年末からインドネシアに来ています。22才から25才までスラウェシのトギアン諸島で暮らしていましたが実に20年ぶりのインドネシアです。
言葉もようやく思い出し不自由もあまりなくなりました。
今回のインドネシア来訪はノスタルジーに浸る訳でもなく目的は木造船の調査です。世界に誇るブギス人の航海船のピニシスクーナーや世界最速と言われるマンダール人のカヌー、サンデックなど素晴らしい船の数々を目の当たりにすることができました。
かつての日本列島と同じくスラウェシ島のいたるところに船大工が存在し、いまなお腕を競っています。夢のような光景が広がっていました。
インドネシアはいわゆる発展途上国といわれています。確かに貧困を極める人々も各地におり、資本主義経済の流れで人々の心の荒廃を感じる事も多々あります。しかしその中でも人々は伝統の光を持ち続け、生きる希望としていることも確かです。
日本は優れた国だと誰もがここでは言います。でも日本では木造船の一つさえもう出来ないのだよと言うと、彼らの顔はパアッっと明るくなります。
海にはゴミが溢れ、人々はスマホを握り、おそらく日本が辿った道をインドネシアも辿るのかもしれません。
人の性といってしまったらそこまでかも知れませんが、なにかできることはないかと模索する日々です。
16日に帰国します。


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