□私の「3D映像」体験
学生のころ地理学の授業で「立体視」の練習をしたことがあります。微妙に
撮影位置をずらした2枚の航空写真をじっと眺めていると...アラ不思議!
山や谷の凹凸がくっきりと立体的に見えたのは驚きでした。今思うとこれが
3D映像の原体験でした、
3Dの動画映像として画期的だったのがディズニーランドの「キャプテンEO」
故マイケル・ジャクソンの音楽センスの素晴らしさを3D映像が見事に引き立
てていて圧巻でした。
あまりはっきり覚えていないのですが、おそらくサングラスのような偏光メ
ガネをかけたみたのでしょう。画面からエイリアンの攻撃が飛び出してくる
たびにビクッときてましたね。ディズニーとジョージ・ルーカス。たいした
ものです。
□「アバター」の「3D映像」
それから20数年、遅まきながらジェイムズ・キャメロンの「アバター」をみ
てきました。私の行った映画館は、「XpanD方式」というらしいですがやや
重いメガネをかけて超高速で右目と左目を交互に切り替え見る方式。映画館
の中ほど、中央に近いグッドポジションでした。
映像は評判どおりの素晴らしさ、キャメロン監督とスタッフは惑星「パンド
ラ」の生態を丸ごと再現していました。さらにすばらしかったのが「パンド
ラ」の先住民「ナヴィ」の造形。俳優の表情の演技をものの見事に「キャプ
チャー」していてビックリ。ナヴィのヒロイン、ネイティリの笑顔は実にチ
ャーミングでこれなら主人公のジェイクが惚れるものムリはない。
ただ、3D表現は想定の範囲内でさして驚きはありませんでした。確かに画面
の迫力を増してはいましたが、「映画を見るのではなく、映画を体験する」
ことに大きく貢献していたかはちょっと疑問です。
□「3Dゲーム」への期待
映画やテレビはその本質からして「受動的」なものです。監督やスタッフが
作りこんだ映像やストーリーを受け止め、観客が自分の感情をそこに乗せて
いけるがどうかが感動の分岐点です。
「体験」、「没入」という点ではひいき目かもしれないけど、ゲームに分が
あるでしょう。「時のオカリナ」の砂漠の場面で口の中で砂がジャリジャリ
するような感覚、「小文字バイオ」の研究所の中のコンクリートのヒンヤリ
した感覚...正しく「今そこにいる」体験でした。
「時オカ」も「小文字バイオ」もあくまで高度に擬似的な3Dの世界。完全な
3D映像の世界でそこを歩く、そこで戦うというというのはゲームが今後進む
であろう有力な道でしょう。
「バイオ」の三上真司氏が「立体映像のホラーを作りたい」というコメント
をしていて(ファミ通4/1号)、メチャ期待大です。三上氏ならキャメロン
が腰をぬかすような「3Dホラー」を制作してくれるでしょう。当然TVで見る
のではなく「ゴーグル型」が必須。振り向くとそこにゾンビが...
想像するだけで怖い、怖すぎる。何年後かわからないけど震えながら期待し
て待ちたいと思います。
□「裸眼立体視」の「ニンテンドー3DS」登場
ここまで書いたところでビッグニュースが。来年2011年3月期に発売される
ニンテンドーDSの後継機「「ニンテンドー3DS」なんと「裸眼立体視」対応
なのだとか。
詳細は今年6月のE3で発表されるということで今のところ不明。任天堂なら
半端なものは出さないでしょう。期待が膨らみます。「3Dタッチペン」とか
ついてたりして...1年後には発売されるとのことなので楽しみに待つこ
とにしましょう。
※「おとゲー」2010/3/26号掲載

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