先々週、土曜日。名古屋モッズメイデイにムッシュかまやつwithザ・トランプで出演する為、東京駅から名古屋へ向かう。
車中での駅弁、迷った挙句、仙台牛弁当。新幹線走り出し、まだ東京都のうちに完食してしまったけれど。美味かった。
車窓から見える新緑に放心しながら音楽を聴く贅沢な時間はあっという間で、名古屋着。二駅ほど地下鉄に乗って、ホテルにチェックイン。一旦会場入りしたら進行上、本番前に戻れないなぁ、と思ったのでシャワーを浴びて髭を剃った。
地下鉄で隣の駅へ行き、会場入り。久々に会う共演者の方々としばし歓談。かまやつさんとは1月に演ったばかりだから今回はリハをやらないだろうとばかり思い込んでいたが、わざわざ来てくだすったのでリハーサルで曲構成やキー等を確認。今回は名古屋のシンガーSTさんやDさんにも1曲ずつゲストで歌って頂くので、音を合わせた。
リハーサル後、スタジオを借りて練習。
20時過ぎ、イベントスタート。久々に会う共演者や旧知のお客さん、FBでしか話したことがなかった方々など、いろいろお話。
ステージではSTさんのグループ、ブラック・ナグ。STさんはザ・ヘヤ時代から憧れのシンガーである。今でもあの時観たハード・トゥ・ハンドルの格好良さを思い出せば、即失禁である。ブラック・ナグは昭和40年代のディスコティークに意識を置いたR&B、ズー・ニー・ヴーやハウスロッカーズと対バンしてそうな黄色くて黒いグルーヴ。俄然、盛り上がる。
MGさんのサイケVは今回、フレンチモッドに大変身。ベースのJさんは何とザ・トランプのベース、Sちゃんと同じ国産ヴィンテージベース。こんなイベント、かなり珍しい。キュートなガールズボーカルに日仏混合ディスコティーク的なグルーヴがよくマッチしてイカしていた。
我々の出番が近付く。直前に楽屋に戻って来たかまやつさんは、ワイン片手にご機嫌である。「ノリノリで行きましょうヨ」と仰った。
前半はザ・トランプのみでS嬢の歌。オリジナルもやった。S嬢はポリー・マグーのようなエキセントリックなアイラインに、ジ・アザー提供のモンドリアンなワンピースがキマっていた。
5曲ほどやって、かまやつさん登場。モッズメイデイは、60'sのイギリスのカルチャーに影響を受けた人々のお祭りのようなモノだが、かまやつさんはザ・スパイダースでその時代のイギリスに行ってレディ・ステディ・ゴーにアニマルズやSDGと一緒に出演しているワケだから伝説なんてものじゃない。その少し前に出したアルバムはブリティッシュビートにリアルタイムで影響を受けたお洒落なトーキョー・サウンドである。国産モッズと言っても過言では無い。かまやつさんやスパイダース、ひいては日本のGSに、海外の同時代のバンドと同じ価値観を見出す我々がかまやつさんとやる重要なレパートリーの一つに「ブーン・ブーン」がある。ジョン・リー・フッカーからアニマルズ、アニマルズからスパイダースへ渡った曲だ。一番が終わり、オレがソロを弾き終わろうとする時、かまやつさんはもう一回し弾いてくれ、とジェスチャーをし、ご自分はギターをアンプに立てかけると軽やかなステップを踏み始めた!スパイダースのフロント3人(マチャアキ、順、ムッシュ)は当時、この曲の間奏時、お揃いのステップを踏んでいた。もう随分こういうダンスとかステップとかはやっていなかった、と思うのだが…かまやつさんの出番前のノリノリで行きましょう、は伊達じゃなかったのである!お客さんより壇上の我々が吃驚していたと思う。ステージは進み、地元の雄、STさん、Dさんとの共演もバッチリで、お客さんも我々も大熱狂のうちにステージを終えた。
朝まで馬鹿騒ぎして、少し寝て、次の日は大須をブラブラして、夜に東京に戻った。
こうやって旅をして旅先で演奏して、幸せ者だなぁ、と痛感するのである。おわり。


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