□アニメ「シュタインズ・ゲート」の「神的」
2011年にTV放映されたアニメ「シュタインズ・ゲート」。秋葉原を舞台に
「狂気のマッドサイエンティスト」岡部倫太郎と仲間の「ラボメン」たち
がタイムパラドックスの悲劇に立ち向かうこの物語。Xboxのゲームが評判
だったのは知っていましたが、正直、見始めたころは溢れかえる謎と岡部
の独善的なセリフにちょっと引き気味でした。
それが、謎の輪郭が見え始める中盤からその圧倒的なシナリオ展開と
「未来ガジェット研究所」に集うキャラ立ちまくりの「ラボメン」たちの
「磁力」に完全に吸着されてしまいました。主人公の幼馴染、椎名まゆり
の挨拶「トゥットゥルー」に毎回癒されてたなぁ...
特に未来を変えるべく1975年に旅立った阿万音鈴羽からの手紙、
「失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した失敗した...」
の衝撃はまさに「神的」でした。
□劇場版「シュタゲ」の「贈り物」
そんな「シュタゲ」の後日談「劇場版シュタインズ・ゲート 負荷領域の
デジャヴ」が今週公開され次女のマリンとさっそく見に行ってきました。
上映館が限定されているせいか、館内は超満員で劇場版の制作発表からず
っとこの日を待ちわびてきたようなファンがぎっちり。予告編の間も一種
異様な静けさと緊張感が漂っていて、ファンの期待がスクリーンに突き刺
さるかのようでした。
そういう私もオープニングシーン(一見なんの変哲もない飛行機の描写)
からいきなり涙腺がゆるみっぱなし。ヒロイン、牧瀬紅莉栖のツンデレぶ
り、「天才ハカー」ダルのオタクな言動に笑いながらも、恥ずかしながら
何度もハンカチのお世話になってしまいました。
完結した物語の後日談なのでたしかにこじつけ的なところはありました。
でもそれはファンへの素晴らしい「贈り物」でした。
□「シュタゲ声優」の「神芸」
アニメの本編が岡部視点のストーリーだったのに対して劇場版の語り手は
ヒロインの紅莉栖。岡部の苦闘でようやくたどりついた「世界線」(平行
世界)で悩み、敢然と苦難に立ち向かう紅莉栖の姿。紅莉栖を演じる声優、
今井麻美のときに過剰とも思える熱演はお見事でした。
そしてその今井麻美が「まゆしぃこそヒロイン」という椎名まゆりに生命
を吹き込む花澤香菜。「化物語」の千石撫子、「デッドマン・ワンダーラ
ンド」のシロ、「ペルソナ4 ザ・ゴールデン」のマリーなど印象に残る
作品が多いですが「シュタゲ」の「まゆしぃ」こそはまり役中のはまり役。
「まゆしぃは○○なのです」のたった一言で、まゆりの暖かさ、柔らかさ
を伝えてくれるまさに「神芸」。
もちろん「天才ハカー」ダルの関智一さんや「バイト戦士」鈴羽を演じる
田村ゆかりさんのうまさは言うまでもありません。
劇場版「シュタゲ」をみて改めて声優という職業の素晴らしさ、その芸の
力に圧倒されました。
それでは皆さんご一緒に、「トゥットゥルー」。
※「おとゲー」2013/4/21号掲載
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