナルの第1話〜6話のダイジェスト。しかしその映像は「美し
い!」の一言。映画のプログラムの大半を占める詳細な製作過程の説明を読
むとこれだけの才能がものすごいエネルギーを注ぎ込み、驚愕のリビルド
(再構築)がなされたことがわかります。
「約二時間、完全に燃え上がった。」
奈須きのこ氏のこのコメントが全てを語りつくしていますね。
□ミサトの「ちょっち」
キャラクターの魅力も色あせることがありません。ダントツの存在感を見せ
る綾波レイは言うまでもなく、おなじみの顔ぶれに再会できてニヤつかずに
はおれませんでした。
特に個人的一押しは、美貌&パワフルな作戦指揮官の葛城ミサト。凛々しい
戦闘現場とあまりに対照的な私生活。部屋の中は「ちょっち、ちらかってる」
ゴミの山、歓迎の夕食はコンビニ惣菜、冷蔵庫にはビールだけ...見事な
駄目っぷりがとっても素敵です(でも実際に同居してたらキツイかも)。
こんな魅力的でダメダメな「綺麗なオネーサン」に翻弄されるシンジもタイ
ヘンだったでしょうね。
□第2弾も「サービス、サービス!」
全4部作で構成される「エヴァンゲリヲン新劇場版」。エンディングロール
の後には第2弾「破」の予告編が。それも「次回もサービス、サービス!」と
テレビアニメと同じくミサトのヴォイス付き!なにやらストーリーもオリジ
ナルから大きな変化がありそうです。
でもプログラムにある「次回 エヴァンゲリヲン新劇場版:破 2008年公開
予定」文字の下に小さく「スタッフ募集中」とあるのがちょっと心配。TVK
のアニメ情報番組で「まんとら〜マンガ虎の穴〜」で「エヴァ」の大槻プロ
デューサーが「序」がこけたら「破」以降は作られるのか?と何度もつっこ
まれてたし...
ですが、これだけの水準の作品が支持されないわけはありません。ワクワク
しながら来年を待つことにしましょう。
※「おとゲー」2007/9/7号掲載

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