つづき。
下町を後にして、池袋にてK嬢と待ち合わせ、ブラつく。会議の結果、新しくできた京風おでんの店に落ち着いた。関東やその他に比べて薄めの、でもしっかりとした素晴らしいお出汁で、赤いコンニャクやら、九条ネギの巾着やら、珍しいものをいただいた。ビールがすすむ。デザートまでいただき、映画館へ移動。「アーティスト」を観た。敬愛する1920〜30年代のハリウッド映画の世界、サイレントからトーキーの移り変わりに乗り遅れたスター男優と、トーキーの新星女優とのメロドラマ。当時の映画がほとんどメロドラマだから、倣ってメロドラマを作っていた。潔いし、愛に溢れている。細部ディテールも素晴らしいと思った。好きなものをそのディテールでやってしまう、みたいなのは好きである。変に現代的なモノを混ぜよう、とかをやってないのが、良かった。そういうやり方を否定はしないが、現代的なモノとのミクスチャーは、やりゃあいい、ってもんではない。あと、余計な思想を織り込まないあたりまで、こだわっていたのかもしれない。これは重要だと思う。娯楽として。いわゆる映画好きな人達がどう思うかはわからないけれど、50年代前半までのMGMミュージカル映画の煌めきが大好きなオレは、感動しました。おわり。


0