■「異変」と「ペルソナ」と
揺れがおさまった。マキちゃんは大丈夫か?マークはロビーを飛び出てギョ
ッとした。さっきと違う。病院の構造が変わってしまっている。
「どーしたんだマーク」、南条くんが声をかけたとき空気の壁にぶつかった
ような気がした。そして「it's devil! 悪魔ですわ!」エリーの叫び声。
マークが振り返ると真っ赤な目と巨大な口をもった化けものがエリーを襲い
かかろうとしていた。危ない、そう思った瞬間、何かがマークのからだから
姿を現した。それは南条くんやゆきの、エリーたちの体からも現れて悪魔へ
立ち向かっていった。
「ペルソナ...」我知らずマークはつぶやいていた。
■マキの母親
「いったい何がどうなっちまったんだ!」いらだつマーク。「落ち着きな、
理由はわからないけど悪魔どもがこの町にでてきて、なぜだか知らないがあ
たしらにはそれに対抗するペルソナが宿ったていうことさ。」ゆきのはとて
も同じ年齢とは思えないほど落ち着いていた。
いったん学校に戻ろうということになり、病院を出た。が、悪魔は町じゅう
いたるところに出現していた。「あっ、あれはマキのかーちゃんだ」学校
近くのアラヤ神社に苦しそうにうめくマキの母親がいた。「あなたちはマキ
のお友達ね?...あの、子は無事かしら?」マキの母親は苦しげにつぶや
いた。「セベク、セベクの神取のしわざ...」
■セベクビルと「元気満々なマキちゃん」
幸い「聖エルミン学園」は無事なようだった。保健室にマキの母親を寝かせ
ると南条たちはこの先どうしようか相談した。マキの母親によると彼女は
セベクに勤めていてこの異変はセベクの社長「神取」のつくりあげた「デヴ
ァシステム」という装置が元凶らしい。
「行くしかないですね。We must go there」とエリー、皆の意見は一致した。
セベクビルの警備は固く正面からの突破はできない。どーしようか、南条が
が困っていると「こっち、こっち」耳慣れた声。マキちゃんだった。それも
ずっと入院したとはとても思えない元気満々な。ポカンとしている南条たち
に「元気満々なマキちゃん」は「廃工場」から入れると教えてくれた。
■「異世界」へ
セベクビルの潜入に成功した南条たち。「こっち、こっち」マキちゃんは全
てを熟知しているようで、警備の目をすりぬけながら社長室にたどりついた。
「なんだ君たちは?」神取の顔を南条は知っていた。商工会議所のパーティ
で紹介されたのを思い出した。「神取、貴様何を考えている?」南条は横柄
な口調で尋ねた。
「これはこれは南条のおぼっちゃん。あなた方にはわからないでしょうな。」
物陰に隠れていた神取の配下が飛び出してきた。その隙をついて逃げ出す
神取。ペルソナの力で配下を倒し南条たちは地下へ逃げた神取を追った。
「これが例のシステムか?」そこには巨大な「装置」があった。
そのとき装置が急に動き始めた。ものすごい震動で立ってられないほどだ。
「行くわよ」マキちゃんの声。「どこへ?」間抜けだと自分でも思いつつ
南条は聞いた。「異世界へ」、マキちゃんはニッコリしたようにみえた。
(「ペルソナ」の物語は続く)
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