政府と電力各社は使用済み核燃料の再処理をロシア国営の原子力独占企業体に委託する交渉に入ったと聞いて何だか不安になったのは私だけではないだろう。
従来イギリスとフランスに委託していたが回収ウランの濃縮はコストが高い為処理が進まず、在庫が6400トンに膨れ上がり、イギリスからは引取りを要請されていた。従って処理能力の大きいロシアに委託するのは背に腹は変えられないという事だろう。
日本はアメリカ、フランスについで世界第三位の原子力発電能力を持つが、ウランの全量を輸入に頼っている。原発はCO2排出量が少ない為、今後10年間で原発を三割増やす計画だと言う。それにしてはウラン濃縮能力はウラン使用量の一割に過ぎないからどこかちぐはぐである。やはり日本人の核アレルギーが強過ぎて、能力を増やそうにも住民の反対があって進まないからだと思う。原発の増設と核燃料のリサイクル施設だけは、地方自治体や地域住民のエゴに左右されずに、国益として推進しなければならない。
ロシアにばかりウラン濃縮を頼っていると、いつ何時供給を止められるかもしれない。一
尤もロシア、カザフスタンで世界のウラン埋蔵量の四分の一を占めると言うから、今から両国との関係を密にしておかないと核燃料が入手できない事になる。いわばゴマすりである。やれやれロシアにだけはゴマを掏りたくないし、エネルギーを頼りたくも無い。ロシアほど当てに出来ない国は無いから金玉を握られたく無いものである。。

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