□「香川」の「ゲームは一時間」
未成年者のインターネットやゲームへの依存を防ごうと、
香川県議会が、18歳未満の使用制限に踏み込んだ全国初
となる対策条例の制定を17日開会の2月定例会で目指し
ている。(中略)条例案は、依存防止に向けた県や学校、
保護者の責務を規定。家庭内での使用ルールの「基準」
として1)18歳未満のコンピューターゲームの使用は
1日60分(休日は90分)まで2)中学生以下は午後9時、
高校生などは同10時以降のスマートフォン使用を控える
――の2点を明示し、子供が守るよう保護者に求める。
(毎日新聞 2/15 *機種依存文字は変更)
長い引用で恐縮ですが、香川県の「ゲーム条例」について
知っていただきたいと思い記載しました。この条例が成立
すれば、香川県の18歳未満の「子ども」は1日60分を越え
てゲームをすると「条例違反」になります。
□「条例」に対する「個人的」コメント
条例素案を見ると、「保護者の責務」として「子どもを
ネットゲーム依存症から守る第一義的責務を有することを
自覚しなければならない」とあります。
笑うしかありません。なんでこんな「責務」を県に押し
つけられなくてはならないのでしょうか? ネットゲーム
に限らず「子どを守る」のはすべて親の責任です。まった
く余計なお世話の一言です。
もう一つ、なんで毎度「ゲーム」なのでしょう? 依存性
の高いものは世の中にいくらでもあります。さらに「大人
より理性のをつかさどる脳の働きが弱い子ども」という
表現の乱暴さがひどい。子どもだろうが、大人だろうが
「理性をつかさどる脳の働きが弱い」方はいらっしゃる。
傲慢以外の何者でもありません。
□「神奈川」の「イトー家」の場合
香川県にはゲームと家族を愛するお父さん、お母さんは
いないのでしょうか? 1999年の創刊以来「ゲームのある
家庭生活」を提唱してきた「おとゲー」として悲しい限り
です。
「神奈川」の「イトー家」では、本誌で何度も書いてきた
ように娘たちが幼かったころからいっしょにゲームを楽し
んできました。それは私にとっても、娘たちにとっても
かけがえのない時間でした。ゲームも一つの糧として二人
とも立派に成長できたと思っています。
ゲームはすべて素晴らしいなどと礼賛するつもりは毛頭あ
りません。他のすべての娯楽と同様、ゲームにもピンから
キリまでありますし、ゲーム依存があるのも事実でしょう。
ただ優れたゲームがもたらす素晴らしい経験を、1日60分
などと機械的に制限するのは、繰り返しになりますが傲慢
以外の何者でもありません。
※「おとゲー」2020/2/16号掲載

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