最近、嬉しい再会があった。
再会した人はKさん、山口でもっとも有名な登山ガイドだ。
僕がKさんに始めて会ったのは高校時代。バイトで貯めた10万円を握り締め、自転車旅行に必要なテントと寝袋を購入する為、某アウトドアショップを訪ねたときだ。
Kさんは当時そのショップに勤務されていた。
当時ビシッとスポーツ刈りで決められていたKさんは、右も左も分からない当時の若造(僕)に実に丁寧に分かり易く寝袋やテントの使用方法を教えてくれた。
旅に対する高揚感からか今でもその光景は思い出せる。そのとき話して頂いた海外の登山の話や冬山の話も僕の中では強烈な印象で、Kさんは僕の心の中では勝手にヒーローとなっていた。僕はその夜、冒険家気取りで近くの公園にキャンプをはったものだ。
その後、僕も山口を離れ、時折り帰省した際にラジオから流れるKさんの声を聞いて懐かしく思っていた。数年前そのショップも業界から撤退した。
先日、カナダに行くという知人にそんな思い出があるのだと話したら、なんとKさんの親しい方で後日Kさんを店まで連れてきて頂いた。
Kさんは当時と全然変わりなく、もちろん僕の事など覚えてくれているわけもなく、でも僕は当時のヒーローに会えた想いで当時の旅の話を必死に話した。
Kさんは今でも某旅行会社の登山ガイドとして大活躍しているようで、忙しい毎日を過されているという。
あれからもう17年の月日が過ぎた。そして僕も同じガイドという道を歩んでいる。
不思議なもので知らず知らずのうちに仕事の疑問や悩みなども打ち明けていた。
「自分の個性を生かすのが一番いいよ。」
Kさんはそう言った。昔のままに飾ることなく、自分の実体験をそのままに僕に話してくれた。
Kさんは僕のヒーローから大先輩になっていた。
高校時代に教えて頂いた寝袋とテントの話、僕はその同じ話を今子供達に繰り返し話している。
大切なのはつながること、そしてつなげていくことだとKさんとの再会を通して再確認した今日でした。
これからもよろしくおねがいします。

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