前回書き忘れたことがある。それはエリート教育の重要性である。IIT大学はインド中から英才を集め合格倍率は60倍と言うから東大の比ではない。インドでは英語は準公用語だから語学習得の必要は無く、数学、物理、化学を徹底して叩き込む。詰め込み教育ではなく、自分で考えさせて解に導く教え方で、これも日本の対極をなす。
11億人の中の僅か数千人のエリートが選ばれ、貧乏でも国が全て面倒を見るから、全国の秀才が押し寄せて競い合う。卒業生が欧米の先端企業で重鎮となって活躍し、それが牽引力となって世界企業がインドに次々とソフトの発注をしてインド経済を潤している。又その連中がインドにUターンしてIT産業を起業するので良循環となる。詰まり僅か0.5%程度のエリートのお陰で11億人の国民が大きな恩恵を受けている事になる。こんな効率の良い話は無い。エリート教育こそ国を繁栄させる最高の手段である。
一方日本の最高峰東大に受かる為には、義務教育時代から親は進学塾に通わせて受験知識を詰め込むために大金を投じるので、金持ちの子弟しか中々受からないと言う。然も受験知識は大人になると直ぐ忘れる程度のもので、何の教養習得にも繋がらない。だからこそ東大卒のエリート官僚は、ノーパンしゃぶしゃぶの接待漬け役人になったり、天下りの税金泥棒になって恬として恥じない卑しい人間になるのだろう。こんな効率の悪い教育も無い。教育は一から原点に戻ってインドを見習うべきである。インドの大学進学率は7%に過ぎず、日本の7分の一であるが、真のエリートはインドが圧倒的に多い。
私自身学校で習った事で役に立ったと思うのは、国語、英語、歴史、生物、化学、物理、数学くらいのもので、それも細かい事ではなく大まかな考え方である。特に大学で専攻した法律なんぞは、卒業と同時に右から左へと直ぐ忘れた。勉強嫌いの生徒に下らない事を
教えるほど無駄な事は無い。二人に一人が大卒だと言うが、その殆どが小学校の算数も出来ないと言う。大学は今やレジャーランドと化している。
こんな日本が近い将来インドに追い越されるのは当たり前である。

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