□ 実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」の「美貌」
ネットが高度に発達した近未来を描いた士郎正宗の「攻殻機動隊」
を押井守監督が長編アニメ化した「GHOST IN THE SHELL / 攻殻
機動隊」とその派生作品が世界的に有名なのはご存知の通り。
そんな「ゴースト・イン・ザ・シェル」をルパート・サンダース
監督が実写化するときいた時、完璧なアニメを超える作品ができ
るとはとても思えず?がいくつもつきました。
実際見てみた感想「たしかに原作やアニメを超えたとは思わない
けど、これは十分ありだな。」サンダース監督の原作に対する
リスペクトを感じたし、草薙素子を演じたスカーレット・ヨハン
ソンの「美貌」は、非人間的、アニメ的でした。CG合成したと
言われても信じてしまいそうな美貌の前にはアニメも実写もない
のかもしれませんね。
□ 実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」の「美声」
実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」には「美貌」以外に是非
見たいと思った動機が。それは吹き替え版の声優がオリジナルと
同じと知ったから。
「攻殻機動隊」シリーズのファンにとっておなじみの大塚明夫や
山寺宏一たちの声を吹き替え版で聴いていると、アニメ版と識別
不能。思わず嬉しくなりました。
特に草薙素子=田中敦子の「美声」にはただ聞きほれるしかあり
ません。初登場から20年以上の歳月が流れても、ハスキーで
凛々しい、深みのあるその声は少しも変わらない。この声を聴け
るだけで、実写版を見にいく価値がありますね。
□ 押井版「GHOST IN THE SHELL」の「先見性」
実写版を見た後、押井守監督の「GHOST IN THE SHELL」を久々に
見返してみました。そして20年以上前のこの作品の圧倒的なクオ
リティとその「先見性」に圧倒されました。
作品が公開された1995年にはまだ携帯もインターネットもほとん
ど無いに等しかったのに、デジタル化し、ネットにのみこまれて
いく世界を、サイバー犯罪や移民問題を抱える未来を確実に予見
していました。
そしてこの先、そう遠くない「近未来」は「GHOST IN THE SHELL」
の世界にさらに近づいていくでしょう。電脳や義体が現実のもの
になったとき私たちの「ゴースト」はどうっていくのか?
興味はつきませんね。
※「おとゲー」2017/4/16号掲載

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