□「グリーンブック」の「手紙」
映画好きのカミサンと、珍しく次女まで合流して、近所の
シネコンで「グリーンブック」を見てきました。
アカデミー作品賞の受賞直後だけあって館内は大入り満員。
まだ有色人種への差別が公然とあった1962年のアメリカを
舞台に黒人の天才ピアニスト、ドクターシャーリーとその
ドライバーになったイタリア系白人のトニーとの交流を
描くヒューマンストーリー。
主演の二人も脚本も実に見事でさすがにオスカー受賞作。
個人的に印象に残ったのが南部でのコンサートツアーに
同行することになった無学で筆不精のトニーがニューヨー
クに残した愛しの奥さんにせっせと書き送った手紙のエピ
ソード。しかも教養溢れるドクターシャーリーが絶妙な
添削をしてくれて、それを読んだ奥さんが目をウルウル
するシーンがなんとも微笑ましい。
□「テキサス」の思い出
もう一つ印象に残ったのがコンサートツアーがクリスマス前
の8週間の長丁場で、ドクターシャーりーがわざわざ奥さん
に電話して「ご主人と8週間離れることになるけどかまわな
いか?」と訊ねるシーン。
それで思い出したので20年前、当時勤めていたIT企業のテキ
サス本社に単身で9週間出張したときのこと。アメリカ人の
同僚にクリスマス直前まで9週間いると話すと「9週間ぶっつ
づけなのか?」と心底驚かれました。アメリカ人にとって
家族と離れていることは想像以上の大事なのでしょう。
当時はスマホはおろか、メールを送る手段もなく、トニー
なみの筆不精だった私は、小銭を大量に用意し、宿舎の公衆
電話から家に連絡していました。当時2歳だった長女のアカ
ネも電話に出てくれたもののあまり相手にしてくれず、寂し
かったりして。。。今となれば懐かしい思い出ですが。
※「おとゲー」2019/3/3号掲載

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