阪急電鉄が阪神電鉄の株式をTOBで取得することを表明し、阪神側も了承した。実現すれば電鉄企業同士の大型経営統合となる。46%もの阪神株を買い占めた村上ファンドを対象にしている事は明らかである。村上ファンドが応じるかどうかは定かではないが、元々転売によって儲けるのが狙いだから、価格次第で応じるのは間違いない。他にも外資系ファンドがTOBに参画するかも知れないが基本的には阪急HDと村上ファンドの交渉である。
村上ファンドは阪神の経営に参画する意図を示し、阪神タイガースの上場を提案したりしているが、何れ高値で売り逃げする下心は見え見えである。官僚出身の若造に数千億円もの資金があるはずが無いから、背後に外資系禿げ鷹ファンドの姿が見え隠れしている。
村上氏は外資の手先となって企業買収を仕掛ける金の亡者だから堀江氏に毛の生えたようなものである。僅か数十人の若者集団が伝統ある電鉄企業を存続の危機に追い込むことは社会正義に反する事で到底許されることではない。電鉄業は安全第一の公益性を有する業界だから資本の論理ばかり振り回されては困る。阪神株の取得でも規制ぎりぎりの三分の一は市場外の相対取引で買い、残りは市場で買い増した。大量取得の情報公開でも例外規定を活用してぎりぎり迄遅らせた。堀江氏得意の違法すれすれ手法である。
村上氏も堀江氏も会社は株主のものというのが信念らしいが間違っている。資本主義の権化アメリカでも会社はステークホルダー即ち利害関係者のものだという思想に変わりつつある。会社は先ず従業員のものであり、次に取引先のものであり、顧客、社会と来て最後に株主のものと認識すべきである。
ライブドアや村上ファンド問題を他山の石として、会社法や金融商品取引法が国会で審議中である。後手後手に回った嫌いはあるが、一つ一つ抜け穴を塞いでいく他に無い。
検察庁も村上ファンドを第二のターゲットとして捜査に乗り出してもらいたい。きっと叩けば埃が出る筈である。経営理念や企業姿勢に疑問のある会社に碌なところは無いし決して長続きしない。村上ファンドもいずれ凋落するだろう。
私は子供の頃から熱狂的な阪神タイガースのファンであるが、阪急タイガースになる事だけは願い下げである。阪急経営陣もこの事だけは配慮すると信じている。

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