Mayaこと石居麻耶さん のイラストレーション展「アスクレピオスの愛人」
におじゃましてきました。
(6月26日〜7月18日 六本木ヒルズ A/D Gallery )
「週刊新潮」で連載された林真理子の小説「アスクレピオスの愛人」の
挿画の原画展で、会場には掲載された挿画がズラリ。
「アスクレピオスの愛人」の挿画は、以前からMayaさんのサイトで
拝見していたのですが、A4サイズぐらいの原画を直にみて、その
「細密」さに目をみはりました。
小説の内容にそくして女性の顔のアップが目だちます。これまでの
Mayaさんのモチーフにはなかった絵ですが、そのデッサン力の確か
さ、精緻さはさすがです。
そして毎週毎週この「細密」をうみだしたMayaさんのパワーに脱帽
です。
個人的に気に入ったのが、コーヒーにミルクを入れている絵。
何気ないモチーフなのですが、コーヒーカップの文様の表現、
ミルクがコーヒーに溶け込んでいく様はその背後にある情念まで
感じられて身震いするほど。
Mayaさんの執念を感じさせる「細密」でした。
例のごとくMayaさんにお話を伺いました。
イトー:長期間の連載おつかれさまでした。この1年はたいへんだった?
Maya :毎週木曜日ごろに原稿をもらい、構想をねって土日はまるまる制作。
この仕事以外は月に一点(の制作が)できるかどうかぐらいでした。
イトー:今までのモチーフになかった女性のアップが多いですが?
Maya :時間がないのでモデルは使わず写真を使って制作しました。特に
苦労したということはありません。
イトー:原画は何点かがカラーであとは青基調ですね。
Maya :青は一色でも自分の中にある色々な表情がだせるので。
イトー:これだけの点描の作品を描くのは体力的にもタフだった?
Maya :何時間か描いてると手がしびれてきて(手を)ブラブラしてました。
イトー:コーヒーの絵の細密さに執念を感じました。
Maya :小説の内容にあるドロドロしたものを表現してみました。
イトー:この後も「スーパーリアル」を追及する?
Maya :外面的な「リアル」を追及するつもりはない。私に中のイメージを
「リアル」に表現したい。
イトー:この後の予定を教えてください
Maya :今回の挿画を大きくしたような作品の制作を進めていますが、制作
に時間がかかるので個展は来年の開催になると思います。
※おまけ 「Maya」と「ラジオ」
Mayaさんの家(アトリエ)にはテレビがなく、制作中はずっとラジオを
きいているそうです。毎日聞いているのですっかりラジオ通(特にNHK
ラジオ)なのだとか。お気に入りは「俳句」の時間だそうです...
※この他にも興味深いお話をいくつも伺ったのですが「諸事情」により
やむなく割愛...
Mayaさん、長時間おつきあいいただきありがとうございいます。
次の個展が楽しみですが、くれぐれもご自愛を!

0