昨日、仕事後、K嬢と待ち合わせて、映画「THIS IS IT」を観に行った。公開当初は混んでるのがイヤで避けていて、DVDは画面小さいし、とグズグズしていて、見逃していたのだが、マイケルの一周忌でレイトショーをやっていて、しかも最終日にやっとこさ観られた、という訳である。観た印象としては、素のマイケルを初めて目撃した、という感じ。今までテレビ等で観た、「これがマイケルのプライベートです」みたいなのは、やはりああいうセレヴな人だから何やらお伽噺のような印象、しかし、リハーサルに打ち込むマイケルの姿は、程度こそ違えど、ステージを踏んだことのある人なら心当たりのあるような感じであった。モニターを気にしたり、ダンサーや踊りの監督とステップの詰めをやったり、バンドに細かく指示を出したり。普段着で髭さえ剃っていないマイケルは、自宅の遊園地で遊んだり、家電屋を貸し切ったりする彼より、余程、身近であった。完璧な「ボイスパーカッション(ドラムンベース)」でシンセベースに指示を出す姿は、謎とされている
、彼の作曲方法を露呈するものだと思った。「ヘヴィメタル風ギターのアレンジを、完璧に口ずさんで伝えた」「曲中のヴォイスパーカッションをマスターから抜き出して聴いたらリズムマシンより正確だった」等、証言はいくつかあったのだが、実際に観て、なるほどと思った。楽器を弾かなくても、楽譜を書かなくても、楽典を識らなくても、キチンと身体で音楽を身に付けていたら、素晴らしいものはできるのである。マイケル程の才能があれば、であるが。しかし学ぶ点は非常に多かった。この映画の煽り映像は、意図的なのかそうでないのか、マイケルが昔より衰えた印象を受けていたのだが、実際、本編を観ると、彼がまだまだやれたというのを感じた。50歳の男性ができるパフォーマンスではない。蓄積されたいろいろで、健康の問題はあったかもしれないが、歌も踊りも、クオリティが高かった。本番を前にして亡くなったのは、さぞかし無念だったと思う。リハーサル映像という形ではあるけれども、彼の志の高さが充分に伝わった、という点では良かったのかもしれない
。とにかく、観てよかった。もつ鍋屋で反省会して帰宅。今日、仕事、いま休憩。おわり。


0