Mayaこと石居麻耶さんの個展「星の還る街」におじゃましてきました。
(4月13日〜4月26日 西武池袋本店 アートギャラリー)
昨年秋の個展「きらきら」で、驚きと感動を与えてくれた「おかえり」
と「おやすみ」の対になる2作。Mayaさんの住む町の夜景を描いたこの
2つの作品は、夜景なのに不思議な輝きを放ち、町自体が巨大な有機生
命体のように思えました。
そして今回の個展「星の還る街」のテーマが「夜の街」。それもこれま
でのMayaさんの作品になかった高い場所から見下ろす「俯瞰」の構図。
巨大な無機質なビルの群れが、「新しい蒼」プルシアンブルーに近いけど、
不思議に暖かい「蒼」の闇につつまれ、息づいて、言葉を発しているよう
に感じました。
指し色のように使われている黄色味ががかった光は、作品のタイトルに
あるように「Life Light(生命の光)」なのでしょうか?
会場の一角には、一昨年東京新聞に掲載されていた「東京少年少女」の
挿画の原画が5点。懐かしい友達にあったような気分でした。
濃いトルコブルー?のワンピースの Mayaさんに話を伺いました。
イトー:Mayaさんの個展のテーマを振り返ると日常の光景の中の光と影、
空、海、そして今回のテーマは夜です。
Maya :個展ごとに切れ目があるわけでなく、自分の中では自然に変わ
ってきた感じです。
イトー:俯瞰の構図の作品も初めてのような気がします。
Maya :ゲームとかであるじゃないですか?一度俯瞰で描いてみたかった
んです。
イトー:「神の視点」ですか?街が生きて呼吸しているようですね。
Maya :固定された空間は描きたくなくて、風が通っているようなそんな
街を描きたかったので。
イトー:取材は新宿で?
Maya :都庁の付近のビルにあがって1週間ぐらい写真をとりました。
1000枚ぐらいとっても使えるのは数えるほどしか...
イトー:...(あいかわらずスゲェー執念)
イトー:「東京少年少女」の絵は懐かしいです。
Maya :会場の一角があいたので春らしいものを並べてみました。
イトー:そういえば震災の時はどうでした?
Maya :ちょうどイラストを描いていて。絵は大丈夫だったんですけど棚か
ら砂糖と塩が落ちて一面に散ってしまってたいへんでした。
イトー:大事なくてよかったです。でも制作が佳境のころだったのでは?
Maya :急なイラストの依頼もかさなって一時は間に合わないかと思いまし
た。忙しいときにかぎってイラストの依頼が入るんですよ。
イトー:今後の予定は?
Maya :震災の影響もあってはっきりしていないのですが、海外のアート
フェアへ出品を予定しています。表紙絵、挿絵を描いた本も近々
に出ます。
ハードな制作を終えたばかりなのに「次のイメージ」はもうできている、
と話してくれたMayaさん。この後も休むことなく素晴らしい作品を生み出
してくれることでしょう。でもたまには息抜きしてくださいね。

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