□王女マールディアの憂鬱
自己紹介するね。わたしはマールディア。16歳の女の子。ガルディア王国の
ガルディア33世の娘。だから一応王女様。遠い祖先にリーネっていう美貌の
王妃がいたけど、私は不詳の子孫てとこ。ま、だれも生まれを選べるわけじ
ゃないからしょーがないけど、王女の暮らしってキュークツなのよ。あれダ
メ、これダメって。お母様が生きているうちはまだよかったんだけど、亡く
なった後は悲惨よ。お父様は頑固だし、大臣は口うるさいし...
それに回りは侍女とじーさんばっかりでたいくつなの。奇麗なドレスもたま
にはいいけど、毎日着せられて「ごきげんよう」なんてニッコリしてる生活
想像しみてよ。あなたもわたしの気持ちわかるでしょ?
□「ガール・ミーツ・ボーイ」
そんなわけで王国の千年祭のときにチャンスをうかがってたの。仲のいい
侍女に助けてもらってまんまと脱出に成功したわけよ。イヤリングと交換で
お金も借りたし用意はバッチリよ。
千年祭の会場はリーネ広場。リーネ王妃の名前に由来している大きな広場な
の。一人で外に出るのは初めてだからもうワクワクよ。でも一人はやっぱり
寂しいな、と思ってたら...突然男の子と衝突!
ツンツン頭のちょっと凛々しいい男の子。それがクロノとの出会いだったの。
名前をきかれてちょっとドキドキ、とっさに「マール」って答えた。
□中世の森で
ルッカはクロノの幼馴染で発明家の女の子なの。人間を「転送」する実験を
広場の奥でやってたんだけどこわがって誰も実験台にならないの。仕方なく
クロノが試したら大成功。調子にのって私も試したの。そしたら...
気がついたら山の中に倒れていて、古めかしい服を着た兵隊にお城につれて
いかれたわ。皆が私のことを「リーネ王妃」って呼ぶからちんぷんかんぷん
だったけどやっと私は400年前の世界へ「転送」されたことがわかったの。
リーネ王妃は行方不明だったらしいけど、夫の王様、ガルディア21世までわ
からないなんてどーいうこと?わたしそんなにフケ顔?
仕方ないから王妃のふりをしてたけど、そしたら彼が来てくれたの。たった
1回広場で逢っただけなのにクロノが助けにきてくれたの!
□捕らわれたクロノ
それから色々あったけどクロノと後から来たルッカの活躍で修道院にとじこ
められていたリーネ王妃も助け出され目出たし、目で出しよ。ルッカの発明
したゲートホルダーを使って意気揚揚と現代に戻ったわ。
ところがお父様はクロノが私を誘拐したと勘違いしちゃって。クロノをつか
まえ裁判にかけて空中刑務所に閉じ込めたの(大臣の悪だくみもあったみた
いだけど)。
処刑間際、ルッカが危ういところでクロノを助けて脱出、私もいっしょにお
城から逃げ出したわ。しつこい追っ手をまいてガルディアの森に逃げたの。
見ると目の前にゲートが開いてた。わたしたちは迷わず飛び込んだわ。
(「時をかける」マールの冒険は続く)

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