徳山湾を抜けて大津島の沖合いにある野島。区分は防府市ですが周南市からもとても身近な島です。大津島を経由すれば約4kmの島渡りで野島に渡れます。
人口は約170人。自然海岸と瀬が島を取り巻く周防灘に浮かぶ島。
すくも島を出発して約2時間もあれば野島に漕ぎつけます。
驚いたことに集落の外れには無料のキャンプ場があり、それがまた必要最低限の施設のみで、とても心地よい。まるでシーカヤッカーのためのビーチ&キャンプサイトともいえる場所です。
この盛夏にもかかわらず、滞在しているのは我々のみで独占状態。
瀬戸内最大のコンビナート地帯でもある徳山があるとはいえ、ここまで沖に来ると豊後水道からの綺麗な水が島を取り囲んでいます。
目の前のだれもいない海水浴場に入ると足の立つところでもサザエがごろごろと転がっていました。まるで話には聞く20年前の瀬戸内の風景のよう。。。
瀬戸内の水産資源の減少の原因はいろいろあるでしょうが、やはり一番は乱獲ということが良く分かります。こういった一般の人があまり来ない場所ではこれだけの海が残っている。
夏になるとどこでも一般の観光客や海水浴客がなんでもかんでも根こそぎ獲っていく姿を僕もよく目にします。大勢の人が押し寄せれば、漁場は一たまりもないでしょう。
野島の周辺にはたくさんの潜りの漁師さんもいました。だけどもこの海が保たれている。
大事なのは我々遊びに行く人間のモラルではないでしょうか?温暖化だの異常気象だという前にまずできることがあることを考えさせられました。
夜は波音を聞きながら静かに酒を飲みました。本当に贅沢な時間です。
夜3時くらいからにわかに風が吹きはじめました。
早朝から起きて天気予報をチェック。離島のキャンプはやはり2日間の好天気が必須です。波が上がらないうちに島を後にします。
台風が近づいているようで100mハッチくらいのうねりが風とは別に押し寄せています。昔は豊後水道から入ってくるうねりで台風の接近を予知していたといいます。
なんとか漕ぎきり大津島に渡り人間魚雷回天の発射基地跡を見学して出発地のすくも島に戻りました。
また一つ身近に宝の島を発見したような、とても嬉しいキャンプツアーでした。
瀬戸内はまだ生きている。

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