土曜。仕事。帰宅して食事。髪を立てたい、とか、歌舞伎あるいは聖飢魔2のようなメイクをしてみたい、という願望がある。ファッションとかコスプレに結び付くような考えではない。コントの扮装に近いかもしれないが、ただ一時、あぁなってみたい、くらいの曖昧な願望である。K嬢が革新的新製法だという、髪を固めるスプレーを買ってきてくれた。オレの頭頂部あたりの毛をひっ掴み、スプレーし、ブローしてもらったら、驚異的な確かさとしなやかさでもって、見事に髪が立った。鬼太郎の妖怪アンテナの如く。手で無理矢理倒しても、元気よくバィンっ!と跳ね返って元のようにおっ立つ。ヘアスプレーの歴史には暗いけれど、確かに凄いスプレーだと思った。バクチクとか豊丸くらいの髪型は朝飯前であろう。そんな髪型で朝の食卓を囲んだら、格好良いかもしれない。昨日。日曜、休み。調べモノをしたりしてユックリ過ごす。夜になり、妖精ちゃん達から招聘の呪文がかかり、寝巻に裸足のまま、ゾンビの歩き方で新宿へ。ドイツの、挽肉を丸めて焼いた、ハンブル
グという食物を食す。ハンバーグだ、つまり。ビール等も、飲む。沢田研二の話で盛り上がる。もちろん三人とも、顎を引いて二重顎をつくるみたいにして首をかしげながら、詰まった声でトーク。思わずテーブルに飛び乗り、感極まって「時の過ぎ行くままに」を熱唱したら、厨房からミートローフみたいな料理長がゾーリンゲン片手に血相変えて怒鳴り込んできたので、退散。場所をキャッフェーに移して、エスプレッソ等を飲む。ロイヤル・トーク。ユニットって何よ、っていう疑問に明快な答えが出たので、解散。帰宅して、「ロシュフォールの恋人たち」を観る。往年のMGMミュージカル映画の10年ほど後、しかもフランス産ということで随分雰囲気が違うが、まず、ラブコメとして秀逸。出会うべき登場人物が、ギリギリの所ですれ違ったりして、しかもそれが複数進行し、ヤキモキする。色使いが綺麗。映っているものすべてが、ポップになっている。さすが仏人。60年代中後半のため、GS映画のような、いい意味での軽薄さがある。ミシェルルグランの音楽
がバッキバキで格好良い。女の子や衣裳が可愛い。そんなフランス人の面白さ爆発の中でジーン・ケリーが登場すると、やはり安心する。かなりの齢だったはずだが、さすが超人。時代柄か、タップはあまりやらない。総じて、純粋に観ていて楽しかった。フランス男達の歯の浮くような台詞や、助平な感じも良い。引っ繰り返っちゃうような事を平気で口にするのだろうか、フランス男は。今日。仕事。昨日夜からMACノート、やや値上がり。限定特価の店の在庫が土日で捌けただけ、と思いたい。落ち着け。いま休憩。おわり。


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