三万年前の航海徹底再現プロジェクトの本番が近づいてきた。本番で使用する船は石器のみで伐採製作した丸木舟で行うことが決まった。昨年から館山で何度も実験を繰り返し納得いくものにようやく仕上がった。
あとは我々漕ぎ手メンバーがいかに旧石器人のレベルまでポテンシャルを引き上げられるかが成功の鍵となる。
予測では少なくとも夜を徹して30時間以上の航海となることは確実だろう。台湾の出発地から与那国島まで200km。若い頃にはシーカヤックでの経験はある。しかし今回は丸木舟。世界初、いや旧石器時代ぶりの挑戦か、、、。なにか起こるのか分からないが自身の不安要素はできる限り取り除いて本番に挑む。シングルパドルで長時間のパドリングを繰り返す。夜は星の運行を漕ぎながら頭に叩き込む。北極星が出れば簡単だが夏の星、東に出るのはアルタイル、西に沈むのはアークトゥルス。動く星と様々な星座を正確に捉え方向を見失なわないように、、、。大変な実験だ。しかしこの世紀の試みに参加できる喜びも噛みしめている

夜明けの平生室津半島

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