
さて、大阪のライヴから帰って来て、しばらく日記を怠けてしまった。最近は、ずっと探していてやっと見つかったフランクシナトラの評伝(というか暴露本)に夢中になっていて、8時間エクセルをやった眼精疲労などどこ吹く風で休憩中等に目を皿のようにして読み耽っている。日本では一般的に「マイウェイ」を歌う渋い親父、ぐらいの認識の彼だが、MGMミュージカル映画で初期シナトラを観て以来、この世のものとは思えない歌声に夢中である。甘い声とは裏腹に、エキセントリック過ぎる人生の彼を追った本であるからたまらない。表現者としての偉業を成し遂げる際に出る邪悪なエネルギーは、膨大な電力を得る際のプルトニウムを遥かに凌ぐ。はっきり言って人間的には無茶苦茶だったのである。宇宙から来たジミヘンドリックスでさえ可愛く思えるほどだ。彼と同等の才能と「無茶苦茶さ」を兼ね備えたジュディガーランドにも相変わらず心を奪われっぱなしである。昨日放映の「談志陳平の言いたい放題(東京MXテレビ)」では、MGMミュージカル映画マニアの談志師匠がザッツエンターテイメントを紹介していた。それで、今日の夜に、K嬢と「ザッツエンターテイメント1」を再び観てみた。舞台で行われるミュージカルに対して苦手意識を持っている人も、1930〜50年代のミュージカル「映画」を観れば、後者の素晴らしさは受け入れられる人が多いはず。それらはそれぞれ別のものであり、「作りこまれた美」を愛する者だったら気絶してしまうほどの魅力を持っている。先々週の談志の番組で、彼が「F・アステアと同時代に生きられたことを誇りに思う」と、何の照れも無く、涙ぐみながら言ったのだが、オレは厳密には間に合わなかったにせよ、MGMミュージカル映画に出会えたことを心底誇りに思っているし、幸運だと思う。おっと、熱くなり過ぎた。昨日は、仕事で青山学院に行った。6年くらい前に、バンドのメンバーが通っていた縁で、学園祭の「教室」ステージで演奏して以来である。クリスチャン系で難関校として知られる青学だが、そんなイメージとは裏腹に新興宗教のグルにしか見えない格好だった、そのメンバー。元気にしてるかなぁ。無闇に楽しそうな学生を見て、びっくりした自分が少し歳をとったのだなぁと実感。今日は休みで、本業であるはずの音楽を作ろうともがいたりした。ジュディやシナトラが降りてきて手伝ってくれないかなぁ、と酔った頭で考えている。おわり。

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