コロナ渦で身動きのとれない状況が続いていましたが、久々に富山県氷見市の番匠造船を訪ねてきました。
ここでは和船の造船技術の継承のために試みが始まっています。江戸時代の技術を後世に残す事に生涯をささげる五島列島の医師・宮崎昭行氏のサポートの元、28歳の若者が和船作りの修行に入っています。宮崎氏に船大工・番匠光昭氏のことを紹介したこともあり進捗状況を見る良い機会となりました。
修行に入っているのは須藤聖一氏。28歳という若さながらこれまで京都で鋸の目立て職人として生きてきただけあり、すでに番匠棟梁の片腕として立派に仕事をこなしているようでした。2隻目の製作も進み出来上がりも間近ということろ。
氷見型の和船は瀬戸内とも型の違う頑丈なつくり。やはりその海に応じた造船が各地で進化しているのだと感じます。番匠棟梁曰く「一番進んでいるのは瀬戸内海だ」ということですが、、、。
丸木舟製作を進めている縄文大工・雨宮国弘氏も氷見にやってきて日本列島に連綿と続く船談義をするのは楽しい日々でした。
せっかくここまで来たということで宮崎氏とともに愛知知多歴史民俗資料館の「藤井丸」との久々の対面。ずっと行ってみたかった鳥羽の海の博物館にも足を運びました。
和船をつくることは素晴らしい技術。かつては作り手と乗り手は一緒だったはず。自分自身も作り手となることも大事なことと感じています。私もぜひ機会あれば小さな舟からでも作り始めたいと思いはじめた今回の旅でした。

知多歴史民俗資料館 愛知型打瀬船「藤井丸」

鳥羽・海の博物館の和船収蔵庫

番匠造船で師匠と弟子の造船作業が続く

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