■チョコボファームの月
何時だろう? ここはどこだったっけ?
月の光がまぶしいぐらいに輝いている...
ティファは目を覚ました。PHSを手に取る。午前2時か..
昨日、チョコボ・ファームにたどりついたティファたち
は、頼み込んで納屋に寝かせてもらったのだった。
クラウドとパレットはチョコボの飼育小屋で寝ている。
ティファは夜空をみあげた。あの晩のニブルヘイムの月
もこんなに明るかった、そうもう7年も前の話だ。
■幼馴染
クラウドとティファは幼馴染だった。ニブルヘイムという
田舎町が彼らの故郷だった。
自分で言うのもなんだけど...ティファはちょっと目立
つ女の子だった。なにせ、美少女で頭も良いお嬢様!
彼女はみなの憧れのまとだった。ピアノと歌が好きだった
ティファは大きくなったらニブルヘイムを出て、シンガー
になりたいと思っていた。そう大スターにだってなれる、
そう思っていた。
それに比べるとクラウドはパッとしない少年だった。
それでも一生懸命にティファの気をひこうと斬新な
ツンツン頭をしていたっけ(今も変わらないけど)。
■ニブルへイムの惨劇
だからクラウドが村の給水塔にティファを呼び出したとき
はびっくりした。
「俺、ソルジャーになりたいんだ。セフィロスみたいな
最高のソルジャーに。」
月が輝く夜だった。そしてクラウドはオオマジだった。
翌朝、彼は村を出て神羅カンパニーの本部がある大都市、
ミッドガルに旅立っていった。
5年前、そのセフィロスがニブルヘイムにやって来ると
きいたときはちょっとワクワクした。村の北のニブル山
に建設された魔晄炉に行くというので彼女は喜んでガイ
ドをかってでた。
しかし...その先は待っていたのは地獄だった。
数日後、神羅屋敷から現れたセフィロスは怪物だった。
村を焼き払い、多くの人々が、ティファの両親も...
殺された。
■アバランチ
その後のことは良く覚えていない。記憶が断片化している。
ティファが助かったのも奇跡のようなものだった。
生き延びて、強くなって神羅とセフィロスに復讐する、
それが彼女の生きるすべてになった。
ティファは村を出てミッドガルに向かった。そして
反神羅組織「アバランチ」に加わった。アバランチの
リーダー、バレットはヒゲづらの巨漢だったが、
ティファの強い意志を知ると仲間に迎えてくれた。
そんなある日、7番街のスラムで、彼女はツンツン頭の、
何にも「興味ないね」という顔の青年を見かけた。
5年ぶりに会うクラウドだった。
(「ティファの物語」は続く)
※「おとゲー」2005/11/11号掲載(一部改変)

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