今日、用事で出掛け地下鉄で帰ってきた時
長い通路を歩いて地上に出ようとしたら
上から階段を降りてきた男から呼び止められた。
「久しぶり」
「ホント! 久しぶりだな! 何処に行くの?」
「友達から電話があってその男と呑むことになって
今から出掛けるところなんだよ」
「そうなんだ! 気をつけてな」
そう言って別れようとすると知り合いは「今から
合う男はアンタも知ってる人だよ」と言われた。
「へ〜そうなんだ! 名前は何ていう人なの?」
と聞くと「木下だよ」と言うが僕の知ってる木下は
この男とは接点はないはずである。
「ずいぶん前にアンタと呑む時いつも俺について来てた
男がいたけど覚えてない?」と言われたが僕は全く覚えてない。
「悪い! 全く覚えてない! どんな感じの人なの?」と聞くと
何を思ったのか、「ちょっと待ってね」と言いポケットから
ペンを取り出し紙切れに何かを書いていた。
僕は似顔絵でも書くのかな? と思い待っていると「はいこんな
感じの人」と言い紙切れを渡された。
僕は紙切れを見てみた、
そこには「木下」とだけ書かれていた。
「コラ!! 俺をバカにしてるのか!!
俺は漢字を聞いたんじゃない!! どんな感じの人か聞いたんだよ」
まったくバカにしやがって!!

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